【愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間/アンジュルム】歌割付歌詞を考察♪の画像

室・相・佐・上(※以下A) : 愛のため今日まで
和・中・竹・勝・笠(※以下B) : 進化してきた人間
A : なのになぜ寂しいの?
B : Lonely Night
A: なんのため生きて
B: 誰のため生きていこうと思うのでしょう?
A: 愛のため今日まで
B: 進化してきた人間
A: 早く私を見つけてよ
B: 高速電波
A: 飛んでないところでも
笠 : 見つけてほしいの

出典: 愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間/作詞:児玉雨子 作曲:炭竃智弘

便利さがあっても見つけられぬ「愛」

そう、「一番欲しいもの=愛」です。

 

Aメロでは自分の居場所を探していることや、本音を公開しようとしていることが歌われていましたよね。

このことからも、「誰かにわかってほしい、見つけてほしい」と、愛を欲していることが分かります

 

「誰かを愛し愛されるために便利な世の中にしてきたのに、なんで寂しさは消えないの?今までの進化にはなんの意味があったの?」

努力は報われず、虚無感ばかりが募る……。

そんな嘆きややり場のない苦しみに胸が締め付けられますね。

 

続く「高速電波が飛んでいないところでも早く私を見つけてよ」という部分。

これは、「スマホやSNSなんてなくっても私のことを見つけて!そして愛して!」という願いでしょうか。

 

やはりAメロ部分に通ずる承認欲求のようなものを感じます。

Aメロ②

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相 : 21世紀 大宇宙出身 私たちは
勝 : LED画面 よりもこの顔面
勝 : そっと撫でてほしい
中・竹 : ボタンを押して 即日お届け
中・竹 : とても便利
佐・笠 : 愛情探し 極超自分探索(ハイパーエゴサーチ)
佐・笠 : 褒めてくれりゃいい?

出典: 愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間/作詞:児玉雨子 作曲:炭竃智弘

2番のAメロでも、便利さと反比例するように減りゆく愛について歌われています。

 

LED画面は、おそらくスマートフォンを表しているのでしょう。

スマホばかりを気にして、現実に目を向けられない現代人を皮肉るような歌詞です。

スマホではなく、そこに確かに存在する私を愛してほしいという訴えにも聞こえますね。

 

ここではネットを使えば欲しいものがすぐに届く便利さについても言及しています。

「愛情とちがって、物欲はすぐに満たすことができる」という皮肉でしょうか。

 

また、1番では「自分探し」として行なっていたエゴサーチ。

2番では「愛情探し」として行っています。

ネットを渡り歩けば、いい情報や口コミに出会うこともありますもんね。

 

しかし、最後の部分では「本当にそれでいいの?それで手に入ったものは本物なの?」と疑問を投げかけています。

 

現状に満足するためにもがき、物欲や体裁だけの言葉に満足しようとしつつも、どこかでそれは本物ではないとわかっている……。

そんな揺れ動く微妙な心が巧みな言葉で描かれています。

Bメロ②

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上 : こざかしい都市よ
室 : 経済発展遂げておいて
和 : 一番大事なこと ただそれだけ
勝・上 : お
室・笠 : も
和・中 : い
竹・相 : だ
佐 : せないままなのね

出典: 愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間/作詞:児玉雨子 作曲:炭竃智弘

「これだけ便利になったのに、大切なことだけは思い出せない」という、Aメロを受けての思いが歌われています。

 

「思い出せない」という言葉から、過去には愛が存在していたことがうかがえますね。

愛を求めて発展させてきたわけですから、確かに過去には愛が存在していたのでしょう。

 

便利になるがゆえに、大切なことを忘れてしまったという訴えでもあります。

サビ②-1

【愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間/アンジュルム】歌割付歌詞を考察♪の画像

和・中・竹・勝・笠(※以下A) : 愛のためすべて
室・相・佐・上(※以下B) : 退化してきた人間
A: なのにまだ寂しいの!
B : Love me Now
A : なんの意味あって
B : 誰かを傷つけ、
A : 傷つけられるのでしょう?

出典: 愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間/作詞:児玉雨子 作曲:炭竃智弘

1番のサビは「進化」だったのに対し、2番のサビは「退化」。

また、1番では「寂しいの?」と問いかけていましたが、2番では「寂しいの!」とはっきり主張しています。

愛を深めるために便利なツールを生み出してきたものの、それゆえにまだ争いを続ける姿を「退化」と表しているのでしょうか。

 

1番のAメロでも、SNS等などの便利なツールで本音を公開できるけれども、それによってトラブルが起きると歌われていましたね。

 

自分たちで作った便利なツール使って傷つけあっている人々に対して、「なんて寂しいことだ!」と訴えているように受け取れます。

サビ②-2

【愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間/アンジュルム】歌割付歌詞を考察♪の画像

和・中・竹・勝・笠(※以下A) : 愛のためすべて
室・相・佐・上(※以下B) : 退化してきた人間
A: 今すぐには逢えないよ
B: 始発電車
A: 動きださなくては…
室 : 逢いに行けないよ

出典: 愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間/作詞:児玉雨子 作曲:炭竃智弘

1番のサビ後半では、「高速電波がないところでも見つけてほしい」と便利さを憂いていました

しかし、2番では「始発電車が動き出さないとすぐには会えない」とかなりアナログ

これも「退化」を象徴していますね。

 

愛を得るために便利なものをたくさん作ってきた。

でも、インターネットやSNSを使っても愛は探せないし、いくら便利でも愛情は簡単に満たされない。

仮に愛があったとしても、距離が離れていたらすぐに会うことは不可能。

だって、電車なしで長距離を移動できるような力を人間は持っていないからね。

 

「便利なものをたくさん作って進化してきたつもりが、目下の問題は何も解決できていない」という、現代人には痛いメッセージ。

ぐうの音も出ません……。