ここでは一気に現実的な描写へと移っていきます。

日常的な風景が彼の眼には写っているのですが、それにも関心を持てません。

その理由は3行目の「行き場のない」というフレーズから、失恋であることがわかります。

どのような2人の関係だったのかまでは読み取ることができませんが、きっと恋人同士だったのでしょう。

彼女を失ってからの毎日が彼にとっては退屈で、「ショボイ」と表現。

一生懸命仕事に没頭して、彼女を失った虚無感から少しでも目を逸らそうとしています。

しかし、ふと現実に戻るともうそこには春が来ていて時間の経過を感じさせるのです。

もし君が悲しんでいるのなら

逢いたくなったらまたここへ来てよ ねえ
張りつめたガラスの心の置き場 見つからずいるのなら
寂しくなったらまた逢いに来てよ ねえ
その絆 答無い闇の中で ため息を集めているのなら

出典: またここであいましょう/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO

既出した歌詞と重なる部分もありますが、「ねえ」に続く部分が違っています。

2行目では主人公は彼女の現状を「ガラスの心」と「見つからないなら」と表現。

4行目では、さらに彼女が何かに思い悩んでいることが表現されています。

ここで出てくる“”が、誰と誰の絆のことなのか…。

主人公の気持ちを汲んで考えてみると、彼女が思い悩んでいるのは彼との絆なのではないでしょうか。

例えば、嫌いになって別れたのではなく、何かやむを得ない理由があって別れてしまった2人だとしたら

彼が「逢いたい」と簡単に口にできないのと同じように、彼女も言えない気持ちを抱えているのかもしれません。

それでも何とか2人の絆を手繰り寄せたくてもがいている、そんな気持ちが伝わってきます。

しかしこれはあくまで彼女の気持ちをそう表現しているので、本当のところはわかりません。

ひとついえるとしたら、彼は彼女がそんな気持ちでいることを知っているという事です。

傷付けてしまった大切な人

ポケットは軽はずみな優しさで溢れて
ハジかれた夢を抱え いつまでも黙り込んでいた

白いままの地図 誓ったあの日に会わせる顔がない
大切な人の笑顔の裏の涙に 添える花がない

出典: またここであいましょう/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO

これまでの仮説からさらに踏み込んで歌詞の中身を探っていきます。

ここでは主人公がこれまでにやってきたことが綴られています。

まず1行目のポケットに入っていたもの。

それは主人公自身の気持ちです。しかし本当の優しさでなかったのでしょう。

これを「軽はずみ」と表現し、それによって叶わぬ夢があったことがわかります。

手放すことができずに、ただ黙るしかなかったのではないでしょうか。

そして3行目で注目するのは“白紙の地図”です。

ここには描かれるべき夢への道筋があったのだろうと解釈することができました。

誓った2人の夢があり、でもそれが果たせなかった彼

そして3行目の後半から4行目で表現されているように、後悔をしている様子が伝わってきます。

恋愛におけるお互いが誓い合うもの、それは“結婚の約束”なのかな、とも捉えることができます。

ここではそこまで言及していないのですが、結婚を誓ったあの日を申し訳なく思っているのかもしれません。

今度こそ僕が守るから

逢いたくなったらまたここへ来てよ ねえ
立ち止まる事も逃げ出す事も それもまた勇気なら
泣きたくなったら 悲しくなったら
街は青 君の事傷付けてる全てから 僕が守るから

出典: またここであいましょう/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO

3回目のサビ部分では、彼女に降りかかるすべてのことから守るという強い想いが綴られています。

そばにはいてあげられないけどいつも彼女のことを想っていることがわかります。

自分から逢いにはいけないけれど、彼女が逢いたいと思ったらいつでも逢いに来てほしい。

そんな正直な気持ちではないでしょうか。

ついに言えた本当の気持ち

逢いたくなったら また逢いに行くよ

逢いたくなったら…

出典: またここであいましょう/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO

ここまで自分が果たせなかった約束のせいで、彼は自分の気持ちを押し殺してきました。

しかし最後の最後で彼は本当の気持ちを綴っています。

ついに言えた本当の気持ち。

この簡単な一言が、軽はずみな言動で大切な人を失ってしまったからこそ言えなかったのです。

この想いの丈を彼女はどう受け止めてくれるでしょうか。

自分の言動を悔やみ、それでも一途に誰かを守りたいという想い。

そんなまっすぐな愛を感じられる歌詞だったのです。

そして、今度逢えた時には果たせなかった約束を再び誓うのかもしれません。

「約束の地へ」というのは、もう一度逢えるかもしれない2人の約束そのものなのではないでしょうか。

【またここであいましょう】のPVをチェック

ポップなロックがGLAYらしいと評判の【またここであいましょう】。

イントロのピアノの旋律はどこか懐かしさを感じさせてくれます。

『逢いたい人』がいる人には涙を誘ってしまう曲かもしれませんね♪

モノクロの世界の中にたたずむ4人の姿が印象的で、彼らのかっこよさがひときわ目立ちます。

哀愁を感じるメロディラインを歌うTERUの歌声はもちろんのこと、ベースギターの重なりも素敵です。

楽曲の歌詞を知り、改めてPVを観ることでまたGLAYを好きになってもらえたのではないでしょうか。