そして迎える最初のサビ。「虹」という表現とともに描かれることで、歌詞の中で降っている雨は身を叩くような激しいものではなく、静かに世界を濡らすような優しい雨なんだろう、と想像させられます。

その雨は最初は人々を濡らし、冷やしていくものです。雨の中に輝くきれいな虹も、いつかは消えてしまいます。

しかし、短い時間しか見られない幻想のような虹に対して、雨は長い目で見ると草木を育ててくれます。そうして植物が育つことで動物も育ち、最終的には世界そのものが育っていきますね。

そんな未来を作り上げるものとして「雨」が描かれているのが印象的です。

ノスタルジックな情景が浮かぶ

真っ白な夜に 遠くを走る汽車の影
静寂と僕ら残して過ぎ去っていく
逃げ出したいような 心踊るような
この気持ちはなんて言うんだろう
鏡の前で顔を背けたのは
ずっと昔のことのようで

出典: https://twitter.com/daiyusama/status/888402991685877761

最初のサビのあとに描かれるのは、遠くを走っていく汽車の影や、(おそらく降り続ける雨によって)真っ白に映る夜の光景です。

そんな静かでノスタルジックな光景が、感情的になってしまいがちな夜という時間の中で不思議と心を揺らしてきます。

つい考え込んでしまう静寂の中で思い出すのは、できれば考えたくない過去の出来事のようです。

雨の後に待っているもの

虹が架かる空には 雨が降ってたんだ
虹はいずれ消えるけど雨は草木を育てていたんだ
虹が架かる空には 雨が降ってたんだ
忘れないよ こんな雨の日に空を見上げてきたこと

出典: http://j-lyric.net/artist/a055790/l0412a7.html

雨が止んだ庭に 花が咲いてたんだ
きっともう大丈夫
そうだ 次の雨の日のために 傘を探しに行こう

出典: https://twitter.com/kisa_ra_gi/status/905830696794578944

そして、最後にくり返されるサビで曲の物語は終わります。

雨の夜を叙情的に描いた「RAIN」。その歌詞の中で描かれる「雨」とは、過去のつらい出来事や苦い思い出を象徴しているのではないでしょうか。

つらかった過去、葛藤や苦労を抱えた思い出はいつか自分を育ててくれる。そんなメッセージが、この優しい曲の中に込められているように思えます。

それを証明するように、歌詞の最後は雨が降ったことで花が咲いた光景を映します。それを見届けて、次の「雨」に備えて「傘=自分を守るもの」を探しにいく。そんな、未来へ向かっていくような結末です。

まとめ

切なくて優しい曲調が印象的な「RAIN」。普段の賑やかな、おとぎ話のようなSEKAI NO OWARIの音楽性は控えめに、しかしその中にも彼ららしいファンタジックな世界観がうかがえます。

「メアリと魔女の花」と一緒に楽しみたいと思えるような、映画の物語をより心に響かせてくれるような名曲です。この曲は、是非映画と一緒に楽しんでみてください。

SEKAI NO OWARI「RAIN」は映画『メアリと魔女の花』主題歌!歌詞の意味は?(動画あり)の画像

楽曲の世界観をより詳しく理解したい方は映画をチェック!

「RAIN」のPV映画の本編を使用していますが、「これはSEKAI NO OWARIPV」と納得できるほどマッチしています。

楽曲と映像にちぐはぐさが一切なく、映画のための曲、あるいは曲のための映画だと思ってしまうほどです。

映画に描かれているストーリーと「RAIN」の共通点はファンタジックなイメージだけではありません。

歌詞をひとつずつ読み解いてから『メアリと魔女の花』を観ると、「RAIN」の真の意味が見えてきます。

ぜひご覧ください。

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