獅子哮るSPYAIR『PRIDE OF LIONS』
美しい青のグラデーションに彩られたライオンが牙を剥くジャケット。
クールでありながら口から吐き出される炎からは熱を感じます。
アスリートの強さが滲む『PRIDE OF LIONS』のMV
Bメジャーの歌い出しはSPYAIRらしい爽やかさを感じますね。
しかしサビに向かって激しさを増していき、最後はマイナーコードに収束します。
希望を抱いてスタートを切り、幾度も壁にぶつかりながら成長し、戦いに挑む。
こんな印象を受ける曲調です。
『PRIDE OF LIONS』は誰のために作られた?
『PRIDE OF LIONS』のMVに登場するアスリートは皆、日本体育大学(以降日体大)に在籍する現役選手です。
日本を代表するアスリートが多数在籍する日本体育大学の応援ソングをSPYAIRが制作。
書き下ろし楽曲「PRIDE OF LIONS」が配信限定でリリースとなりました!
出典: http://www.spyair.net/
MVの途中、柔道着の背中に見えた「名前」に気づきましたか?
「HIFUMI ABE」そしてその下には「JPN」の文字。
ユース時代から数々のメダルを手にしてきた柔道家、阿部一二三選手です。
阿部選手以外にも、日体大には日の丸を背負う多くのアスリートが在籍しています。
もちろん日の丸ではなくても、その人自身の「何か」を背負っている選手が多数います。
そんな彼らに向けて作られた曲なのです。
『PRIDE OF LIONS』のMVのココを読み解く!
数々の選手が次々と映し出されるMV。汗を流す彼らをただただ撮影しただけではありません。
それぞれのシーン、あるいはMV全体に何かしらの意味が込められているはずです。
- スポーツの華やかなシーン
- 下を向いたアスリートたち
- ライオンのキャラクター
- 「PRIDE」とは何か
今回はこの4項目をテーマにMVを読み解きます。
華やかなシーンの連続
鋭いサーブを放つテニス選手。誰にも邪魔されない「サーブ」は腕の見せ所です。
バレーボールにも同じことがいえますね。
バレーボールではアタッカーのスパイクがブロックの横をすり抜けていきます。
MVの前半は、こうした「見せ場」といえる華々しいシーンが立て続けに映し出されます。
これにはどのような意味があるのでしょうか。
スポーツは勝負抜きに語れない
鋭いサーブを放ったらそれを打ち返す、あるいは受け止める「相手」がいます。
サーブが決まればサービスエース、得点が得られます。相手は得点を奪われます。
つまり、華やかなシーンの中に勝者と敗者が誕生する。こんなふうに考えられないでしょうか。
バスケではパスを途切れさせることなくシュートを決めた側が勝者。阻めなかった側が敗者です。
勝敗といえば試合。試合には必ず勝ち負けがあります。
オリンピックのような大舞台をテレビで観戦している人々は、この勝敗に一喜一憂するでしょう。
しかしクローズアップしてみると、試合の中にも沢山の勝敗が生まれているのです。
サーブやシュート、タックル、数えればキリがないですね。
だからこそアスリートは一瞬たりとも気を抜かず、常に集中していなければなりません。
華やかな勝利の裏には必ず敗北があり、それらは表裏一体なのです。
数秒の勝負にも沢山の勝敗がある
2人の陸上選手がハードルを飛び越えていく場面があります。
陸上競技は球技のように試合時間や得点上限が決まっているわけではないため、勝負は1度きり。
しかしその中に、沢山の勝負が展開されます。
ハードルを越える際の上体の角度、踏み切りの位置、そのひとつひとつが相手との勝負です。
一瞬一瞬に勝ち負けが振り分けられ、負けが多かった者がそのレース自体の敗者となるのでしょう。
たとえオリンピアンであっても、沢山の敗北を喫しているはずです。
一瞬の敗北の重さを知るアスリートたちを表現した映像なのではないでしょうか。