1番とはうって変わり、2番の歌詞では主人公が少しずつ失恋から立ち直る姿が描かれています。
どうやって主人公は未練をなくすことができたのでしょうか?
それはタイトルの【ささやかな祈り】に隠されていたのです。
主人公が星に祈ること
ベランダから見えた無数の星達に
ひたすら想うとすれば 君のコト
つま先を伸ばして空に預けた
ささやかな祈りは
暗闇を突き抜けて明日へと向かう
出典: ささやかな祈り/作詞:持田香織 作曲:多胡邦夫
まだ彼女を忘れられないでいたある夜。
主人公は2人で過ごしていた部屋のベランダから夜空を見上げます。
そこにあったのは、綺麗な満天の星。
優しく自分を照らしてくれている星に、主人公はある【ささやかな祈り】を込めるのです。
それは、もう一度彼女と同じ道を歩めますようにという祈りではありません。
きっと同じ夜空の下にいる彼女が幸せになれますようにという祈りなのではないでしょうか。
人が失恋から立ち直れるのは、相手を憎めるようになった時ではなく、相手の幸せを心から祈ることができた時。
主人公はやっと過去の後悔から解き放たれ、前を向けそうな気がしたのです。
まだ完全ではないけれど
忘れようとしまい込んだ僕の胸は今もまだ痛むけど
ほんの少し優しくなれたら 弱い僕にさよなら
あの日に似た月明かりの下で
出典: ささやかな祈り/作詞:持田香織 作曲:多胡邦夫
そろそろ前を向こうと決意した主人公。
とはいえ、いきなりフラれる前の完全な状態に戻れるわけではありません。
彼女のことを想えば、まだまだ胸が苦しくなってしまう状態です。
けれど以前よりも主人公は強くなっています。
何故なら後悔に悩まされるだけではなく、幸せだった彼女との時間も思い出せるようになったから。
彼女を無神経に傷つけていた頃の自分ではなく、彼女を笑顔にすることができていた頃の優しい自分。
もう一度その頃の自分になれたような気がして主人公はホッと胸を撫で下ろすのです。
大好きだった彼女
触れる度に染まってゆく君の頬が今もまだ愛しくて
傷つけ合う事など知らない あの日々は遠くて
通り過ぎたこの季節の中で
出典: ささやかな祈り/作詞:持田香織 作曲:多胡邦夫
最もこの楽曲の中で印象に残るのは、1番と最後のサビ。
そこには主人公がどれだけ彼女のことが大好きだったのかという想いが詰まっています。
主人公がフラれた時も、失恋から立ち直ろうとする時も思い出すのは照れる彼女の姿。
恥ずかしがり屋な彼女のことを主人公はとても愛おしく想っていたのです。
最後には彼女を傷つけることばかりしてしまった主人公。
それは主人公の不器用な性格故でした。
どれだけ後悔しても幸せな日々はかえってきません。
けれど、もう主人公はその思い出を大切にしまって歩き出そうとしています。
とても切ない歌詞でしたが、なんだか主人公と同じように優しい気持ちになれませんか?
持田はこの曲を通じて失恋した人の背中をそっと押してくれているのではないでしょうか。
優しい気持ちになれる失恋ソング
それでは最後に、【ささやかな祈り】と同様に「優しい気持ちになれる失恋ソング」をご紹介します!
奥華子【ガーネット】
まずご紹介するのは、奥華子の【ガーネット】です。
彼女は歌声を聴くだけで泣けると噂される、まさに泣き歌の女王。
優しい歌声にその曲を聴く誰もが癒されているのです。
しかし、彼女の魅力は歌声だけではありません!
特に【ガーネット】はどこか懐かしい気持ちになる、切ない失恋ソングです。
この曲は、細田守監督の映画『時をかける少女』の主題歌に起用されました。
主題歌を聴くだけで映画の内容を思い出して泣けるという人も多いのでは?
そのくらい、恋をしている主人公の心情とマッチしている楽曲なのです。
切ないだけではなく、思い出を胸に前を向こうという気持ちが込められた歌詞。
ぜひ以下の記事で、そんな素敵な楽曲をチェックしてみてください!
【奥華子/ガーネット】歌詞を解説!「時をかける少女」にリンクした歌詞が切ない!曲名の宝石言葉にも注目 - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
時をかける少女の主題歌「ガーネット」。切ない現実と未来への想いを綴った歌詞が数々の名シーンを思い起こさせます。涙なくして語ることのできない名曲の世界をご覧あれ!