ともに笑い何かを一つにする喜び おまえを思う気持ちが今の俺の全てだから
出典: 絆/作詞:宮本浩次 作曲:宮本浩次
この曲の主人公を宮本さん自身とおいた時、孤独ではないのはファンの存在があるからです。
もちろん、同じグループのメンバーの存在もあるでしょう。
力を合わせる喜びを意味しているのはライブです。
ライブは、ファンとメンバーが一体感をもって繋がるものだからです。
みんなのために俺は歌えるよと、宮本さんがそう言っているような、前向きな歌詞になっています。
これを聴いた人のなかには、家族や恋人などを思い浮かべる人もいるでしょう。
大切な誰かを想う自分と、この曲の主人公の気持ちがリンクするのです。
家族のために頑張って働いているお父さん世代には、非常に染みる部分だと思います。
宮本さん自身もファンもまだまだやれる。そんな熱い歌詞に思えました。
そのエールは、次のフレーズでさらに表現化されています。
遠くに輝く星となるもの
夢と希望に向かって進む
どうすれば俺たちは強く踏み出せるだろう まだ地図にない道を指でなぞるこの夢
出典: 絆/作詞:宮本浩次 作曲:宮本浩次
現実を生きるなかで、どうやったら自分たちは強くなれるのか?
宮本さんは、この曲を聴いた人全員に問いかけています。その答えとなるのが、次に続く歌詞です。
まだ地図にない道とは、未来のことを指しています。
指でなぞるという行為は、未来を思い描くことを指しているのではないでしょうか?
夢をもって生きることでしか、人は強くなれないと暗示しています。
また、このフレーズにはもう一つ別の意味があります。それは、宮本さん自身の夢についてです。
まだ地図にない道とは、冒険を意味します。
まだこの世に存在しない新しいメロディーを作るのが俺の夢だ、そんな風に言っているのでしょう。
実際にそれを象徴するかのような歌詞が、そのあと出てくるので注目です。
俺の全てはおまえに捧げるメロディー
出典: 絆/作詞:宮本浩次 作曲:宮本浩次
この先の未来でも、新しい音楽をファンのために作っていく。
宮本さんのそんな真っ直ぐな思いが感じられる歌詞です。
星を追い求めて生きる
遠すぎて 遠すぎて届かないあの星
出典: 絆/作詞:宮本浩次 作曲:宮本浩次
ここから、本題の解釈に入っていきます。
遠すぎて届かない星とは、自分のもつ夢や希望の先にある理想の姿。つまり、夢を叶えた自分を表しています。
これまでの歌詞に何度か出てきた「光」の描写は、こことリンクしています。
夢を叶えた理想の自分が、遠くで眩しく光っている。それに少しでも近づこうと、光を追い求めて生きる。
そうやって人は前に進んでいくのでしょう。
宮本さんにとって夢は「音楽」であり、星は「理想のミュージシャン」を指していると考えます。
それと同時に、この曲を聴く一人一人にもきっと星があるのだと伝えたかったのかもしれません。
「絆」は、生きることへの根源的な希望がテーマになっているのです。
しがらみを超えていく
人それぞれのSunrise 出会いと別れ繰り返して
出典: 絆/作詞:宮本浩次 作曲:宮本浩次
この歌詞では、愛する人と出会って別れることの悲しみを表現しています。
前の歌詞で「すれ違いの心」とあるように、私たちは思いもしないタイミングで別れを経験する時があります。
絆というタイトルには、しがらみの意味がこめられていると最初に説明しました。
人が出会うことで必然的に起こる別れもしがらみの一つだと捉えられます。
悲しい別れを乗り越えて、また生きていく。私たちは強くあらねばならないのです。
歩き続ける道の先に
人生は長く、いいことばかりがあるわけではありません。
そんな厳しい現実を、どうやって生き抜いていけばいいのか。
その答えが人の夢であり、自分の理想の姿です。
生きていれば、年齢のしがらみや、愛する人との辛い別れを経験するでしょう。
また、死というものに囚われながらも、生きていかなければなりません。
強くあるためには、それぞれが自分の星を追いかけるしかないのです。
そうやって歩き続けた先に、理想の自分に限りなく近い未来が待っています。
命を全うした者は、最後に「幸福な死」というゴールテープを切るのです。
絆という曲には、強く生きていこうとする者の願いがこめられています。