2人体制の新生SUSHIBOYSの歴史が始まった!
ヒップホップの正統な継承者としてのSUSHIBOYS
ヒップホップにおいて重要とされることがあります。
それは「リアル」であること、そして「オリジナル」であることです。
NYのブロンクスの片隅で生まれたこのカルチャーは今やポップミュージックに欠かすことができません。
当時、アフリカン・アメリカンの貧困と密接な関係を持っていたヒップホップ。
世界的流行に伴いリリックに反映される内容もより多様化されていきました。
90年代、バブル崩壊後の虚無感を繊細なポエトリーに落とし込んだスチャダラパー。
その系譜の正統な継承者こそレペゼン埼玉越生町(おごせまち)のSUSHIBOYSなのです。
EVIDENCEの脱退...
しかしどんなグループにも転換点が訪れるものです。
SUSHIBOYSに転換点が訪れたのは2018年末、アルバム『350』をリリース直後。
中心メンバーFARMHOUSEの実弟EVIDENCEの脱退がアナウンスされたのです。
2018年のクリスマスにリリースされたlyrical schoolの『シャープペンシル feat.SUSHIBOYS』。
この作品が3人体制でのSUSHIBOYSの実質的ラスト音源となってしまいました。
3人がじゃれ合う姿が魅力の1つであったSUSHIBOYSだけにそのショックは計り知れません。
どうする?どうなる?SUSHIBOYS!とファンがヤキモキしながら迎えた2019年。
なんと彼らの本格的な再始動を告げる楽曲が発表されたのです。
『SANAGI feat.SANTENA』のサプライズ配信!
FARMHOUSEの希少EP『PEDAL』に追加収録!
2019年2月25日に配信が解禁されたFARMHOUSEのソロEP『PEDAL』。
この作品は2018年春に通販&ライブ会場限定で販売された今や入手困難な作品でした。
SUSHIBOYSの魅力である一見ダサいとされるものをリリカルに表現する手法が存分に堪能できる作品。
アートワークが示すのはその代表曲ともいえる『ママチャリ』です。
SUSHIBOYSのオリジナリティ
かつてこれほどまでにママチャリをスタイリッシュに描いた作品はあったでしょうか?
そもそも誰も題材に選びません。
日常の中にあるけれどみんなが見えていない面白いこと。
それをアートとして昇華させてしまうのがSUSHIBOYSのオリジナリティです。
そしてSEEDAを筆頭に様々なベテランラッパーを唸らせたFARMHOUSEのラップスキル。
それを堪能できるのがソロEP『PEDAL』なのです。
『PEDAL』は配信解禁に伴い2曲が新録音源に差し替えられています。
今回紹介するのは新たに収録されたSUSHIBOYSの実質的な新曲『SANAGI feat.SANTENA』です。
『SANAGI』は蝶となり繁華街へ
From Ogose to Shibuya
2019年2月21日に公開された『SANAGI feat.SANTENA』のMV。
驚くべきことにSUSHIBOYSが練り歩くのは地元生越町ではなく渋谷のど真ん中です。
FARMHOUSEはいつものスポーティなファッションではなく上下黒のセットアップとイエローのカットソー。
ヘアスタイルも清潔に整えて少しだけ大人になったSUSHIBOYSを表現しています。
『SANAGI feat.SANTENA』のMVを手掛けたのは謎のクリエイターSPARTA。
グラフィティライターSITEの名で知られる映像作家Ghetto Hollywood関連作に関わる人物です。
海辺でのラストシーンで2人が歌う姿はGhetto Hollywood制作のBAD HOPのMVに近い構図が取られています。