結成30年

スピッツは2017年に結成30周年を迎えました。1987年にスピッツを結成して以来、活動を休止することなく30周年を迎えました。

30周年を記念してベストアルバム「CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection」がリリースされました。

これまでの全シングル、配信シングルに加えカバー曲1曲と新曲3曲が収録されています。

今回はそんな「CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection」の中から新曲である「1987→」を解説させて頂きます。

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「1987→」を紹介する前に

「1987→」を解説するにあたって、知っておいて欲しい曲が2曲あります。

スピッツの歴史と共にお付き合い頂ければと思います。

THE BLUE HEARTS「人にやさしく」

スピッツ「1987→」はバンド30年の集大成!歌詞の意味解釈からファン感激の真実を紐解く!の画像

誰もが知っているであろう、THE BLUE HEARTS「人にやさしく」です。

メンバーの草野マサムネさん、田村明浩さんたちが、ザ・スピッツというバンドを組んでいた当時、聴いた曲だそうです。

ザ・スピッツ時代、草野マサムネさんはパンクロックに憧れており、かなりロックでした。

ですが、THE BLUE HEARTSの「人にやさしく」を聴いて、崩れ落ちてしまいます。

自分のやりたかった音楽を、THE BLUE HEARTSに先を越されてしまったからです。

結局、その挫折が原因でバンドは自然消滅してしまいます。その後、誕生したのが現在のスピッツです。

THE BLUE HEARTSと同じことをやったところで太刀打ちできないという理由から、アコースティックギターを持ち、現在のスタイルになったようです。

THE BLUE HEARTSがいなければ「1987→」どころか、今のスピッツは存在していなかったかもしれません。

スピッツ「泥まみれ」

もう1曲、「1987→」を語る上で絶対に外すことが出来ないのが、スピッツの「泥まみれ」です。

「泥まみれ」は、1988年に発売された「SPITZ」というカセットテープに収録されています。インディーズ時代だった当初、スピッツが初めてリリースした音源になります。

ですが「SPITZ」はたったの70プレスのみ!市場に出たものの、買った人のほとんどが友人だったそうで、まさに幻のカセットテープです。

その後「泥まみれ」がCD音源化されることはありませんでした。

公式アカウントからではありませんが、現在は「泥まみれ」の音源がYouTubeにアップされているので、そこから聴くことが出来ます。

今のスピッツとは違い、THE BLUE HEARTS要素が漂う楽曲です。

スピッツ「1987→」

スピッツ「1987→」はバンド30年の集大成!歌詞の意味解釈からファン感激の真実を紐解く!の画像

お待たせしました。「1987→」を解説させて頂きます。

まずタイトルの読み方ですが、「1987→」で「いちきゅうはちなな」と読みます。

早速MVを見てみましょう。

イントロに注目!

カセットテープを挿入してボタンを押し、カチッという音がした後、曇った音が最初に流れてきます。

ですがそれは数秒だけで、すぐに綺麗な音に切り替わり、同じようなドラムギターが流れてきます。

実は、この曇ったような音こそ正に、「泥だらけ」のイントロなのです!「1987→」のイントロには「泥だらけ」のイントロが使われていたのです。

あの頃と変わらないというメッセージ?

「泥まみれ」はFメジャーキーなのに対して、「1987→」はEメジャーキーなので、イントロで若干の音の違いがあります。

ですが、「泥まみれ」が使われているのはイントロだけではありません。

1番が終わった後に入るギターソロも全く同じといえるでしょう。

「1987→」という楽曲をリリースして、スピッツはあの頃と変わっていないということを伝えたかったのでしょう。

当時からファンだった方は嬉しくて仕方がないでしょうね。

筆者自身、スピッツのファンというわけではありませんが、このエピソードを聞いて大変感銘を受けました。

今後音楽史に残るエピソード、楽曲となるのではないでしょうか。

MVに映っているのはスピッツの軌跡

MVでは沢山の写真、動画が流れてきます。白黒の写真もあり、時代の流れを感じさせられます。

1番が終わった後のギターソロ間で、若かりしスピッツの白黒のライブ映像と現在のライブ映像が並んでいます。

時が経ち老けていきますが、30年前のスピッツと何も変わってないことが分かると思います。