世界を見据えた本編MV
どこにいてもみんな気にする
黙って聞いてたけどもうウンザリしてる
あいつはヒップホップじゃないヒップホップとか聞き飽きたよドクター
ヒップホップとかヒットソングより表現したかった
ジャンルとかカルチャーとか正直知らねんだわ
出典: I'm a Pop/作詞:ちゃんみな 作曲:ちゃんみな,Ryosuke'Dr.R'Sakai
ティザー映像の公開から約半月後の2019年2月15日。
ようやく公開された『I'm a Pop』の本編MVは更に期待を上回るクールな仕上がりでした。
真っ白に漂白された部屋の中央。
純白のベッドの上には白装束のちゃんみなが気怠そうに座っています。
周囲を取り囲む黒衣の男たちは韓国の第707特殊任務大隊でしょうか?
そしてちゃんみなの取り巻きと思われるファッショナブルな男女。
まるでちゃんみなが敬愛するBIG BANGのMVのようです。
これまでのMVとは明らかに一線を画すクオリティ。
これらは全てちゃんみなの世界戦略の一部なのでしょう。
トラップビートにハングルラップで世界を視野に入れた?
나는 한국어로 말하는 무슨 어떻게
이 재능도 우리 엄마 덕분
부러운 것 부러운 것 알지 겨우거야 헤
미치지 jealousy 내가 좀 욕을 많이 먹네
出典: I'm a Pop/作詞:ちゃんみな 作曲:ちゃんみな,Ryosuke'Dr.R'Sakai
その根拠といえるのがこれまで以上に踏み込んだ歌詞の中身です。
日韓ハーフで英語・韓国語・日本語のトリリンガルである彼女。
ついにハングルを積極的に歌詞に取り込むことを決意します。
以下がハングルパートの和訳です。
“私が韓国語で喋るからってなによ
この才能もうちのママのおかげ
羨ましいでしょ羨ましいでしょわかっててやってるの
狂いそうでしょ ジェラシー 私 よくディスられるのよ”
K-POPファンなら誰もが知っていますがハングルはブラックミュージックのビートとの相性が抜群です。
KOHHやJP The Wavyといった先鋭的なラッパーは積極的に韓国のラッパーと楽曲制作を行っています。
日本語よりもハングルの方が得意だというちゃんみな。
花魁姿で歌う姿はティザー映像を軽く凌駕する格好良さをまき散らしています。
第2期ちゃんみなのテーマは「ジャンルレス」
4人のちゃんみながジャンルを横断する
I'm a pop
I'm a rock
and I'm a hiphop
I can't breathe in here
息苦しい
I'm a pop
I'm a rock
and I'm a hiphop
응급 답답한
息苦しい
出典: I'm a Pop/作詞:ちゃんみな 作曲:ちゃんみな,Ryosuke'Dr.R'Sakai
『I'm a Pop』のMV本編で明らかにされたのは第2期ちゃんみなの主要テーマ。
それは「ジャンルレス」です。
「わたしはポップでロック、そしてヒップホップだ」と高らかに歌うサビ。
その姿勢を表すようにMVには4人のちゃんみなが登場します。
ポップスターを表す白装束の姿、ロックスターのような全身レザーファッション。
そしてネオンカラーの洋服にグリルズ(歯に装着するアクセ)というヒップホップファッション。
あえてステレオタイプなファッションを身につけることでジャンル分けされることを拒否しているのです。
もう1人、花魁姿のちゃんみなはハングルでのラップパートに登場します。
4人のちゃんみなは別人格ではありません。
自由な姿勢で「ジャンルレス」に活動してゆく1人の女性としてのちゃんみなを体現しているのです。
キスシーンに込められた想いとは?
Where are you from ey
どこでもよくね
どこにいたって
別に関係なくね
どいつもこいつもジャンル分け
ああでもこうでもないってなんで
出典: I'm a Pop/作詞:ちゃんみな 作曲:ちゃんみな,Ryosuke'Dr.R'Sakai
もう1つ、誰もが衝撃を受けたであろうあるシーンについて。
それはMVの2分40秒頃に唐突に現れるキスシーンです。
濃厚なキスの相手は黒髪の女性。
ちゃんみなは『I'm a Pop』でセクシュアリティの垣根も破壊してしまおうと試みているのです。
「ジャンルレス」というテーマは音楽だけに留まりません。
性別・国籍等全てにおいて多様性を表現しているのです。
幼少期にちゃんみなが受けたイジメは主に国籍に関することでした。
この出来事は後のヘイトスピーチに連なる日本社会の膿だといえるでしょう。
MVにあえて女性同士のキスシーンを盛り込んだのはLGBTへのヘイト活動へのアンチテーゼです。
誰もが多様性を認め合う社会を実現したい。
そんなちゃんみなのピュアな気持ちが『I'm a Pop』には凝縮されているのです。
最後に
今回は第2期ちゃんみなを象徴する『I'm a Pop』を紹介いたしました。
ヒョウ柄でクールに彩られたティザー映像。
本編MVではリスナーの期待を120%裏切った壮大なテーマを見せてくれました。
トリリンガルラップで世界に焦点を定めたであろう第2期ちゃんみな。
今後も予測を裏切るフリーキーな活動を期待したいと思います。