「Stars on Planet -星の王子さまにさよならを- 」への書き下ろし
「星」をテーマにしたコンサート
今回ご紹介するのは天月さんが2018年11月15日に公開した「ほしのこもりうた」という楽曲。
「星」をテーマにしたコンサート「Stars on Planet」のために書き下ろされました。
「Stars on Planet」は、インターネットで活躍する歌い手さんがパフォーマンスをするイベント。
事務員Gさんが中心となって運営しています。
その日のために数々の楽曲が制作されるという、ロマンティックな発想が素敵です。
2018年8月30日に実施されたコンサートのサブテーマは「-星の王子さまにさよならを-」。
これはアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの名作である小説「星の王子さま」のことです。
「ほしのこもりうた」を解釈するうえで重要なテーマであるはず。
どんな作品なのか、Wikipediaの概要をチェックしてみましょう。
単なる児童文学ではない
体裁は児童文学ながら、子供の心を失ってしまった大人に向けての示唆に富んでいる。
「大切なものは、目に見えない」を始めとした本作の言葉は、生命とは、愛とはといった人生の重要な問題に答える指針として広く知られている。
この作品の元になったと思われる、1935年のリビア砂漠での飛行機墜落事故の体験は、サン=テグジュペリによる随筆集『人間の土地』で語られている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/星の王子さま
このわずかな説明だけでも、とても深い内容であることがうかがえますね。
作者であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリさんは航空機のパイロットとして活躍していました。
ところがある日、彼の操縦する飛行機はリビア砂漠に墜落してしまうのです。
そして彼は、なんと徒歩で砂漠を横断して3日後にカイロにたどり着きます。
過酷な状況下になって人は初めて「本当に大切なのは何なのか」という問題に気付くのではないでしょうか。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリさんにとって、多くの考えを巡らせるきっかけとなったよう。
この経験が「星の王子さま」に反映されているのです。
つまり、彼が身をもって体験したことを、フィクションを通して味わうことができます。
「星の王子さま」で繰り広げられる深いテーマ
物語の主人公は「愛」や「価値」「基準」とはいったい何なのか次々と気付かされます。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリさん自身がそうだったのでしょう。
それはきっと、多くの大人が悩んでいるテーマ。
幼いころは疑問に思うことも少なかったでしょう。
あるいは、幼いころから悩んでいたのであれば疑問は相当深いでしょう。
自分の心が苦しんでいることすら気が付かない人も多くいます。
しかし、ふと思い返すと、無邪気だったあの頃のようには振る舞えない自分がいたりしませんか?
「羨ましい」「幸せになりたい」「恥ずかしい」「自信がない」「つまらない」「スリルを味わいたい」。
こういった願望は、何か大切な感情を子供時代に置き去りにしてきたことが原因なのかもしれません。
楽曲に対するコメント
「ほしのこもりうた」のMVが公開されている概要欄には、天月さんのコメントがあります。
見てみましょう。
今日はどんな話の続きをしようか
子供の頃、絵本の世界に飛び込むことが大好きでした。
心暖まる楽曲になっていれば幸いです。
出典: ほしのこもりうた/作詞:天月-あまつき- 作曲:天月-あまつき-
子供の頃の絵本に対する「ワクワク感」をもとに制作されたのかもしれませんね。
楽曲のタイトルが全て「ひらがな表記」になっているのにも意味がありそうです。
「ひらがな」は幼い子供が読めるようにと配慮する際の表記。
この楽曲が子供のために作られたという点が推測できます。
また、「ひらがな」は漢字よりも優しい印象を与えるのではないでしょうか。
絵本のようなMVをチェック

まず、映像の隅がフレームのように黒く塗りつぶされているのが印象的。
フィクションや想像の世界であることが読み取れますね。
登場する人物は誰もが穏やかそうな表情を浮かべており、心温まります。
テーマである「星」が溢れる中で繰り広げられる物語。
いったいどんな意味が込められているのでしょうか?
読み解いていきましょう!