第2位としてご紹介するのは「教育」。
2004年11月に発売された、記念すべき東京事変のファーストアルバムです。
今作をベストに上げるファンも多いのではないでしょうか?
ちなみにこのアルバムのみ、現在のメンバーとは異なる第1期メンバーで制作されています。
ギタリストは浮雲ではなく、その前任である晝海幹音。
そしてキーボードは伊澤一葉の前任者であるH是都Mとなっています。
自分だけのためでなく、バンドという形のために音楽を制作することで新しい風を感じたい。
そんな椎名林檎の願いを強く感じる意欲作です。
本人曰く“おもちゃ箱をひっくり返したような”アルバムでもあるんだそう。
収録曲は以下の通りです。
1. りんごのうた
2. 群青日和
3. 入水願い
4. 遭難
5. クロール
6. 現実に於て
7. 現実を嗤う
8. サービス
9. 駅前
10. 御祭騒ぎ
11. 母国情緒
12. 夢のあと
出典: https://www.amazon.co.jp/%E6%95%99%E8%82%B2-%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E4%BA%8B%E5%A4%89/dp/B01KZ6TNMY/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1518523439&sr=8-1&keywords=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E4%BA%8B%E5%A4%89%E3%80%80%E6%95%99%E8%82%B2
実はこの作品は、先述した収録曲順の並びのパターンが適用されていないように見えます。
が、1曲目である「りんごのうた」は、元々椎名林檎のソロ名義の楽曲のタイトル。
この曲をセルフカバーし、東京事変名義の際は「林檎の唄」の表記で収録しています。
ですので正式な表記で直すと、ばっちりこの作品も曲順の文字数見栄えは鏡合わせに。
惜しむらくは漢字平仮名表記が、最初と最後の曲は一致しない点のみ、というところでしょうか。
この1枚目のアルバムからすでに、彼女たちの曲順のちょっとした遊び心の仕掛けは始まっていたのですね。
群青日和
さて、それではこのアルバムもおすすめ曲を数曲ご紹介しておきましょう。
まずはこちらの「群青日和」。
東京事変といえばこの曲!と思い浮かべるファンも多いのではないでしょうか?
デビューシングルであり、ばっさり髪を切り、汗を流しながら演奏する林檎ちゃんの姿が映されるMVが大きな話題を集めました。
三洋電機「au W21SA」のCMソングにも選ばれました。
叩きつけるようなロックチューンに、メンバー全員の爆発力と音楽への渇望を強く感じます。
楽曲単位なら、やっぱりこれが一番なんですよね。
遭難
そしてこちらは晝海幹音の印象的なギターリフから始まる「遭難」。
そうかと思えば主旋律がベースに移り、メロディアスにピアノが響く、華やかなのに哀愁を感じる1曲です。
そして、まるで昭和の歌姫のような装いの林檎ちゃん。
重たいラブソングも難なく弾きこなす東京事変、惚れ惚れします。
サービス
そしてこちらはシングルカットされていないアルバム曲で唯一MVが製作された「サービス」。
この曲のMVはミュージック・ビデオ集『tokyo incidents vol.1』に収録されています。
気になるそこのあなたはあわせてチェックしてみてくださいね。
ライブではコミカルなアレンジが加えられることが多く、ファンにも人気が高いナンバーです。
こういうのも楽しそうに演じる東京事変、たまんないですよね。
1位 大人(アダルト)
そして1位は今作!2006年1月に発売されたセカンドアルバム「大人」です。
新メンバーの伊澤一葉と浮雲の2人を迎えてからの初めてのアルバムであり、言ってみれば2度目のデビュー作です。
今作のテーマはタイトル通りの“アダルト”。
(成熟した)女性としての生きづらさに向き合いながら、いかにポジティブに楽しく生きるか。
そういったテーマを考えて制作したと椎名林檎は語っています。
ちなみに筆者の選考理由は、“アルバムを通して聞いた時の満足感が半端じゃないから”です。
曲順も、収録された楽曲の緩急も、派手さ地味さも、すべてにおいてバランスがいいんですよね…!
東京事変を聴いたことがない方には是非お勧めしたい1枚。
収録曲は以下の通りです。
1. 秘密
2. 喧嘩上等
3. 化粧直し
4. スーパースター
5. 修羅場 adult ver.
6. 雪国
7. 歌舞伎
8. ブラックアウト
9. 黄昏泣き
10. 透明人間
11. 手紙
出典: https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E4%BA%BA-%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%AB%E3%83%88-%E5%88%9D%E5%9B%9E%E9%99%90%E5%AE%9A%E7%9B%A4-DVD%E4%BB%98-%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E4%BA%8B%E5%A4%89/dp/B000BVXFQ4/ref=sr_1_3?ie=UTF8&qid=1518523439&sr=8-3&keywords=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E4%BA%8B%E5%A4%89%E3%80%80%E6%95%99%E8%82%B2
こちらのアルバムももはや恒例となった、鏡合わせの収録曲の並びです。
平仮名や漢字の表記まできっちりと鏡合わせになっているこの表記は、もはや美しさすら感じますね。
またこのアルバム、東京事変の作品としては珍しくシングル曲は「修羅場」の1曲のみ。
丁度メンバーの入れ替えの時期でもあったので、その辺りの大人の事情も含まれているのかもしれません。
そして実はこのアルバム、それとシングル「修羅場」には一部の東京事変フリークの中で有名な逸話があります。
それはこの作品と、この作品から参加したギタリスト・浮雲について。
なんと実は彼のバンド加入が決まったのは、この作品のレコーディングが始まる僅か数日前だったんだろう。
下手をすれば1週間にも満たない期間。
その短期間でこの作品の全ての曲を弾けるようになり、尚且つ完成度高く仕上げてきた浮雲。
楽器が演奏できる人からすれば、どれだけ彼が化物のようなプレイヤーかがわかる逸話となっています。
喧嘩上等
さてそんなこの「大人」からおすすめしたい曲。
まずは激しい怒りを爆発させた英詞が印象的な「喧嘩上等」。
しかし、歌詞の激しさのわりに曲調は穏やかであり、さながらクラシカルなダンスナンバーのようです。
そんな歌詞とメロディのギャップこそ、この楽曲最大の魅力。
MVではドラムスの刄田綴色が石見神楽の演舞を披露しています。
鮮やかですね。