東京スカパラダイスオーケストラの「野望なき野郎どもへ feat. TOSHI-LOW (BRAHMAN / OAU)」とは?
「野望なき野郎どもへ feat. TOSHI-LOW (BRAHMAN / OAU)」は、2018年3月14日に発売された最新アルバム「GLORIOUS」の収録曲。
タイトルにもあるようにBRAHMAN、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDとしてTOSHI-LOWさんをゲストボーカルに迎えた一曲ですね。
まずはMVとこのスペシャルコラボレーションが生まれたきっかけからチェックしていきましょう!
工事現場に風が吹き荒れる...印象的なMV!
スタンバイしたところで急に風が吹いてきたというシーンがメイキングで写っていますが、その際に「峯田の時より吹いてる」とTOSHI-LOWさん。
もしかしたら「ちえのわ feat.峯田和伸」の時の工事現場と同じところで撮影しているのかもしれませんね。
MVの赤い旗は"正義"の象徴でしょうか。
風にはためいている旗に対してじっと止まって火を守る少年の手が印象的ですね。
これは、社会の"正義"と、自分の大切なもの、自分が本当に美しいと思うものを守りたいという願いの対比なのではないでしょうか。
この意味に関しては歌詞解釈の後にまた考えてみるとします。
きっかけは谷中敦の忘れ物?!TOSHI-LOWとの対談とは?!
MV中でも語られていますが、このコラボレーションのきっかけは、東京スカパラダイスオーケストラの谷中さんとTOSHI-LOWさんの対談。
おそらく時期的にスペシャの「V.I.P. ―BRAHMAN―」の対談ではないかと筆者は思っていますが...。
MV内のインタビューを筆者の知識も含めて要約してみます。
対談の際に谷中さんが忘れていった上着を届けたTOSHI-LOWさん。
たまたま届けた先は練習スタジオで、スカパラの加藤さんを始めとするメンバーはコラボできたらという気持ちの中でそのままスタジオに向かったとか。
しかし、その際にNARGOさんが作ってきた楽曲は偶然にもTOSHI-LOWさんのために書いてきたのではないかというような一曲。
そこに、谷中さんがTOSHI-LOWさんのことだけを考えながら書いた歌詞が加わり、この曲が出来上がったそうです。
谷中さんとTOSHI-LOWさんは15年以上の付き合いのようですね。
「鬼」や「将軍」などの愛称で、頼れる兄貴分として様々なバンドマンなどからも頼られているTOSHI-LOWさん。
そんな彼にぴったりの一曲とは...?
ここからは歌詞を解釈していきます。
「野望なき野郎どもへ feat. TOSHI-LOW (BRAHMAN / OAU)」の歌詞を解釈!
ここからは「野望なき野郎どもへ feat. TOSHI-LOW (BRAHMAN / OAU)」の歌詞を解釈していきます。
現代人の心に刺さる歌詞の意味をぜひ一緒に考えてみてください。
野望がないとしても、その拳は人を攻撃するためではなく、自分の未来のために
法律それ以外で
裁くのは私刑(リンチ)だ
愛のない正義は
取り下げろ
野望なき野郎ども
絶望の拳で
覚醒する能力を
突き上げろ
出典: 野望なき野郎どもへ feat.TOSHI-LOW (BRAHMAN / OAU)/作詞:谷中敦 作曲:NARGO
SNSなどで、顔を出さなくても意見が言える時代。
世界中の人と自由に意見を交換できるようになったのはいいことですが、中にはただ誹謗中傷によって人を傷つけている人もいますね。
そんな、技術の発展に対してマナーやモラルが遅れを取ってしまっている社会に対して一言言いたいというような歌詞です。
法律でもないのに、正義を語って人を裁くのは死刑ではないが「私刑(リンチ)」だと言っているのですね。
実際、ネット上で叩かれたところで直接死に至るということはなかなかないにせよ、社会的な死を与えてしまう可能性はあるのです。
また、間接的にでもそれが原因となり、自ら命を絶つということもあり得る。
そこまでの可能性を考えて、自分の発言に責任を持って発言しているかと問いかけているのですね。
そして、人を罰することにそんな力を使うくらいなら、自分の夢がないにせよ、自分の能力を目覚めさせることに使ったらどうか。
そんな提案も読み取れますね。
自分の一言が思わぬ凶器になりかねない時代だと、つい便利さが先に立って忘れてしまいがちな現代社会に思い出させてくれる歌詞ですね。
人間の醜い面ではなく、良い面を信じたい
どんな時でも じっと黙って
胸を痛める美しいひとがいる
破滅のような争いを
つくりだすのも人間様だけど
地獄の中に楽園を
つくる根性 永遠(トワ)に咲け
出典: 野望なき野郎どもへ feat.TOSHI-LOW (BRAHMAN / OAU)/作詞:谷中敦 作曲:NARGO
情報化が進む現代で、情報操作によって人の足を引っ張ったり、人より優位に立とうとする人もいます。
そんな時代の中にあっても、じっと黙って自分の心を守っている人の姿は美しい。
そういう人の心を守りたい、そんな気持ちが伝わってくる歌詞ですね。
MVで、ろうそくの灯火を風から守っていたのも、この歌詞の想いを表現していたという風にも解釈できます。
そして、足の引っ張り合いのような果てしない争いを作り出す反面、地獄のような状態からも楽園という希望を導き出す人間の一面。
そんな人間の良い一面を信じたいという想いが込められているこの歌詞。
人間の悪い一面ばかり見てしまいそうになる今だからこそ、人を信じたい。
それは大きな言い方をすると、愛ということになるのかもしれません。