ここからは主人公に向けたメッセージが歌われます。
綺麗事ではない、的を得た言葉がけに注目です。
深い闇が表現するのは?
ああ君だって
寂しさと哀を抱いて眠るの
でもさ触れたくなって
愛しいほどの涙
きっと月が陰れば
この夜の淵まで愛せるから
その炎はまだ揺らめく
出典: 闇夜/作詞:Eve 作曲:Eve
孤独が感じられるフレーズです。
それとともに、Eveから主人公に語り掛けているような印象も受けますね。
決してこの暗闇が明けることはないと歌っています。
それどころか、月がなくなり真っ暗になる瞬間を歌っている…。
どういう意味なのでしょうか?
本当に過酷な状況下に置かれた人へのメッセージなのかもしれません。
人は苦痛を受け入れ精神的に乗り越えたとき、驚くほど成長します。
乗り越えるまでに脱落する人もいるでしょう。
例えば強いストレスをきっかけに発症するPTSD(心的外傷後ストレス障害)。
本当に辛い症状なのですが、これを乗り越えた先に得られるものもあります。
問題を受け入れる能力が成長し、何事も乗り越えられる解決力が身に着くのです。
それをPTSG(心的外傷後ストレス成長)と呼びます。
この楽曲で歌われているのは、強い苦痛を乗り越えることではないでしょうか。
大切に抱きしめているのは…
汚れてしまわないように
消えて無くならないように
見えないものだって抱きしめたいから
出典: 闇夜/作詞:Eve 作曲:Eve
ここで抱きしめたいと願っているのは「人間らしい心」なのだと思います。
どれだけ醜いと言われても、どれだけ化け物扱いされても、自分自身を嫌いになっても…。
「人間らしい心」だけは見失いたくない。
「痛み」すら感じなくなった自分には正直、感情があるのかすら分からない。
でも、きっとまだあるのだと信じて生きていきたい。
そんな思いが込められているのではないでしょうか。
孤独にはさせない
あの日の僕に間違いなどない
救いの声を
失うばかりの
血の滲むような物語も
闇夜に染まれど
それでも歩みを止めることはない
もう貴方は独りじゃないから
出典: 闇夜/作詞:Eve 作曲:Eve
百鬼丸と共に旅をするどろろの視点なのかもしれません。
そして、苦しい人生を生きる人に向けたEveからの言葉でもあるのでしょう。
どこまでも他人に忌み嫌われ、疎外感を味わい続ける人生…。
そうであっても決して孤独にはさせない。
ずっと寄り添い続ける。
全てを包み込む愛情が感じられるフレーズです。
何を取り戻す?
ああいつだって
愚かさに苛まれているの
でもさ辛くなって
終わらない夜ならば
きっと疑わぬ貴方
呪われた世界を 愛せるから
全てを背負った今
取り戻すの
出典: 闇夜/作詞:Eve 作曲:Eve
「背負う」とは、前述した受け入れて乗り越えること。
そして最後に取り戻そうとしているのは「人間らしさ」なのだと思います。
「人間らしさ」を求めて明日を生きているのでしょう。
百鬼丸は身体を取り戻そうと旅を続けています。
でも、取り戻すのはきっと身体だけではありません。
傷ついて見えなくなった「心」を取り戻すのです。
最後に
「どろろ」の世界観が色濃く反映された内容でしたね。
なおかつ、「どろろ」を知らない人へ向けたメッセージ性も感じられました。
明けない夜であっても諦めないでほしい。
そんな切実な願いが込められている気がします。
オススメの楽曲を紹介
最後に、EGOISTの「All Alone With You」という楽曲もオススメです。
あなたの罪ごと受け入れる。
このメッセージは「闇夜」に似た寄り添い方に感じられます。
アニメの世界感を描いているという点でも共通点があるでしょう。
こちらの記事では歌詞を解説しています。