「夢アド」の両A面シングル!

まずはMVを観ていただきました。
ちょっと不思議な感じのする、SFのようなMVですね。
「20xx」は夢みるアドレセンスの10thシングルで「Exceeeed!!」との両A面で発売されました。
今回は、「20xx」の歌詞について解釈していきます。
1番の歌詞
「あの時」とはどんな時?
あの時のように語り明かそう そして夢中で踊ればいいの
出典: 20xx/作詞:中村彼方 作曲:佐々木裕
過去を振り返るような、そして誰かに呼びかけるような一文ですね。
また、おそらくこの歌詞の主人公は「女性」だと思われます。
「あの時」が具体的にいつのことかは不明ですが、きっと楽しかった思い出の日なのでしょう。
ドアの向こうで時間止まる 20xx 増えるルート
出典: 20xx/作詞:中村彼方 作曲:佐々木裕
ところが、その主人公の望みが「ドア」という言葉で無情にも断たれてしまいます。
思い出は思い出、現在に続いていないことを示唆しているのです。
そして曲のタイトルでもある「20xx」。
「にせんキスキス」ですが、注釈無しだと「にせんエックスエックス」と読むのが自然ではないでしょうか。
21世紀に入ってあまり使われなくなった表現ですが、20世紀末には良く使われていました。
「近未来」を意味する言葉で、「199X年、○○した」というフレーズがあったのです。
実際、この曲の歌詞でも近未来的なこと意味する表現として使われています。
その後に続く「ルート」が、いくつもある未来の可能性を意味しているからです。
空間のねじれ
もしもし 浮かない顔してどうよ
考え込んでも 変わらない現状
雨つぶ 傘ない 差せない 切ない
今日まだ キミのことを見てないな
出典: 20xx/作詞:中村彼方 作曲:佐々木裕
1行目は、4行目に登場する「キミ」の表情のことなのでしょうか?
その後に続く歌詞を見ると、主人公本人の「不満」を意味しているようでもあります。
自分自身で自分の表情を見て話しかけているような「空間のねじれ」を感じる部分です。
それはともかく「不満」の内容を見てみましょう。
- いまいるこの場の状況を変えられないことに対する不満
- 雨が降っていることに対する不満
- 傘を持っていないことに対する不満
- 「キミ」に会えていないことに対する不満
主人公の頭の中でこれらの不満がごちゃ混ぜになっているのです。
中でも、とくに大きい不満は4行目でしょうね。
タイムマシンがあれば…
昨日の未来は こんなんじゃなかったはずだよ
進めて 戻して チクタク デジタル 今すぐ
出典: 20xx/作詞:中村彼方 作曲:佐々木裕
1つ前のフレーズから察するに、本来は今日も「キミ」に会えるはずだったのでしょう。
「また明日」と挨拶をして別れたのでしょうか?
あるいは「昨日見かけたこの場所に今日も来るはず」と思って待ち伏せをしていたのかもしれません。
この状況に不満が募る主人公。
- (幸せを感じていた)昨日に戻りたい
- (理想の)未来に進みたい
こういった願望が「時計を操作する」という行動に表れています。
そしてこの時計ですが、アナログとデジタルの両方が使われているところがポイント。
「世界中の時計を動かしたら、現実の時間も変るのでは?」と主人公は考えているように思います。
そして最後の言葉に、主人公の苛立ち、焦燥感が乗っているようです。
それと同時に「ウ」母音で韻を踏んでいるのも面白いですね。