「面影」が伝えるもの

足立佳奈【面影】歌詞の意味を徹底解説!君が主人公の人生に残したものとは?切ない想いを紐解く...の画像

2019年10月14日発表、足立佳奈配信シングル「面影」をご紹介しましょう。

楽曲「Call Me」とともに同時リリースされました。

「面影」はピアノとストリングスの美麗な音色と足立佳奈のボイスが豊かなハーモニーを生んでいます。

終わってしまった恋に贈るラブバラードといっていいでしょう。

人と人との出会いというものがいかに稀少なものであるかを切々と歌い上げます。

消え入りそうなウィスパー・ボイスが徐々に熱を帯びてゆく様子に心が熱くなるはずです。

AbemaTVの「今日、好きになりました。」のエンディングを飾ります。

また足立佳奈のデビュー2周年を記念する作品です。

発売日の10月14日は足立佳奈の誕生日でもあります。

足立佳奈の色々な感慨や思いが込められた名曲の誕生です。

私たちが恋をする理由は何か。

たとえ終わってしまった恋であっても感謝の心が絶えないのはなぜかなど恋の謎に迫ってゆきます。

かけがえのない人と出会いながらも、うまくゆかなかった恋への一途な思いが切なすぎるのです。

ウィンター・ソングとして発表された「面影」ですが、季節を超えて人びとに訴えかけるでしょう。

冬の日の愛には悲恋の「面影」が潜んでいるものです。

パートナーが主人公に残した絶大な影響力の正体に迫りましょう。

それでは実際の歌詞をご覧ください。

出会いとは何だろう

私と君が起こした奇跡は

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この広い世界で
君と出会えたこと
77億分の1の
奇跡だったと知りました

出典: 面影/作詞:足立佳奈 作曲: Carlos K.

歌い出しの歌詞になります。

登場人物は語り手の主人公と愛する君です。

主人公には相応しい1人称が明示されていませんし、性別すら定かではありません。

男性のリスナーは主人公を男子だと思うでしょうし、女性のファンは女子が主人公だと思うはずです。

この記事では男女とも通用するだろう私という1人称を便宜上採用しておきます。

私は君との出会いがどれほどの奇跡によるものかを改めて知るのです。

世界には77億もの人がいます。

その中で恋におちる相手がわずかひとりだというのは本当に不思議なことです。

相手である君も77億人の中から私だけを見つけてくれました。

恋愛というものは成就すること自体が奇跡なのだということに改めて気付かされるでしょう。

77億という数字は膨大すぎて実感が沸かないものです。

しかし運命によって奇跡の出会いを果たした相手には特別な親近感をもって接することになります。

ただし、私の言葉はどれも過去形で綴られていることに気付くでしょう。

歌い出しでまだ情報は少ないのですが、この恋は過去を回想されたものだと思わされるのです。

足立佳奈のウィスパー・ボイスが切々と表現しているものは過去の回想に生きる私の心境でしょう。

雪が降り積もる情景の中で

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真っ白な帰り道
寄り添って 笑いあってた
季節が変わっても
君は変わらずにいてくれた

出典: 面影/作詞:足立佳奈 作曲: Carlos K.

真っ白に道が染まっているのですから積雪があったのでしょう。

寒い季節に身体を近付けて温めあうことの幸せは格別なものです。

私と君の世代は明示されません。

ただし、歌詞の書き口から若い頃のふたりだと分かるはずです。

何でも一緒に笑い飛ばせていた頃の快活さが伝わってきます。

歳を重ねたカップルもそれなりの幸せがあるでしょう。

少しの沈黙ならばまったく気にならないくらいの安心感のようなものは熟したカップルならではのもの。

一方で若い世代のカップルにとってはときに沈黙が気まずかったりします。

少しの気まずささえ気にするためにできるだけ他愛もないことで笑い合うのです。

こうした経験を積むうちにコミュニケーション能力を身に着けて大人に成長します。

私と君の楽しい思い出は冬の雪道に限らなかったようです。

いつまでもこの幸せが続くといいのですが、多くの若い恋愛と同様に短命なものでした。

若いうちは自身の進路も明確に定まらないうちの恋愛になります。

変わりゆく境遇の中で生活の進路が別の方向になるだけで別れを繰り返してしまうものです。

破局の先で

永遠というものを問う

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永遠なんてない
分かってたけど
少しだけ信じてた

出典: 面影/作詞:足立佳奈 作曲: Carlos K.

永遠というものは不思議でしょう。

概念は確かに存在するのですが、その永遠を実際に見届けた人はひとりもいません。

私も端から永遠というものを胡散臭いものだと考えています。

しかしそれは永遠という概念に対しての不信感です。

少なくとも現実の私と君との関係に限っては永遠じゃないかと信じていました。

永遠といってもいずれは散ってゆくのが私たちの人生と生命の根源的な宿命です。

ただ、自分が生きている間は君との関係を維持できるのではないかと夢見ていました。

このライン辺りでもうこの愛が過去のものだと確信できるでしょう。

私たちにはどうしても忘れられない恋愛というものがあります。

その恋愛が破綻した後にも恋はするのですが、心の淵で留まり続けている記憶を持て余しているのです。

大事な記憶ですがいつまでも抱え続けることは、いまの相手に失礼ではないかと悩みます。

理性でその記憶を消去しようと努める人もいるでしょう。

しかし私たちの潜在意識に深く忍び込んだ記憶が、ある朝に夢となって現れることがあります。

私は君との現実の関係が破綻して永遠というものに疑念を深めるのです。

しかし私は君の存在を心という場所においては永遠に守り続けています。

人の心の不思議さがこの辺りに現れるのです。

失恋から立ち直る過程

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君と出会わない人生なら
こんなにも苦しく感じないのに
君のこと忘れてしまいたい
止まらないこの涙
手放したこの奇跡

出典: 面影/作詞:足立佳奈 作曲: Carlos K.