笑顔のようで 色々あるなこの世は
綺麗な景色 どこまでほんとか
フィルムのような 瞳の奥で僕らは
なくしたものを どこまで観ようか
出典: フィルム/作詞:星野源 作曲:星野源
目に見えているものをどこまで信じていいのか投げかけるような冒頭になっています。
社会というものは人と人とが関わって成り立っています。
他人と上手く関わっていくためには、自分の意思を押し付けるばかりではいけません。
つまり相手を思いやって、時には笑顔でいてあげる努力も必要になります。
そうやって成り立つ社会には笑顔はたしかに存在しますが、その心の内に何を思っているのか、その心の無い笑顔がどこまで本当なのか分かりません。
それをどこまで探り合って生きていくべきなのか、という問いを投げかけています。
電気じゃ 闇はうつせないよ
焼き付けるには そう
嘘も連れて 目の前においでよ
出典: フィルム/作詞:星野源 作曲:星野源
ここで言う「闇」は心に潜む闇を表現しているのではないでしょうか。
心はどうしても目には見えない部分です。それをどうにか照らし相手の本当の心や気持ちを知るためには、互いに嫌な部分もさらけ出しあうことが必要になります。
どんなことも 胸が裂けるほど苦しい
夜が来ても すべて憶えているだろ
声を上げて 飛び上がるほどに嬉しい
そんな日々が これから起こるはずだろ
出典: フィルム/作詞:星野源 作曲:星野源
そうして互いに嫌な部分をさらけ出しあうことは相手にとっても自分にとっても苦しいことではないでしょうか。
それはどんなに些細なことでも嫌なこととなれば時間が経っても忘れないものです。
そう考えると張り付けたような笑顔でも嘘をつきながら生きていく方が楽かもしれません。
しかし、さらけ出しあうからこそ、互いの深いところももっと知って相手を好きになることだって起こりえます。
希望と勇気を持って人と関わりあっていくことが大切なのです。
わけのわからぬ ことばかりだな心は
画面の事件 どこまでほんとか
出典: フィルム/作詞:星野源 作曲:星野源
テレビを点ければ、日々悲しいニュースや理解しがたいニュースは絶えません。
しかし、その一つ一つはあくまで画面の向こうの出来事であり、今一つリアルさが欠けています。
そして、メディアがどこまで本当のことを伝え、報道機関としての仕事を全うしているのか社会に警鐘を鳴らすような歌詞になっています。
どうせなら 嘘の話をしよう
苦い結末でも 笑いながら
そう 作るものだろ
出典: フィルム/作詞:星野源 作曲:星野源
本当かどうかも分からない暗い話題によって世間がどんよりとしてしまうくらいなら、嘘でも笑顔になれるような話題を提供していく方が世間は明るくなるのではないでしょうか。
それは本当かどうか分からなくてもいいのです。
それでもきっと探り合うような笑顔にはならないはずです。
明るい笑顔は自分たちで作っていくものなのです。
どんなことも 消えない小さな痛みも
雲の上で 笑って観られるように
どうせなら 作れ作れ
目の前の景色を
そうだろ
出典: フィルム/作詞:星野源 作曲:星野源
人はいつか必ず一生を終えます。人生の幕を閉じるその時に暗くなってしまったら浮かばれるものも浮かばれません。
嬉しいことも悲しいことも全部ひっくるめて、良い人生だったと胸を張って言うためには、本当かどうか分からない周りのことに振り回されるのではなく、自分の心に正直に生きていくことが大切なのです。
それが目の前の景色、今を作り上げていくことに繋がります。
どんなことも 胸が裂けるほど苦しい
夜が来ても すべて憶えているだろ
声を上げて 飛び上がるほどに嬉しい
そんな日々が これから起こるはずだろ
すべて憶えているだろ これから起こるはずだろ
出典: フィルム/作詞:星野源 作曲:星野源
そして、最後は1番のサビを繰り返す締めくくりになっています。
今まで生きてきた過去も、これから生きていく未来も全て自分の人生であり、悪いことも良いことも全部が糧になります。
それならば胸が裂けるほどであったり飛び上がるほどであったり、心が躍動していくような経験をすることが大切だと星野源は伝えているのではないでしょうか。
まとめ
今回は、映画を見ていなくても曲だけの世界が成立してて、映画を観た人も、最後に流れた音楽でストーリーの全体を思い出してもらえるような、映画の雰囲気を感じられるような絶妙なものにしたかったんです。そこに、自分の作りたい気持ちや言葉も、ちゃんと入っている。そのふたつが両立する曲を目指して作りました。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/フィルム_(星野源の曲)
映画というものは映像を通して伝えたい気持ちを届ける作品です。
しかし、その画面の向こうには見えているものだけではない世界が広がっています。
画面に収まらない景色や、登場人物の気持ち、監督の想いなど数え切れないほどの見えないものの中で一つの作品が作り上げられています。
それは私たちが生きる世の中も同じことで、目に見えないものはたくさんあります。
それに振り回されて苦しくなるのなら明るく楽しくいこうよ、自分の人生なのだから、と歌われているような気がします。
笑顔になりたい時、生きていくのが少し苦しい時、ぜひこの楽曲を聴いてみてください。
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