ここで述べられている「答え」とはあなたへの好意のことだといえます。
また、注目すべきは、自身を「少ない~」と表現しているフレーズ。
ここからは、謙虚さだけではなく、どこかやるせない無力感を感じられます。
何も出来ない自分だけれど、1度動かされた心のままに進み続けている状況。
自ら意識せずとも、心は正直に語りかけてくるのです。
タイトルにもあるように、それはまるで1つのからくりのよう。
そして、歌詞4行目に描かれている「恋~」という文章にも注目です。
今までは恋や愛に対して悲観的で億劫な想いを抱いていたことが読み取れます。
おどおどしながらも、光が差す方に向かって必死に歩こうとしている主人公がいるのでしょう。
これまでとは違う想い
あなたを想う日々
後悔や痛みの夜を何度明かして
当たり前に成ったのは君のこと
罠だらけの日々を歩けない私の
手を引いて歩く横顔
出典: 心臓と絡繰/作詞:カンザキイオリ 作曲:カンザキイオリ
あなたが隣にいることが欠かせなくなったのは、幸せな経験からだけではありません。
数ある中のたかが1人なのに、これほどに心を締め付けられて、苦しめられる日々。
他の誰を見ても湧き上がってこない複雑な感情は、あなたを前にした時にやってくるのです。
そうした惑いや憂いが想起させるのは、常にあなたの姿。
また、歌詞の後半では、歩んでいく道に対して億劫になっている自分をリードしてくれる描写がなされています。
「罠~」という表現からは、毎日が不安で何かに追われ続けている焦燥感を感じます。
あなたは、こんな自分を受容してくれながら、ただ前を向いて進み続けていくといっているのでしょう。
自分とは真反対の性格や、自分には持っていない物を持っている人ほど魅力的に感じると解釈出来ます。
言葉には表せなくとも
ぶつかり合って重ならないパズルの
最後のピースをやっと見つけた
心が割れたって何度裏切ったって
君もずっと私を待っていたんだ
出典: 心臓と絡繰/作詞:カンザキイオリ 作曲:カンザキイオリ
互いにようやく見つけた心の拠り所を表現している奥ゆかしさのある歌詞。
注目すべきは、4行目の歌詞にあるフレーズです。
半ば、決めつけるようにあなたが自分に寄せる好意を確信している様子が映し出されています。
そう感じてしまうほどに、2人の出会いは運命的で、結びついている絆があるのでしょう。
これまでに1度もピースがはまらなかったということは、何度かきっかけはあったということ。
その度にピッタリはまるどころか、互いに傷つけ合って終わるだけだったのです。
しかしながら、あなたはこれまでの経験とは異なる何かを持っている。
だからこそ、何度憂いたとしても不安になったとしても、想う気持ちは消えることが無いのです。
その真っ直ぐさこそ、冒頭の歌詞で描かれていた「ありのままの自分」なのでしょう。
いつまでもそばに
見まがうことなく
すれ違う心の奥底で
ずっと探してた優しさは
温もりは何もかも全部君のものだ
少ない脳全部でわかった
仕掛けられた罠を振りほどいたその先に
呆れ顔の君が待っていた
出典: 心臓と絡繰/作詞:カンザキイオリ 作曲:カンザキイオリ
自分の抱いていたネガティブな想いは、全てあなたのおかげで消し去ることが出来た。
目の前にいる存在がもたらすパワーは絶大だといっているのです。
いつまでも求めていた「愛」の正体は、紛いも無くあなた自身だった。
湧き上がって零れる涙の中で、幸せそうに微笑む主人公の姿が想起出来ます。
楽曲の中で度々描かれている「罠」から抜け出すことが出来たのは他でもない自分の力です。
これまで前に進むことに怯えていたところに、あなたが背中を押してくれた。
あなたの表情が「呆れ顔」という点にも注目です。
そこに潜むのは、あなたの寛容さや物事の捉え方の違い。
あなたの何気ない側面が、主人公の生き方を救うキーになっているのでしょう。
救われた未来
汚れなんて血と混ぜてしまおう
弱さなんてもう忘れてしまおう
うまくいかなくても君と居れる
それ以上なんて有る訳無くて
少ない脳全部で気づいた
熱いキスで何もかも混ぜよう
この先も君のこと守りたいんだ
君の言葉も戸惑いも嬉しかったんだ
出典: 心臓と絡繰/作詞:カンザキイオリ 作曲:カンザキイオリ
自分の人生が「良いもの」と言い切れなくとも構わないのです。
隣にあなたがいてくれるだけで「幸せ」だと形容できるといっています。
これまでに出てこなかった純粋な愛情表現である「キス」という表現も使用されているフレーズ。
2人の想いが双方向に良い状況であることを示唆しています。
憂いの雨が止まなかった主人公に差した1つの光はあなたの存在だったのです。
楽曲で述べられていた「最後のピース」が表すもの。
それは、運命的に出会い、主人公を変えてくれるきっかけとなったあなたなのです。