現代社会に布石を打つ!

一度では覚えられないような長いタイトルが印象的な、「愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間」。

 

「愛のために進化」してきたといいつつ「愛のために退化」していると、タイトルからいきなり矛盾!

なんだかとても意味深ですよね……!

実際、何を歌っているの?

内容は、「進化」「退化」と相反する言葉が使われていることからも分かるように、現代社会の矛盾について歌われています。

「こんなんでいいのかよ現代社会!」と言わんばかりの強い思いが、間接的な表現であらわされているのも面白いポイント。

 

一般的な可愛らしくてキャピキャピっとしたアイドルとは少し違う、クールで力強いパフォーマンスも見どころです!

 

では、歌詞の意味について細かく紐解いていきましょう。

Aメロ①

【愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間/アンジュルム】歌割付歌詞を考察♪の画像

笠原桃奈(※以下、笠) : 21世紀 近未来育ち 私たちに
勝田里奈(※以下、勝) : GPSテルミー 確かな現在地
勝 : 迷わないように
相川茉穂(※以下、相)・佐々木莉圭子(※以下、佐) : 本音を公開 いさかいに後悔
相・佐 : 後の祭り
和田彩花(※以下、和)・上國料萌衣(※以下、上) : 自分を探し 超自我探索 (スーパーエゴサーチ)
和・上 : 特定できない

出典: 愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間/作詞:児玉雨子 作曲:炭竃智弘

まずは冒頭の歌いだし部分。

ポイントは、「近未来育ちの私たち」というフレーズです。

 

21世紀と言えば、インターネットや携帯電話が急速に普及した時代。

小さな端末1つで様々なことを調べたり、誰かと繋がったりできる社会は、一昔前の漫画で描かれていた近未来のようですよね。

このことから、この歌は「便利な社会で育った私たち」目線の歌であることが分かります。

 

では、そんな便利な世界に存在するGPSに「私たち」が問いかける「現在地」とはなんなのでしょうか。

 

「私たち」が抱える葛藤

この「現在地」は物理的な場所の話ではなく、心理的な居場所のことを指します。

 

「GPSなんて便利なものがあっても、自分が本当に存在すべき場所はわからない!」

という心の叫びですね……。

 

続く「本音を公開」する場所は、おそらくブログやtwitterなど、SNSのこと。

SNSも、スマホと同時に普及した近未来の産物であるといっても過言ではありません。

そしてそこへの何気ない投稿がトラブルを招いたり、炎上を引き起こしたりすることってありますよね。

 

そんな現代社会ならではの悩みや葛藤が、Aメロには並べられています。

便利なツールはたくさんあるのに、自分自身の居場所や存在価値は見出せないもどかしさや苛立ちが伝わってきますね。

Bメロ①

【愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間/アンジュルム】歌割付歌詞を考察♪の画像

中西香菜(※以下、中) : いじわるな地球(ほし)よ
室田瑞希(※以下、室) : 資源も自然も全部用意しといて
竹内朱莉(※以下、竹) : 一番欲しいもの よりによって
室・上 : は
中・相 : ぐ
勝・佐 : ら
竹・笠 : か
和 : し続けるのね

出典: 愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間/作詞:児玉雨子 作曲:炭竃智弘

Aメロでは、便利なのに本当に知りたいことは分からない現代社会へのもどかしさが歌われていました。

続くBメロでは、地球に対してのもどかしさが歌われています。

 

地球に対するもどかしさって?

私たちが生まれた時から、地球にはすでにたくさんの自然や資源がありますよね。

その資源や自然を、「地球が用意してくれたもの」と捉えています。

そして人間はそれらを使って発展を遂げてきたと、ここまでで歌われていました。

 

しかし、便利になってはいるけど、本当に知りたいことにはたどり着けないのが現状。

 

「自然や資源は用意してくれたけど、自分たちが欲するものは簡単には手に入れられないようはぐらかされている」

 ということにもどかしさを抱えているのです。

 

欲しいものとは何か

 ここでひとつ疑問が生まれますよね。

 葛藤やフラストレーションはわかったけど、一番欲しいものって何……?

 

答えは、続くサビに出てきます。

サビ①