良い子はいいや(アイツに任せた)
悪い子になった(あの子に夢中さ)
どこへ行くんだい(どこへ逃げるんだい)
遊ぼう?(遊ぼう?)
All my love for you will be Christmas gift.
出典: ブラッククリスマス/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
さて、ここで2人のブラックサンタクロースの登場です。
この2人にとって「良い子」は興味がありません。
通常の赤いサンタクロースに任せてしまい、先ほどの「悪い子」のもとへとプレゼントを運びに向かいます。
MVからもそらるサンタとまふまふサンタが話し合って誰のもとに行くのか決めているのが伝わりますね。
でも、伝承を知る子供がブラックサンタクロースを恐れているのも知っているよう。
怖がる子供に対して「逃げないで一緒に遊ぼうよ」と語りかけるのです。
最後の英語では「僕の全ての愛をこめてクリスマスプレゼントを渡すよ」と言っています。
そう言われると余計に怪しんでしまいますね(笑)
ブラックサンタクロースが訪れる
A Black Santa Claus is coming to town tonight.
A Black Santa Claus is coming to town tonight.
A Black Santa Claus is coming to town tonight.
A Black Santa Claus is …
「悪い子はここかな」
出典: ブラッククリスマス/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
今夜、ブラックサンタクロースが街にやってくる。
そう繰り返しながら、雪の積もった景色が映し出されています。
サンタクロースが夜空を駆け抜けるイメージでしょうか。
その後、そらるサンタが台詞を放ちまました。
素晴らしい美声ですね(笑)
もうこれはファンサービスでしょう。
2人のサンタクロースは無事、悪い子のもとへと辿り着いたようです。
「悪い子」は何に縛られている?
「悪い子」が望むのは
うなされるだけの愛に
まだ夢を見ているのはどうして?
12時の君を目覚めさせるよ
冷たい街角はChristmas Christmas
いたずら好きの世界を
正せる祈りなどはないさ
泣き声を掻き消して鐘が鳴る
まだ淡々聖夜か何かに祈ってるの?
今宵はding-dong ding-dong 明かさず 眠る
Happy X’mas Day
出典: ブラッククリスマス/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
「悪い子」が望んでいるのは理想の愛が貰える世界。
だから、美味しいケーキやプレゼントなんて眼中にないのです。
辛い思いばかりする誰かとの関わりを断ち切れず、すがりついているのでしょうか。
これは、そんな状態の人に向けたクリスマスソングなのかもしれません。
不条理を突きつける世界。
「それを変えることのできる祈りなど存在しない」と、本人が見て見ぬふりしている真理を突きつけます。
これがブラックサンタクロースのプレゼントなのでしょうか?
もしかして、この楽曲こそがプレゼントなのかもしれません。
「理想どおりの良い世界」ばかりに目を向けること。
それは、前述した「善悪両方を受け止める」という行為と相反する気がしますね。
「どうしようもない現実」を直視して受け止めることも時には重要。
そのうえで「祈る」のではなく「考えて行動して現状を変える」という必要性を伝えたいのではないでしょうか。
騒ぎ立てる人へ苦言
安易なヴェールだ Christmas Scene
Let’s Party timeさ OK?
チケットと小さなハーブチキン
グロスブラックな帽子かベルライン
馬鹿なピーポー
デイタイムだって沸いて
「見違えたろ?ハロウィン」
それじゃ何だかんだで誰かの手の平じゃん え?
出典: ブラッククリスマス/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
MVでは歌詞に登場するチキンや帽子、クッキーなどといったクリスマスアイテムが映し出されます。
しかし、それらを一歩引いて見ている印象を受けるのは筆者だけでしょうか?
「クリスマスだ、騒げ!」といわんばかりに闇雲に楽しむ人たち。
「ハロウィンもクリスマスも同じだと思って騒ぐ機会にしてるんじゃないの?」
と伝えたいような気がするのです。
歌詞の最後の行のフレーズを歌う時、MVの画像はピエロの仮面に切り替わります。
愉快なメイクの裏に隠れた表情が読み取れないからこそ、不気味ですね。
「騒ぎ立てる人」の裏に隠れた心理を覗き見ている印象です。
「誰かの手の平」とは「自分の意思で行動していない」という意味なのだと思います。
「本心」と「建前」
いたずらしようぜ(大騒ぎしようぜ)
偽物になって(本物気取って)
どこへ行くんだい(どこへ逃げるんだい)
遊ぼう?(遊ぼう?)
There’s no way you can get out of this one.
出典: ブラッククリスマス/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
そらるとまふまふで交互に放つ言葉は、同じ意味でもニュアンスが異なっていますね。
まふまふの発言は「悪」を受け入れ、()内のそらるの発言は「建前」を持っている印象。
「クリスマス」を理由に発散したい人の「本心」と「建前」を表現しているのかな、と思いました。