「春咲小紅」と「ただいま」は姉妹ソングだった

実は『春咲小紅』という歌は
CM用に2曲作ってあって、
採用されなかったほうも、すごくいい歌だから、
「詞を変えて、もういっかい歌にしようよ」
といって作ったのが『ただいま』です。
当時、コマーシャルソングは激戦区だったね。

出典: https://www.1101.com/yano40/2016-05-18.html

もともと「春咲小紅」はCMソングありきで作られた楽曲だったようです。CM用に2曲あったというのは驚きですね。

その採用されなかった方の楽曲が生まれ変わって「ただいま」になったとは、なんてステキなエピソードでしょう。

ストーリー性ではなく印象を重視

ホラ 春咲小紅 ミニミニ見に来てね
わたしのココロ ふわふわ舞い上がる
いつ咲くかしらと待ちぼうけ
指折り数えていたかしら
お返事出します 微笑みの
どこかのポチっと 赤い色
私に逢えばわかります
自分で言うのもヘンだけど
今日はなんだかキレイです

出典: 春咲小紅/作詞:糸井重里 作曲:矢野顕子

草花が芽吹く春に、妖精のようなちょっと不思議ちゃん系矢野顕子が、春の訪れを知らせてくれているようなイメージです。

多分、春の化粧品のCMのため春と女性を強く意識して作詞したのではないでしょうか。

矢野顕子の独特な歌い方と、ちょっと不思議な詩が相俟って「春咲小紅」の世界観が出来上がったのでしょう。

韻の踏み方が矢野顕子っぽい

ホラ 春咲小紅 ミニミニ見に来てね
ガラスの花びん キラキラ午後の星
春夏秋冬 そして春
やさしいあなたを 見つめてた
お返事 おくれてごめんなさい
窓の景色も とりかえて
あなたがくるのを待ってます
自分で言うのも ヘンだけど
今日はなんだかいじらしい

出典: 春咲小紅/作詞:糸井重里 作曲:矢野顕子

「ミニミニ」「キラキラ」を上手に使って春めいた雰囲気を醸し出しています。

もちろんCMソングという大義名分はありますが、ふんわりした歌詞のイメージは矢野顕子そのものではないでしょうか。

公私共々、矢野顕子のことを知り尽くしている糸井重里だからこそ、このようなかわいらしい歌詞になったのでしょう。

まだまだ続くイトイヤノ作品

春咲小紅/矢野顕子の気になる歌詞の意味を徹底解釈!アルバム『ただいま。』収録曲♪【ザ・ベストテン】の画像

2017年11月にリリースされた7年ぶりとなるアルバム『Soft Landing』

このアルバム糸井重里×矢野顕子(イトイヤノ作品)が3曲、「野球が好きだ」「夕焼けのなかに」「SUPER FOLK SONG RETURNED」収録されています。

日本を代表するコピーラーイター、そして独特の世界観を持つ矢野顕子のコラボ作品は、これからもたくさん誕生することでしょう。

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