極上のビート・ラップ・歌がそろった名曲

SIRUP【PRAYER】MVの内容を解説!暗闇で五感を刺激する?シンプルな演出だからこそ為せる業!の画像

SIRUP(シラップ)の代表曲といえば「Do Well」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

Honda VEZEL(ホンダ・ヴェゼル)のCMソングとしてお茶の間にインパクトを与えました。

ホンダのCMは音楽通もうなる名曲ばかりが採用されると注目の的。

ヴェゼルだけでもSuchmosサチモス)「STAY TUNE」「808」、King Gnu(キングヌー)「小さな惑星」…。

どうやらブラックミュージックに造詣が深いアーティストと相性がいい車なのかもしれません。

「FEEL GOOD」収録曲

そんなグルーヴィーなSIRUPの「Do Well」が収録されているアルバムは、2019年5月発売の「FEEL GOOD」。

今回ご紹介する「PRAYER」も、その1stアルバム「FEEL GOOD」に収録されています。

「Do Well」でSIRUPが気になった人にもぜひ聴いてもらいたい名曲です。

暗闇で歌とラップを堪能?

SIRUPは、Sing & Rapからなる造語。

出典: https://sirup.online/wp/about/

歌とラップ>を表すアーティスト名そのものを存分に堪能できる「PRAYER」という楽曲

ちょっぴりいかつめの重低音のビートとゆるめのラップ、ハイトーンボイスが心に刺さります。

この「PRAYER」のMVは、なぜかほとんど暗闇という超絶シンプルな演出になっているのです。

暗闇にはいったいどのような意味があるのでしょうか。じっくり解説していきましょう。

本当に暗闇だけ?

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「PRAYER」のMVは本当に暗闇だけなのでしょうか。まずはじっくりご覧くださいませ。

「PRAYER」のMV

唐突ですが、「BLUE ブルー」というデレク・ジャーマン監督のイギリス映画をご存知でしょうか。

80分足らずの作品ですが、実は最初から最後まで全面青一色なんです。

これはイヴ・クラインという単色のフランス画家に向けたオマージュと考えられています。

ナレーションのほか、サイモン・フィッシャー・ターナーやブライアン・イーノ、サティなどの音楽が印象的。

一方「PRAYER」のMVの場合は、ほとんど暗闇といっても全面黒一色ではありません

SIRUPの歌唱映像であることはわかる程度の暗闇。黒以外にも青っぽい背景やスポットライトがあります

ただしSIRUPがどこにいるのかはまったくわかりません。外なのか、建物の中なのかさえ…。

つまり暗闇にまぎれるSIRUPだけが浮き彫りになる状態。全体的に暗く、色彩の数は限られているということ。

「BLUE ブルー」という映画ほどではありませんが、視覚的な情報量は少ないわけです。

そのためMVを見る視聴者としては、「PRAYER」に対する聴覚のほうが研ぎ澄まされるかもしれません。

光と闇に対峙するSIRUP

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ともあれ「PRAYER」のMVはほとんど暗闇ですが、その中にもいくつかパターンがあります

背景は青・黒の2パターン、SIRUPの姿は影絵のようなシルエット・スポットライト・照明なしの3パターン。

この組み合わせが混ざっています。ただし背景が青いのは最初と最後、そして2分49秒あたりの3か所だけ。

つまりほとんどは黒い背景の暗闇で、変化があるのは歌唱しながら動くSIRUP自身と照明ということ。

スポットライトが明るく灯るときもあれば、すっかり消えて全面黒一色のシーンもあります。

まさにSIRUPが光と闇に真っ向から対峙するMV。ここから何が読み取れるのか、さらに深掘りしていきましょう。

暗闇で五感を刺激?

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人は真っ暗闇の中にいるときどのような状態になるでしょうか。何も見えず恐怖を感じるかもしれません。

明るい光、安心な場所を求めて、全身の感覚を研ぎ澄ますのではないでしょうか。