先進気鋭のアーティスト集団「雨のパレード」


2016年にメジャーデビューを果たした、アーティスト集団「雨のパレード」。彼らがアーティスト集団と呼ばれる由縁は、そのメンバー構成にあります。

バンドメンバーの4人に加え、「ペインター」「ジュエリーデザイナー」「コスチュームデザイナー」の計7人によって構成される「雨のパレード」。

音楽以外にも、様々なクリエイティブ活動を行いたいという意向から、このようなメンバー構成になっているようです。

注目すべきは、その”サウンド”

彼らが作り出す作品は、ロックや音楽という言葉だけには収まりきらない、「アート」という側面が強く表れているように感じます。

バンドサウンドにおいては、アナログシンセサイザやドラムマシンなどを取り入れ、従来の「ロックバンド」とは一線を画したような音作りに力を入れているそう。

一度聞くとクセになってしまう、中毒性の高いサウンドに心奪われている方も多いのではないでしょうか。もちろん、筆者もその一人です。

彼らの音楽は、表層的にはとてもクールで落ち着きがあって”静”に寄ったメロディが多いです。例えるなら、プールの底に沈んだときに聞こえる、くぐもった音や歪んで見える外の景色。

しかし、その音楽の核には、とてつもなく熱いパワーが込められています。メッセージ性の強い歌詞や、鮮やかに描き出された心情。それらは、紛れもなく”動”と言えるでしょう。

”静”の音楽と、”動”の歌詞

このギャップから生まれる化学反応は、多くのファンの心を内側から侵食し、彼らの色に染めていきます。一度染まったら、もう、元には戻れません。

雨のパレードが描く、東京という街。

音楽のテーマとして使われる「東京」のイメージって、一体なんでしょう。

筆者は、まず浮かんでくるのは「冷たい街」というイメージです。(あくまでイメージですよ!!)東京に限らずとも、「都会」というイメージはそこに直結してしまいがちですよね。

実際、筆者も昔はそう思っていました。

筆者は、海で生まれて山で育った生粋の田舎者なので、東京って言うとちょっと怖い…という印象。でも、実際都会へ出てみるとそんなことは全然ないんですよね。

むしろ、とても居心地のいいところだと感じました。

 (地下鉄もあるし、10分待てばバスも来るし、お店もたくさんあるし!ほんと都会ってすごい!!2時間に1本しかバスがないところで育った筆者には、もはや未来都市です。(笑))


”冷たい街、東京”を覆す

今回ご紹介する「Tokyo」では、九州出身の彼らが上京した頃の心模様が描かれています。「冷たい街、東京」というステレオタイプのイメージを覆した、雨のパレードが歌う「東京」。

上京した経験のある方には、とても共感できる歌詞だと思います。

生きにくい、怖い、冷たい、寂しい。そんな言葉で溢れた東京という街も、案外いいもんだよ、と彼らは言います。

収録アルバムはこちら!

New generation
雨のパレード
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歌詞を見ていきましょう

改札を抜けた先には、無表情な空

いつものように
街へと繰り出す
こぼれ出る改札
空は無表情

見知らぬ人の渦に流されて
脈絡のない時を過ごす

出典: Tokyo/作詞:福永浩平 作曲:福永浩平

倒れたビンから液体が溢れ出すように。駅の改札が開くと、たくさんの人がこぼれ出てきます。その景色は、もっとも”都会”を連想させるものかもしれません。

よく都会の空は狭いなんて言いますが、どう思いますか?確かにそうかもしれません。背の高いビルが多いから、その分、空は狭くなる。

ビルの間から覗く空には、あまり表情は見えないかもしれませんね。

駅の構内も、道も、店も、全てが人で溢れている。たくさんの人の歩く姿は、渦のように絶えず形を変え、様々な方向へ流れていきます。

右へ左へ、西へ東へ。そんな脈絡のない人の動きの中で、時間も同じように過ぎていく。

行き着いた街は、輝ける街