この歌詞の主人公はなぜ口笛を聴いて少し癒されたのでしょう。
筆者の勝手な予想ではありますが、恐らく口笛から余裕を感じたのではないでしょうか。
朝から晩まで忙しく回っている東京。
電車に乗れば通勤ラッシュや帰宅ラッシュで大混雑。
仕事に行けば、たくさんの業務が山積みで大忙し。
休憩で飲食店に行っても、やはり店内は混雑していて落ち着かない。
都会に住んでいるとそのような状況にぶつかることも多いです。
この歌詞の主人公はそんな余裕のない街で、口笛を吹いている余裕そうな人を見かけました。
「東京にもあんな余裕で楽しそうな人がいる。この街もまだ捨てたもんじゃないな」
そんな風にきっと感じたから、口笛に癒されたのではないでしょうか。
大切な人がいるから働き続けることができる
描いた夢
それを追い続けたって 所詮
たどり着けるのはひとにぎりの人だけだと知ってる
「それならば何のために頑張ってる?」
とか言いながら分かってる
この街に大切な人がいる
出典: 東京/作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai
夢を描くことは誰にだってできます。
しかし、その夢を実現できるのはほんのひとにぎりだけかもしれません。
夢に対する情熱がどんなにあったとしても、叶えることができないまま時間だけ経つ可能性もあるのです。
この歌詞の主人公はそれも承知の上で、この大都会で夢を叶えると決めました。
それでも挫けそうになりそうな時、ふと思うのでしょう。
「それならば何のために頑張ってる?」と。
だけどこの歌詞の主人公が挫折してしまうことはありません。
なぜなら、自分が働くことによって守れる人がいるから。
この歌詞の「大切な人」が誰なのかは分かりません。
家族かもしれないし、恋人かもしれない。
もしくは働くことで笑顔になってくれるお客さんかもしれない。
この主人公には働くことへのモチベーションとなる存在がいるようですね。
東京は入れ替わりの激しい街
東京は後戻りしない
老いてく者を置き去りにして
目一杯 手一杯の
目新しいモノを抱え込んでく
出典: 東京/作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai
東京の街はどんどん進化をし続けます。
若い人たちが次々と活躍し、新しいものがどんどん流行る。
入れ替わりの激しい街です。
反対に、長年活躍してきた人や古いものは表舞台から姿を消していきます。
東京というと華々しいイメージが強くありますが、実はとても冷たくて残酷な街でもあるのです。
この主人公はそんな街の中で日々戦って働いています。
東京で生き残るのは大変ということが伝わってくる歌詞ですね。
思い出の場所さえもどんどん潰れていく東京
(※)思い出がいっぱい詰まった景色だって
また 破壊されるから
出来るだけ執着しないようにしてる
それでも匂いと共に記憶してる
遺伝子に刻み込まれてく
この胸に大切な場所がある
出典: 東京/作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai
話題のお店や遊び場所。
東京にはそんな場所が数多くあります。
しかし、入れ替わりの激しい街なので時間が経てばどんどん潰れていくのです。
そして、潰された場所にまた新しい別の建物などができます。
だから思い出の場所ができたとしても「執着しないようにしてる」といっているのでしょう。
あまり執着しているとそれが崩された時に大きいショックを受けますからね。
それに、例え思い出の場所が崩されたとしても、思い出が消えるわけではありません。
大切な思い出はいつも自分の胸の中に刻まれています。
ふと昔のことを思い出す主人公
バイパスに架かる歩道橋からよく見える
ベランダに咲いた彩とりどりの花
甘い匂いがこの胸にあふれ出す
あの人に手紙でも書こうかなぁ?
出典: 東京/作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai
この歌詞の主人公は歩道橋からベランダの花を見ています。
なので、実際に甘い匂いが香ってきているわけではないようです。
ただ花を見ただけではありますが、昔の思い出とともに花の匂いも思い出したということなのでしょう。
ということは、歌詞に出てくる「あの人」とは恐らく、昔よく一緒にいた人ではないかと推測できます。
両親や友人、昔の恋人など、さまざまな人を当てはめることができそうですね。
ふと昔のことを思い出して「あの人そういえば元気にしてるかな?」という気持ちになったのでしょう。
もし夢が叶わなかったとしても…
描いた夢、理想を追い続けたって多分
ものにできるのはひとにぎりの人だけど
あと少し頑張ってみようかな
それでもいつか可能性が消える日が来ても
大切な人はいる
(※くりかえし)
この街に大切な人がいる
出典: 東京/作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai
東京で夢を叶えることは容易ではないかもしれません。
でも、この主人公はそれでも「あと少し頑張ってみようかな」と自分を励まします。
この歌詞の主人公にとって、その夢はとても大事なものなのでしょう。
しかし、その夢以上に大事に思える人がいるようです。
だから、多くの時間が過ぎ去って「やっぱり夢が叶わなかった」という結末を迎えたとしてもよいのです。
夢を叶えることはできなくても、自分のそばにはいつも大切な人がいる。
だから、今日も頑張れる。
そんなことをこの歌で伝えたいのではないかなと感じました。
自分の夢を応援してくれる人や、いつも寄り添ってくれる人がいるというのはありがたい事ですね!