『ウェイウェイ大学生』をチェック
『ウェイウェイ大学生』について基本情報はこちら!
時代の最先端か、エッジが効き過ぎているのか、異端か――ヤバイTシャツ屋さんが紡ぎ出す恐ろしいまでの「意味不明な世界」。『ウェイウェイ大学生』もまたそんな楽曲です。
まず語句を知りましょう。「ウェイウェイ」ってなに?と、ヤバイTシャツ屋さんばりに大阪弁で聞きたくなるフレーズですが、「ウェイウェイ」とは日本語表現辞典で「仲間同士で盛り上がった時に発せられる若者言葉。単に軽い挨拶として、友人に会った時などにも用いられる。関連して「ウェーイ系」という表現が使われることがあり、集団になって騒ぐことを好む若者に対する軽蔑を込めた呼称などとして使われる。」とあります。
「ウェーイ系」は「ウェイ系」などとくくられることもあります。軽佻浮薄(けいちょうふはく)な現代の若者の風貌をこの一語で表現する感性はさすがです。ヤバイTシャツ屋さんは言葉に対する感覚が鋭いですね。
ヤバイTシャツ屋さんの歌詞をみていくと、全般的に対比や偏重、偏見、お笑い、照れ隠しなどでフィルターが幾重にもかかっています。グループ名も然り、アーティスト名も然り。本質を明かさず、自身で「パリピ」を演じていると、まるでこの世界に実体が無いように感じられる。それでいて、歌っている内容は、痛いところをついているものが多いのです。
『ウェイウェイ大学生』の空騒ぎ感は人生なんてそんな感じなのだ、と思わせるのです。お祭り騒ぎの間に人生の盛りが過ぎていくのかもしれませんね。
気になる歌詞を調べてみた
さほど難しい言葉はないとは言え、若者言葉や省略語が濫発されるため、後で略語の意味などを参照できるようにしました。
『ウェイウェイ大学生』はヤバイTシャツ屋さんのボーカルとギターを担当しているこやまたくやが作詞作曲した楽曲です。さっそくその歌詞をチェックしてみましょう。
産近甲龍あたりの学生は 制服着てユニバ行きがち
関関同立あたりの学生は なんやかんやでいい企業就職しがち
女子高あがりの大学一年生 愛してもない先輩に
なんやかんやで抱かれがち その傷を一生引っ張りがち
軽自動車に5人乗り 四年でたくさん思い出作るぜ
ウェイウェイウェイウェウェイウェイウェウェイウェイ
ウェイウェイウェウェイウェイウェウェイウェイ
ウェイウェイウェウェイウェイウェウェイウェイ
ずっと騒いでる
出典: http://j-lyric.net/artist/a05beeb/l03ce28.html
鳥貴族でサワーで乾杯したあと
スポッチャでオールナイト
大切なものは単位より 遊びと睡眠
ウェイウェイウェイウェウェイウェイウェウェイウェイ
ウェイウェイウェウェイウェイウェウェイウェイ
ウェイウェイウェウェイウェイウェウェイウェイ
ずっと騒いでる
鳥貴族でサワーで乾杯したあと
スポッチャでオールナイト
出典: http://j-lyric.net/artist/a05beeb/l03ce28.html
僕たちウェイウェイ大学生
単位落として留年してまえ ウェイウェイ大学生
軽自動車に5人乗り 四年でたくさん思い出作ろうぜ
ウェイウェイウェイウェウェイウェイウェウェイウェイ
ウェイウェイウェウェイウェイウェウェイウェイ
ウェイウェイウェウェイウェイウェウェイウェイ
ずっと騒いでる
鳥貴族でサワーで乾杯したあと
スポッチャでオールナイト
大切なものは単位より 遊びと睡眠
出典: http://j-lyric.net/artist/a05beeb/l03ce28.html
ウェイウェイウェイウェウェイウェイウェウェイウェイ
ウェイウェイウェウェイウェイウェウェイウェイ
ウェイウェイウェウェイウェイウェウェイウェイ
ずっと騒いでる
鳥貴族でサワーで乾杯したあと
スポッチャでオールナイト
僕たちウェイウェイ大学生
TwitterとかFacebookとか炎上してまえウェイウェイ大学生
出典: http://j-lyric.net/artist/a05beeb/l03ce28.html
歌詞の意味や世界観をチェック。
歌詞の意味はもうこのまんま、特に注釈など必要でしょうか?
冒頭を少し訳してみました。
産近甲龍(関西圏にある4つの大学の頭文字)出身の学生は制服を着てユニバーサルスタジオジャパンに遊びに行く傾向あり。 関関同立(関西圏にある4つの大学の頭文字)出身の学生はどんなにデカダンを気取ってやんちゃをしたとしても、一流と言われる企業に就職する傾向あり。
若者の、それも関西方面の学生さんの暮らしぶりを歌ったものです。少なくともバイトで稼いだお金は全部自分達で使っている人達の歌ですね。平和な歌です。終わり無く繰り返されるウェイウェイの響きは頭にこびりついて離れません。
大阪への愛があふれている!
大阪にこだわりがあることもほかのバンドにはないヤバイTシャツ屋さんの「味」となっています。
ローカル色がここまで強く楽曲に表れているのはヤバイTシャツ屋さんのほかに類をみません。
たとえば『Stay Tune』で一躍有名になったSuchmos(サチモス)は神奈川県茅ヶ崎出身であることをライブ前、前説のように話しているものの、神奈川や横浜あたりの語尾に「じゃん」をつけるお国言葉でベタに歌うわけでも無い。ローカル色を出すとは行ってもちょっと違うのかな、と思えます。
関西弁の良さというのでしょうか。関西弁とひとくくりにしたら怒られそうです。彼らは大阪弁で歌っているのです。使われている言葉やイントネーションの微妙な違いは、関西圏の人達ならば聞き分けられるといいますから、小気味いい言葉の流れにも出自である大阪へのリスペクトが表れているのです。
それといつまでたっても何となくインディーズ感の抜けない風貌もローカルの気概が感じられるところでしょうか。地元を離れないという感覚がいいのかもしれません。