また明日の朝には何になってんだろう
昨日までの記憶をつけて歩いてかなきゃいけないね
また明日の朝には違う記憶が
出典: 紺色の主張/作詞:坂口有望 作曲:坂口有望
日々いろんな思いが沸き上がってくるのに、明日には忘れてしまうことが起こります。
昨日までに起こった事の記憶も時間が過ぎていく中で、正確さを失うものです。
明日の朝にはまた新しい日を迎えて、記憶に残すことができるだろう出来事も更新されていきます。
もし様々な記憶を失わないでいられたら、歩いて見えてくる景色や感情も変わるのでしょうね。
特定できないけれど誰かのせい
あぁあ もうばかみたい 泣きたい
やる気もない 本当は
あの子は 悩んで 悩んで 飛び立って...
わたしじゃない わたしのせいじゃない
誰でもない 誰かのせい 全部全部
出典: 紺色の主張/作詞:坂口有望 作曲:坂口有望
問題が起こった原因が自分のせいでないとしたら、特定はできない誰かのせいにしているのかもしれません。
自分が原因だと思わないことだとしても、自分事のように感じることができたら。
そうすれば物事は変わっていくのではないか、そのような思いが汲み取れる言葉が胸に染み入ります。
悪気がなくても起こってしまう誤解
あぁあ もうばかみたい 泣きたい
悪気もないことで
あの子は 悩んで 笑って 飛び立って...
話はそれだけです
出典: 紺色の主張/作詞:坂口有望 作曲:坂口有望
悪気もないコミュニケーションのずれで、人は傷つきます。
その傷や悩みを打ち明けたり消化できずに、命を断とうとしてしまうことだってあるのです。
悪気もない言葉はその後のお互いの歩み寄りで誤解を解くこともできますよね。
この歌では詳しくは触れていませんが、以下この歌で主張されていることを深読みします。
この歌の「わたし」は、他人事にしか起こった問題を捉えず責任を押し付け合う人たちに憤りを感じています。
実際に起きたことを写真のように正確に把握することはとても難しいことです。
それに対して自分の気持ちをそのままわかってもらうことも、とても難しいことです。
「わたし」は自分と同じようにこの状況に憤りを感じる「味方」を見つけられません。
「飛び立ったあの子」は、苦しい思いは伝えずにいることを選ぶタイプの方だったのでしょう。
誰かに責任を負わせることが嫌だったのかもしれませんね。
原因を追究して物事を変えたい「わたし」、苦しい気持ちを言わずに悩んで命を断っただろう「あの子」。
「あの子」と「わたし」の主張、状況への対処の仕方はこのように違いがありました。
この歌の主人公は「あの子」を思いやって、状況を変えられない自分を責めているのではないでしょうか。
人間同士のコミュニケーションの難しさ、他人を思いやることの大切さに思いを巡らせてくれる歌詞でした。
まとめ
悔しい紺色の心模様を吐露した「紺色の主張」
ここまで坂口有望さんの楽曲「紺色の主張」の歌詞を考察してきました。
実際に学校で起こった出来事への不甲斐ない思いを見事に昇華させた歌詞に心を打たれました。
責任の所在を明らかにしたい「わたし」が大切に思う悩みながらも笑って飛び立った「あの子」のこと。
責任をとらない周囲の人たちを見据えて自身が伝えたい、様々な事柄を自分事のように思う気持ち。
人を思いやる気持ちの持ちようについて、思いを巡らすきっかけにもなる心に響く歌でした。
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