After the Rainが送るクリスマスソング

初のクリスマスソング

2018年12月22日に公開されたAfter the Rain楽曲「ブラッククリスマス」。

彼らの楽曲の中で初のクリスマスソングとなっています。

自ら音楽活動をプロデュースすることで「大人に縛られない音楽」を伝えようとする彼ら。

この楽曲は通常のクリスマスソングとは一味違う内容となっていますよ!

クリスマスといえば、サンタさんが訪れて子供にプレゼントを配る…というイメージが浸透していませんか?

ところが、この楽曲のテーマになっているのはいわゆる「ブラックサンタクロース」です。

「ブラックサンタクロース」とは?

「ブラックサンタクロース」はとある伝承のひとつ。

プレゼントではなく嫌がらせのようなものを残していきます。

木の棒だったり、豚の首だったり…時には子供を袋に入れてさらってしまうのだとか。

子供が聞いたら「ゾッ」とする内容ばかり。

ですが、そこに意味があるようです。

「ブラックサンタクロース」は悪い子のもとに訪れ、戒める役割を持っているそう。

日本にも怠け者を戒める「なまはげ」などがありますね。

どの地域でも、悪い子へ教訓を与えるための伝承があるのではないでしょうか。

でも「さらってしまう」なんて聞くときっと怖くて眠れなくなってしまいます…。

普通の真っ赤なサンタクロースをテーマにしない独自のチョイスが、After the Rainらしいです。

MVをチェック

クリスマス感満載の豪華な映像

公開されたMVを見てみましょう。

今回のイラストはMACCOさんが手掛け、「ブラックサンタクロース」姿のそらるとまふまふが登場。

同じくブラックな服に身を包んだトナカイがDJを務めています。

ここから、楽曲は「ブラックサンタクロースになった2人」の視点で描かれていることが分かりますね。

他にもリアルなクリスマス飾りやイルミネーション、雪化粧を見ることができ、とっても豪華な映像。

そして何より、この楽曲は入りの掴みが素晴らしいと思います。

良く聴く愉快なクリスマスサウンドから一転し、ダークで歪んだ音色が奏でられる。

この「安定」と「不安定」を行き来するスリリングなバランス感が、何度も聞きたくさせるのです。

動画概要欄に記載されたメッセージ

After the Rain(そらる×まふまふ)【ブラッククリスマス】歌詞付きMV考察!悪い子必見!の画像

動画の概要欄には楽曲に関するメッセージが載っているので、そこからも解釈してみましょう。

内容から読み取れるのは「善も悪も受け止めること」の重要性。

「優しい」と聞くとどんな人柄を想像しますか?

身の回りのことを世話してくれたり、言うことを何でも肯定してくれたり…。

それってただの「いい人でありたい人」なだけで、本当の優しさではない気がします。

本当の「優しさ」とは「時には肯定し、時には戒め、自立心を与えること」ではないでしょうか。

この楽曲を「単なる華やかなクリスマスソング」にしなかったのには、そんな意味が込められているのです。

彼らの楽曲で「悲しみ」が歌われることが多いのも「善だけでなく悪の重要性」を意識しているのだと思います。

さて、次はMVにも表示されている歌詞と見比べながら、意味を考察していきましょう。

ブラックサンタクロースが「悪い子」のもとへ訪れる

不満げな「悪い子」

ブッシュドノエルには蜘蛛のリース
(ding-dong ding-dong)
食べたりないや

靴下の中身は味気ない
(ding-dong ding-dong)
響け鐘の音

出典: ブラッククリスマス/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ

これは前述した「悪い子」のことが描かれているのだと思います。

クリスマスのスイーツであるブッシュドノエル。

自分の食べさせてもらった量に不満を持っているようです。

そして、靴下に入っていたサンタクロースからのプレゼントにも不服。

ありきたりでつまらない内容だと思っているのです。

クリスマスといえば「美味しい食べ物」と「プレゼント」に喜ぶもの…という考え方があります。

ところが、この子はそうでもないみたいですね。

2人のブラックサンタクロースからのプレゼント