ひたすら怖い「Blue Flower」
SEKAI NO OWARI「Blue Flower」は2019年に発表されたアルバム「Eye」に収められています。
このアルバムはいわゆるSEKAI NO OWARIのダークな一面を集めたコンセプトアルバムです。
今回この楽曲の歌詞を考察するにあたって最初にお話しておきたいことがあります。
それは楽曲の歌詞内容にはシリアスな場面を連想させるところがあるということです。
ですが残酷な話を面白可笑しく考察し書き進めて行くことはありません。
セカオワの大切なメッセージをしっかりと読み解いて行きたいと思います。
そしてFukaseさんはこのちょっと怖いお話にもちゃんと「オチ」を用意してくれているはずです。
そのことを楽しみに考察して行きますね。
では早速現場へ急行します!
歌詞考察~素敵なショーの始まり
最初はマイノリティをアピール
It is like a white crow
Like two-headed tortoise
Ironic miracle
Why am I bad?
(白いカラスや双頭の亀のような
奇跡のいたずら、なぜ僕が悪いの?)
出典: Blue Flower/作詞:Fukase 作曲:Fukase
野生動物は身を守るために体色を変えたり擬態を繰り返したりして生き延びてきたといわれていますね。
その中で突然変異としてアルビノ(白変種)というものがありますが、白いと敵に見つかりやすいです。
そのために生存に不向きだといわれてきました。
ですがそんなことはありません。
白い動物は珍重され可愛がられ生き延びています。
人間にも先天的に色素の薄い人はいますがそういった人を迫害するのはある限られた地域だけです。
言い伝えのような迷信のせいで虐待されたりすることはあってはならないことですね。
「双頭の…」というのも数奇な人生を歩むことの例えでしょうか。
昔はそのような姿で生まれた子供はサーカスや見世物小屋に売られたという悲しい実話などもありました。
この曲はマジョリティ(社会的多数派)とマイノリティ(社会的少数派)への痛烈なメッセージで始まります。
持って生まれた少数派としての生きにくさを強調していますね。
猟奇的な現場
大きい声を出すなよ
どうせ誰にも聞こえないんだから
無様に足掻くお前を見てると
僕の笑顔もちょっと崩れてくる
出典: Blue Flower/作詞:Fukase 作曲:Fukase
言い訳すら投げやりな生きることに迷っている僕はここで何をしているのでしょうか。
「お前」と言っているのは女友達それとも彼女?
とにかくふたりきりのシリアスな場面のようです。
誰にも知られたくない場所で知られたくないことが行われているようです。
もしかしたら彼女は足を動かそうともがいているのかも知れません。
ただならぬ状況です。
そんな顔で僕を見るなよ
目に光が無くなってからが始まり
何度も何度も謝るなよ
きっと誰も悪くないんだ
出典: Blue Flower/作詞:Fukase 作曲:Fukase
彼女の困惑の表情や怯えた様子がうかがえますね。
ひたすら怖いです。
生気を無くした彼女の顔をみたいのでしょうか。
それとも始末してからの楽しみが待っているということ?
これ以上は…ですね。
何も見なかったことにしましょう。
あくまで僕は正当化を主張します。
これは問題のシーンです。
自分が不幸せだから人を痛めつけて良いという道理はないですね。
運が悪かっただけ
それは海で鯱に会うような
自然の摂理のようなもの
理由なんかそもそも無くて
あるとしたら生まれる前の何か
出典: Blue Flower/作詞:Fukase 作曲:Fukase
自分が今生かされているということは当たり前のことではないです。
そこからすでに考え直さなくてはいけません。
生きているということは確率の問題だと説き伏せているようです。
運が悪かっただけだと。
きっと前世で何か悪い事でもしたんだろうと言ってみたりしていますね。
もしかしたら「諦めろ」と言っているのでしょうか。
かなりハードボイルドタッチになってきました。