個性を出さなきゃいけない そういう流行の無個性で
悟ったように 一歩引いた 匿名希望の傍観者
ちょっと待ってよ 星空は 変わらずあの日と同じだよ
理解されずとも宝物は 今でも宝物のはずでしょう
出典: https://twitter.com/SUPERBEAVER_bot/status/930466504369254400
就活や会社で認めてもらうために有益な「個性」を「出さなきゃいけない」というのが当たり前になった時代で、自分が本来持っている「個性」は「無個性」と同じだと一歩引いて「傍観者」を演じていたという歌詞。
自分は「無個性」として、人がいいというような「個性」を作り上げて身を固めれば、「大人」になったと評価はされるかもしれませんが、自分が生まれ持ったものは全てなかったことにするということです。
そんな姿勢に対して「ちょっと待ってよ」と警鐘を鳴らすのがこの部分の歌詞です。
「星空は 変わらずあの日と同じ」で、綺麗なものは理解されなくても綺麗だし、「理解されずとも宝物は 今でも宝物のはずでしょう」。
つまり、子供の頃大切だったものを無理して無かったことにすれば、自分とは違う自分を演じることでストレスになったり、言葉だけは取り繕えても結果が出せなかったりと、それだけの歪みは生じることになるといっているのですね。
まずは「見えるもの」に気づくこと
変化が怖くて 変わらぬ日々も嫌いで
変わりたくて 変われなくて こどもの頃を思ったりもして
見失いそうで 自分である意味とか
コンビニで目にした太字を 気にしてたんだろう?
でもね それでもね 見えるものに気付いてよ
出典: https://twitter.com/H_mikkun_Y/status/881545227516887040
ここまでの自分「らしさ」に対する葛藤がフラッシュバックのように戻ってくる歌詞。
変化が怖い、しかし、「変わらぬ日々も嫌い」。
「変わりたくて 変われなくて」。
「こどもの頃」好きなものを好きと言えていた時代を思い出したりして、「自分である意味」があるのかすらわからなくなって。
誰かに気に入られるのに役に立ちそうな「コンビニで目にした太字を 気にして」。
混乱に陥る様が見えるようですね。
「それでも見えるものに気付いて」という歌詞は、恐怖や嫌悪という感情に溺れるのではなく、そして、変われない自分に苛立つのではなく、過去に思いを馳せるのでも、誰かが言う正論を信じるわけでもなくて、少し顔をあげて、今見える、自分を見てくれている人たちのことを思い出してといっているのです。
僕と君が違うということは僕「らしさ」があるということ!
だから僕は僕らしく
そして君は君らしくって
始めから 探すようなものではないんだと思うんだ
僕は君じゃないし
君も僕じゃないから
すれ違う 手を繋ぐ そこには愛だって生まれる そういうもんさ
自分らしさって何だろう?
変えられない 大切があるから 変わりゆく生活が正しい
出典: https://twitter.com/shin55446518/status/910899302838366208
「らしさ」とは、探すものでも、演じるものでもない。
「僕は君じゃないし」「君も僕じゃない」という時点でそこには「僕」らしさ「君」らしさがあるのです。
一人一人が別人だからこそすれ違ったり、手を繋いだりすることができ、「愛だって生まれる」のです。
本来「らしさ」や「個性」はそうやって自他を線引きするだけのもので、子供の頃の「大切」なものを失ってまで得るものではないということですね。
そして、そんな子供の頃から「変えられない」ような「大切があるから」、それを失わないために自分を変化させていく、「変わりゆく生活」が「正しい」ということ、それこそが「らしさ」を守ることでもあるということでした。
おわりに
何かを失いながら生きる現代社会だからこそ、より心を揺さぶるSUPER BEAVERの「らしさ」の歌詞。
「ばらかもん」の主人公の葛藤と、バンドが歩んできた決して順風満帆では無かった道のりの苦悩がその言葉に広がりと重みを持たせているようでもありました。
「自分らしさって何だ?」とわからなくなる日には、ぜひ聴いてほしい一曲です。
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