34thシングル「DRINK IT DOWN」

ドラマーのyukihiroが作曲

「DRINK IT DOWN」は、2008年にリリースされた34thシングルです。

この曲はドラマーのyukihiroが作曲を手掛けました。yukihiroが単独で作曲した曲がシングル表題曲になるのは、実は初めてのこと。

26thシングルの「New World」も作曲者にyukihiroのクレジットがありますが、この曲はhydeとの共同作曲でした。

yukihiroの音楽的ルーツは、ブリティッシュ・ミュージックやインダストリアル・ミュージックであり、RadioheadやJoy Division、Massive Attackなどのバンドを好んで聴くということ。

この曲のイントロの辺りや、曲全体のデジタルサウンドの取り入れ方など、そういったバンドやエレクトロニカからの影響を感じるものがありますね。

ベストアルバム『QUADRINITY 〜MEMBER'S BEST SELECTIONS〜』、そして12thアルバム『BUTTERFLY』にも収録

【DRINK IT DOWN/L'Arc~en~Ciel】デビルメイクライ4のテーマソング?歌詞解釈の画像

この曲は、2010年リリースのベストアルバム『QUADRINITY 〜MEMBER'S BEST SELECTIONS〜』、そして2012年にリリースされた12thアルバム『BUTTERFLY』にも収録されています。

ベストアルバム『QUADRINITY 〜MEMBER'S BEST SELECTIONS〜』は、CD4枚組となっており、メンバー4人がそれぞれ自分の作曲した作品の中から7曲を選曲。

そして例えばhydeの曲は「hyde best」など、そのメンバーの名を冠した1枚に収録されるという手法がとられました。

メンバー4人全員がシングルの表題曲となるほどの作品を作曲できる、L'Arc~en~Cielだからこその企画だといえますね。

当初は新曲も一曲ずつ入れようということになっていたそうですが、各メンバーともスケジュールの関係でそうもいかず、その案は見送られたようです。

先にベストアルバムに収録された曲がその後のオリジナルアルバムに収録されることはなかなかないことですが、L'Arc~en~Cielでもこの「DRINK IT DOWN」が初の例となりました。

【DRINK IT DOWN/L'Arc~en~Ciel】デビルメイクライ4のテーマソング?歌詞解釈の画像

人気ゲーム『デビルメイクライ4』のテーマソング

ゲームの世界観を表現した曲

「DRINK IT DOWN」は、全世界で300万本以上を売り上げた人気ゲーム『デビルメイクライ4』のテーマソングに使用されました。

イントロやアウトロで聴くことができるメロトロンの響きが印象的で、ダークな雰囲気を醸し出し、ゲームの世界に引き込まれるかのようです。

ここまでゲームの世界観にあった曲ができたのは、yukihiroが『デビルメイクライ』シリーズが大好きだった、ということも大きく関係していることは明らかでしょう。

テーマソングの依頼が来た時に、思わず”はい”と言ってしまったのがyukihiroだったとか。

yukihiroは最初3曲デモを制作したそうですが、そのうちの2曲が組み合わさってこの曲になったそうです。

これはhydeの提案だったそう。その他にもtetsuyaやkenの意見も取り入れられたため、複雑な曲構成になってしまったようです。

でも逆に転調の部分などが不思議な雰囲気を生んで、よりゲームの内容に沿った曲になったのではないでしょうか。

【DRINK IT DOWN/L'Arc~en~Ciel】デビルメイクライ4のテーマソング?歌詞解釈の画像

「DRINK IT DOWN」の歌詞の世界

ではここからは、「DRINK IT DOWN」の歌詞に注目してみましょう。

【】内は、英語部分の和訳です。

闇を受け入れて……

滑らかに貼りつく感触 闇とは深く味わうもの
身体中へ受け入れて感じよう
[Drink it down, enjoy the black around taste the darkness]
Let down you feel trust falls break down

迫り来る衝撃へと恐れずに飛び込み真実が
君にも流れ込む
永遠に沈むような錯覚に抱かれて何処まで
正気で居られるのか?

出典: DRINK IT DOWN/作詞:hyde 作曲:yukihiro

暗く、恐ろしい存在。それが闇です。

そして、闇という言葉は悪や負の部分、そういったものを指すこともあります。

本来、日の当たる道を進んで行くのならば、避けて通らなければならないのが闇。

それでも、完璧な人間なんて存在しないように、存在のすべてが陽の部分でできているわけではありません。

その割合に多少の差はあろうとも、人は必ず、そのどこかに闇の部分を占めています。

そして人によっては、自らの意志でさらに闇を取り入れることだってあります。

闇のもたらす力に、抗えずに。

【飲み干すんだ、闇の味わいを、そしてこの黒さを存分に楽しめよ

失望だ、お前は信頼が音を立てて崩れ去るのを感じるんだ】

闇に力を得て、その力を借りて得た真実。

でもその闇が、狂気に引きずり込もうとします

鏡は砕かれ、そして君は目覚める

君の手が核心へ近づく 手負いでもその目に賭けよう
逝く前に掴めるか?力を
[Drink it down, enjoy the black around taste the darkness]
Let down you feel trust falls break down

鏡は今砕かれ 見たことも無い君が目覚めて
あぁ、もう帰れない
身代わりに失った 鮮やかな幻想が弾けて
裂け目に勝機を見た

出典: DRINK IT DOWN/作詞:hyde 作曲:yukihiro

闇に半身を食われたような手負いの状態。

それでも、その闇を利用して道を切り開き、進んで行きます。

その闇があるからこそ、進むことができるのです。

【飲み干すんだ、闇の味わいを、そしてこの黒さを存分に楽しめよ

失望だ、お前は信頼が音を立てて崩れ去るのを感じ取るんだ】

それまでの自分の殻を打ち破れば、信じられないほどの力を発揮することができるけれど、もう後戻りはできません。

闇に支配されていく目に、まだ輝く光の世界にいた、かつての自分の姿が蘇ります。

もう、決して戻れないあの頃の自分。

でも、そうしたからこそやっとチャンスがやってきたのです。