サビに入っても、徹底的に自分を責めるような辛い言葉が並びます。メロディとしての盛り上がりは、歌詞で描かれる締め付けるようなシリアスな叫びをより鋭くしています。

「能無い機械」や「救えないストーリー」という表現には自らを傷つけて世界を悲観するような心情が表れていて、誰の心にもあるネガティブな感情を炙り出し、色濃く描いて見せつけてきます。

自分の運命や自分自身をひたすら呪って、「だから僕は不幸に縋っていました」と逃げ場のない結論を叫びます。

冷めきった言葉を吐き捨てる

もはや音楽に期待はしちゃいない 何も変わりはしなかった
誰も変われやしなかった インチキ同然のガラクタなんだ

一つ二つの矛盾を孕みながら 掛け違えたボタンのままで
孤独というシワだらけの シャツを着飾る
あの日の僕はそうして 強がってたんだきっと
今でも 隣人を蹴落として

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-170726-266

「音楽に期待はしちゃいない」という言葉には、音楽活動をしながらもそこに諦めを感じているような一見すると矛盾した感情が表れています。

この言葉の裏では、多くの偉大なミュージシャンが音楽で世界を変えようとしても叶わなかった歴史を見ているのでしょうか。もしくは、自分たちが今までそれぞれ活動しても思うような結果にならなかったリアルな実体験を見ているのかもしれません。

自分たちが「矛盾」を孕んでいることも自覚し、周りを蹴落とすような生き方をしていることも分かった上で、それでも様々な矛盾を糧に歌っているのでしょう。

救いのない訴え

犯人は一体どうしていつまでそうして傷を抉っているんだ
敗北を美徳のように歌うミュージシャン
人生は救えないようなストーリーばっか描いていたいようだ
さらば、道徳 ヒヨってしまえば堕ちる
なあどうだい東京 僕を 消し去ってくれやしないか
向上心だって腐っているんだ
人間になってしまった甘え自体が間違いだったんだ
神様にも見放されました
だから僕は不幸に縋っていました

なあどうだい青春 僕を 僕を恨んでいますか
僕は 犯人じゃない

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-170726-266

最後まで切実でシリアスな訴えが続く「だから僕は不幸に縋っていました」の歌詞。そこには、明るい救いは見られません。

神様、僕は気づいてしまった」というバンドとして脚光を浴びるまで、彼らもまた「東京」というたくさんの夢が破れる場所で「敗北を美徳のように歌うミュージシャン」だったのでしょうか。

自分を過剰なほどに責めて、傷つけようとする歌詞には、そこに至るまでのリアルな葛藤や苦悩が表れています。

まとめ

神様、僕は気づいてしまった<初回限定盤>
神様、僕は気づいてしまった
ワーナーミュージック・ジャパン

「だから僕は不幸に縋っていました」という曲は、新人バンドの1曲目とは思えないインパクトを持った名曲です。

救われない境遇やそこに至った自分自身を厳しく責めるような歌詞は、聴く人の心に響いてその記憶に強く残ります。

神様、僕は気づいてしまった」の全ての始まりとなったこの曲を、是非じっくりと聴いてみてください。

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