続いて、紹介するのは「通常盤(初回限定盤)」です。
このアルバムには、「通常盤」に加えて全25曲の大ボリュームな内容を収録したディスクが1枚追加され、3枚組になっています。
このディスクは、映像作品となっています。
デビューした2006年から、10周年記念イヤーである2016年までのミュージックビデオが「BEST MUSIC CLIPS 2006-2016」として収録されています。
そして、「言ノ葉」のミュージックビデオは、このディスクの19曲目に収録されました。
「言ノ葉」の歌詞の意味とは?(コード付き)
「言の葉の庭」は「雨」がキーワード?
それでは、次に「言ノ葉」の歌詞の意味に迫っていきましょう。
アニメ「言の葉の庭」を観た人は、雨のシーンが非常に多く描かれていることに気が付きましたか?
実は、新海監督自身も「雨」をテーマに、この作品を描いたと語っています。
そんな「雨」というテーマは、どのように歌詞に絡んでいくのでしょうか。
コード譜と共に紐解いていきます。
「言ノ葉」の歌詞の意味とは?
E A EonG# A
天気図を横切り前線は伸びる
C#m7 A B
停滞する今日が低く垂れ込める
EonG# A B C#m7 EonG# B A
傘を 弾く 雨音 そっと 歩き始めた
出典: 言ノ葉/作詞:秦基博 作曲:秦基博
まずは、導入部分です。
冒頭のフレーズから、早速「雨」を連想させるような歌詞が盛り込まれていきます。
「天気図」、「前線」、「傘」、「雨音」とアニメ「言の葉の庭」の世界観にそっと寄り添っていくことにより、グッと曲に引き込んでいきます。
E A EonG# A
追い続ける夢に届かない僕と
C#m7 A B
重たい毎日にしゃがみ込む あなた
EonG# A B C#m7
同じ 孤独 つないだ ずっと
EonG# A Bsus4 B
忘れたことはな い
出典: 言ノ葉/作詞:秦基博 作曲:秦基博
ここでも「言の葉の庭」のストーリーを踏襲していきます。
「追い続ける夢に届かない僕」は、作中に登場する靴職人を目指す男子高校生のタカオを表していると考えられます。
また、「重たい毎日にしゃがみ込むあなた」は、生徒の嫌がらせにより退職に追い込まれた元、古文の教師であるユキノを表しているのではないでしょうか。
この2人は、「言の葉の庭」の中では、雨の日の午前だけ公園で会えるという不思議な距離感から関係がスタートしていきます。
それぞれの境遇や想いの中で、会っているその時間だけは理解してくれる人がいることに安心し、繋がりを感じることができる。
そんな2人の関係性を提示していきます。
E BonD# C#m
晴れるかな 心もまた
A EonG# B
泣き出した空の 下
E F#m7 G#m7 A F#m7
あなたが いたから 僕がいるよ
B
oh 呼びかけるよ もう聴こえなくても
出典: 言ノ葉/作詞:秦基博 作曲:秦基博
そして、サビに入っていきます。
雨の日の午前だけ会える不思議な関係の2人は、だんだん想いを寄せ合っていきます。
出会う前は、お互い孤独で、理解してくれる人も少なかったのでしょう。
そして、お互いがお互いを求め合うようになり、孤独で雨のように泣いていた心を晴れに向かわせていこうという気持ちが感じ取れます。
しかし、最後の一文では「呼びかけるよ もう聴こえなくても」と、離れてしまったかのようなフレーズになっています。
これは一体どういうことなのでしょうか。
E A EonG# A
僕ら無情の雨にただ打たれていた
C#m7 A B
潤んでもその瞳は明日を見ていた
EonG# A B C#m7 EonG#
固く 響く 靴音 もっと僕も
A Bsus4 B
強くなりた い
出典: 言ノ葉/作詞:秦基博 作曲:秦基博
そして、2番に入っていきます。
1番の最後で出てきた離れてしまったかのようなフレーズに繋がっていくかのような歌詞になっています。
切なさや悲しさを湛えながらも、それを乗り越え前に進んでいこうという強い決意を感じ取ることができます。
また、ここでは「靴音」という言葉が、「言の葉の庭」の世界観にリンクしてきますね。
E BonD# C#m
晴れるかな あなたがもし
A EonG# B
泣きたくなった 時は
E F#m7 G#m7 A F#m7
暗く覆う 悲しみ 拭えるように
B
oh 塗り替えるよ 光を集めて
出典: 言ノ葉/作詞:秦基博 作曲:秦基博
そして、2番のサビに入っていきます。
離れてしまってもあなたを想っている、そんな優しくて心強い気持ちが滲み出ているような歌詞になっています。
辛くなった時はいつでも頼ってほしいといった相手の女性をいつでも支えられる準備をしておこうという男性目線の強い決意が描かれています。
E BonD# C#m
晴れるかな 心もまた
A EonG# B
泣きそうな 日々の 中
E F#m7 G#m7 A
あなたが いたから 僕がいるよ
F#m7 G#m7 A
雨はいつか上がるはずだろ
B
oh 呼びかけるよ もう聴こえなくても
出典: 言ノ葉/作詞:秦基博 作曲:秦基博
そして、最後のサビに入っていきます。
明けない夜はないし、あがらない雨もありません。
どんなに辛い日々もきっとそれを抜け出る日が来るはずなのです。
そんな風に、未来に希望を見出すような歌詞になっています。
たとえ今は離れていても、2人で過ごしたかけがえのない時間は確かに心に残っています。
その時間があったからこそ今の自分があり、その時間を支えに頑張っていこうという前向きな想いで締めくくられていきます。