GLAY「HOWEVER」

1997年8月6日にリリースされた12thシングル

【GLAY/HOWEVER】名曲に隠された歌詞の意味を考察!の画像

GLAYの代表曲ともいえる「HOWEVER」は、1997年に12thシングルとしてリリースされました。

この辺りにリリースされた「唇」や「誘惑」なども人気が高く、GLAYがまさに日本のトップアーティストの仲間入りになった曲ともいえますね。

この楽曲はGLAYにとって初めてのミリオンセラーを記録し、またオリコン週間ランキング通算5週1位と、1997年月間ランキング1位、年間ランキング9位を記録しました。

メンバーに初めてデモテープを聞かせた時には、「暗い」と不評だったそうで、TAKUROが必死の思いでメンバーを説得し、レコーディングまで持って行ったそうですよ。

実際にリリースされると大ヒット!もともとノンタイアップだったこの曲が、TBSドラマ「略奪愛・アブない女」のエンディングテーマに起用されたり、日清食品の「カップヌードル」のCM曲にも起用されました。

さらに、この曲は元X-Japanのギターhideに褒められたことがあるそうで、hideの楽曲「HURRY GO ROUND」は「HOWEVER」を聴いて「ああいう曲が書きたい」と思って書いたそうですよ。

とにかく壮大な歌詞の世界と、TERUの情感籠った歌声が素晴らしいんです。

初のベストアルバム「REVIEW~BEST OF GLAY~」にも収録

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「HOWEVER」は、ベストアルバム「REVIEW~BEST OF GLAY~」の9曲目にも収録されています。

インディーズ時代のアルバムも含む70曲以上中から選曲されたこのアルバムは、発売初週に200万枚を売り上げ、オリコンのアルバム初動売上歴代1位を記録する快挙を成し遂げました。

なんと、1999年には「日本で最も売れたアルバム」としてギネスブックにも載ったんですよ!

「HOWEVER」はTAKUROの作詞作曲

TAKUROにフォーカスを当てることで見えてくる意味

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GLAYのリーダーでもあり、結成以来ほとんどの楽曲の作詞作曲を手掛けてきたのが、TAKUROです。

シングル曲では、16年間42枚連続で表題曲を担当したこともあり、GLAYの代表曲はほとんどTAKUROが作っているといっても過言ではありません。

さまざまな楽曲を作ってきたので、幅広い作風なのですが、得意とするのはどちらかといえばアコースティックな作品。

またTAKUROの歌詞は幻想的な言い回しも多いのですが、現実で体験したこと、自分自身で感じたことが表現されています。

この「HOWEVER」もTAKUROが27歳の頃に付き合っていた彼女のために書きあげられたもの

歌詞を意味を考える時には、誰が誰に向けて、そしてどういう想いで描いたのかを知ることでより深く意味が伝わることがありますよね。

TAKUROにとって「アイデアが溢れてくる泉のような人」

付き合っていたのは、TAKUROがまだインディーズで頑張っていた頃に出会った方のようです。

彼女は喘息を持っていたために、幾度となく入院していたそうです。

とても心の優しい人で、心配をかけないようにひっそりと入院していたため、GLAYで売れだしたTAKUROと連絡が取れないなんてこともあったみたいですね。

歌詞を紐解くときにちょとしたエピソードも含めてご紹介してきますね。

ちなみに、10年間付き合った彼女は、TAKUROにとっては「アイディアが溢れてくる泉のような人」だそうで、「HOWEVER」以外にも「Winter,again」など彼女への想いを書いた曲がたくさんあります。

10年間付き合った彼女との色んな感動的エピソードは、TAKUROが書いた「胸壊」にも載っていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

「HOWEVER」の歌詞を紐解く

冒頭から中盤にかけて、全体的に色褪せているような暗い映像が続く「HOWEVER」のMV

しかし最後には一転、鮮やかな青空が広がっており、その空の広さが大きな包容力さえ感じさせます。

そして歌詞の世界もMV同様、包み込むような優しさに溢れていました。

そんな楽曲の歌詞はとてもストレートかつ分かりやすい表現がされています。

にもかかわらず、ありきたりだと感じさせない点もポイント。

恋愛を語るうえで、「愛」「愛しさ」「永遠」といった言葉は比較的多用されます。

自分が相手に対して抱える想いをストレートに伝えるなら、これらの言葉が最もしっくりくるからです。

さらに想いの伝え方も様々。

同じ言葉を繰り返すことで愛の大きさを伝えることもあるでしょう。

しかしここではあえて、想いを伝えるその一回の言葉に全てを詰めこもうとしているように感じられるのです。

しかし「愛」という言葉の器にはおさまらないほどに、自分自身の内側から想いが溢れ続けています。

どんなに愛の言葉を繰り返しても足りないほど、深く大きい愛がそこに存在しているのだと感じられることでしょう。

それではさっそく解説していきます。

共に未来へ歩き出す

やわらかな風が吹く この場所で
今二人ゆっくりと歩き出す

幾千の出会い別れ全て
この地球で生まれて
すれ違うだけの人もいたね 分かり合えないままに
慣れない街の届かぬ夢に 迷いそうな時にも
暗闇を駆け抜ける勇気をくれたのはあなたでした

出典: HOWEVER/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO

人間は生まれてから死ぬまでに、約3万人と出会うといわれています。

そのうちで、職場や近所の人など関わり合いを持つ人が3000人。さらに、親しい人間は300人ぐらいだそうです。

それだけ多くの人との出会いがある中でも、不安で暗闇の中もがいているときに、前へ踏み出す勇気をくれたのは「あなた」だといいます。

慣れない街とは、北海道生まれのGLAYにとっては東京であり、届かぬ夢はデビューがまだしっかりと見えなかったころだからかけた言葉ではないでしょうか。

このまま音楽を続けていくべきか、悩んだ時にはいつも背中を押してくれる存在だったのですね。

実際にモデルとなった彼女も、GLAYが売れ始めて悩んでいたTAKUROに「生きてるだけで丸儲け」と言い、肩の荷を下ろしてくれたという話もあります。

曲の始まりの歌詞は、曲のラストと繋がっています。

「今二人ゆっくりと歩き出す」と書かれているので、愛し合っている二人が一緒の方向に歩きだすイメージが浮かびますね。