THE BLUE HEARTS「夕暮れ」
1985年に結成し、1995年に惜しまれながら解散したTHE BLUE HEARTS(ブルーハーツ)。
フロントマンである甲本ヒロトと真島昌利は、解散後も未だに一緒にバンド活動を続けています。
その2人の関係の始まりともなったバンドがこのブルーハーツです。
今回は彼らの楽曲の中から、甲本ヒロトが作詞作曲した「夕暮れ」をご紹介します。
様々な名曲を生み出してきた彼の特徴の1つが、その歌詞の世界観です。
今回は「夕暮れ」の歌詞の意味を考察し、解説していきます。
幸せになる権利
誰でも幸せになれる
はっきりさせなくてもいい
あやふやなまんまでいい
僕達はなんなとなく幸せになるんだ
出典: 夕暮れ/作詞:甲本ヒロト 作曲:甲本ヒロト
まず冒頭の歌詞からご紹介しましょう。
ここではまず何かに対して曖昧であって良いということをリスナーに対して提示しています。
これが具体的に何を指しているのかを考える際にヒントとなるのが3行目の歌詞でしょう。
この歌詞によって、1、2行目の歌詞が幸せを掴むための道のりに関係することであると分かります。
世間では目標や将来の夢を持つということが良いことだとされることが多いです。
しかしながら甲本ヒロトはそうした特定の何かに向かって進む必要なんてないのだと私たちに教えてくれています。
この3行で彼ははっきりとした夢を持つことができなくても私たちは幸せになれるのだと伝えたいのでしょう。
私たちは独りじゃない
何年たってもいい 遠く離れてもいい
独りぼっちじゃないぜウィンクするぜ
出典: 夕暮れ/作詞:甲本ヒロト 作曲:甲本ヒロト
1行目の歌詞は、前述のパートから繋がっています。
幸せを掴むまでにどれだけ時間がかかったとしても良いと私たちを励ましてくれているのでしょう。
2行目では、私たちがどんな場所にいようとも独りではないということを伝えてくれています。
甲本ヒロトはもし幸せを掴むまでの道のりで悩んでしまっても、いつでも心が繋がっているといいたいのでしょう。
「ウィンク」という言葉からはまるで彼が長い付き合いの友人のように感じられます。
彼はリスナーに対して、友人のような距離感で接したいと考えているのではないでしょうか。
現実を生きている
「夕暮れ」が意味するもの
夕暮れが僕のドアをノックする頃に
あなたを「ギュッ」と抱きたくなってる
出典: 夕暮れ/作詞:甲本ヒロト 作曲:甲本ヒロト
ここではタイトルである「夕暮れ」が登場していますが、これは一体何を表しているのでしょうか。
これは部屋に夕焼け空の色が入り込んできている情景を表しているのでしょう。
夕焼けのオレンジ色というのはノスタルジーや切なさと結びつけられることが多くあります。
ここでもそういった感情と関係していると考えられるでしょう。
2行目の歌詞は、その切ない気持ちから生じた行動を表していると考えられます。
ここでいう「あなた」とは誰のことを表しているのでしょうか。
これも前述までの歌詞と関係していると考えることができます。
これは幸せを求めて目標が曖昧でも前に進もうとする人のことを指していると考えられるでしょう。
その健気さに彼は心を打たれているのかもしれません。
幸せになるために
幻なんかじゃない 人生は夢じゃない
僕達ははっきりと生きてるんだ
出典: 夕暮れ/作詞:甲本ヒロト 作曲:甲本ヒロト