1番の冒頭では、付き合っている頃の二人について描かれています。

デートの帰り道、送っていく途中にある三角の空き地でキスをする。

それが二人の習慣でもありました。

きっと、雑草が伸び放題でろくに手入れもされていないような空き地は、人目につきにくい場所だったのでしょう。

だからこっそりとキスをしても大丈夫だった。

そんな微笑ましい情景を思い浮かべることができます。

ドキドキが薄まってきた二人

どんなロマンティックも当たり前に思われ
ときめきに慣れてしまう
時には僕たちの帰り道も
ああ遠回りすればよかった

出典: 三角の空き地/作詞:秋元康 作曲:Hiroki Sagawa・Yasutaka.Ishio

きっと、はじめのうちは三角の空き地でキスをする際、お互いドキドキしていたのでしょう。

しかし、それが習慣となってくるとそのドキドキも徐々に薄まっていきます。

歌詞中にある「ときめきに慣れてしまう」というのは、そのような心の変化について歌っていることが分かりますね。

いわゆる、マンネリというやつです。

マンネリを解消するには、いつもと違うことをしたり、サプライズ的なことを計画するといいなんて意見をよく聞きます。

この歌詞の主人公も「たまには遠回りして、いつもと違う感覚を味わえばまたドキドキできたのかも」と後悔していますね。

恋を長続きさせるポイントは「ときめき」にあるのかもしれません。

夏に終わってしまった恋

(※)恋は生きている 生きている ちゃんと見ていないと
すぐ心の形は変わっていく
何も気付かなかった僕のせいだよ
いつしか気持ちは死んでいた
君の抜け殻が 抜け殻が 目の前横たわる
瞼をそっと閉じれば夏草の匂い
その角を曲がっても
思い出を語れないだろう

出典: 三角の空き地/作詞:秋元康 作曲:Hiroki Sagawa・Yasutaka.Ishio

「恋は生きている」というサビの歌詞がとても印象的ですね。

恋は生き物や植物と同じで、きちんと育てる必要があるのです。

放置しておくとお互いの気持ちはどんどんと冷めていき、やがて恋は終わりを迎えます。

その変化に気付くことのできなかった主人公は「僕のせいだよ」といって自分を責めているようです。

サビの後半では「夏草」というワードや、セミを連想させるような「抜け殻」というワードが登場します。

夏に終わりを迎えてしまった恋のようですね。

二人で一緒にいた時によく通っていた曲がり角。

きっと付き合っていた頃、その曲がり角を歩きながら色々な話もしたのでしょう。

でも別れてしまった今、二人で歩きながら話すなんてことはできなくなってしまいました。

移り変わる様子を描いた歌詞

工事車両が入って
何が建つのだろう
そんな感傷的な
僕は君が好きらしい

出典: 三角の空き地/作詞:秋元康 作曲:Hiroki Sagawa・Yasutaka.Ishio

ここからは2番に突入します。

工事車両が入って、何もなかった場所に新しい建物が建てられていく様子が描かれていますね。

1番では、心の変化についてたくさん書かれていました。

この工事の情景をわざわざ歌詞に入れたのは「移り変わる様子」を強調したかったからのように感じられます。

どんなものも時間が経てばどんどんと変化してしまうということを伝えたいのでしょう。

「この工事が終わったらどうなるんだろう」と感傷的な気分に浸る主人公。

そして、そんな主人公のことを恋人は好きだったようです。

相手の気持ちに気づけなかった主人公

言葉数少ない 君を腕に抱いて
不自然と気付かなくて…
あの時 そのわけを聞いてあげてたら
まだ続いてただろうか?

出典: 三角の空き地/作詞:秋元康 作曲:Hiroki Sagawa・Yasutaka.Ishio

主人公が付き合っていた相手は、自分の気持ちをあまり言葉に出すタイプではなかったようです。

相手の気持ちが冷めている様子に、主人公は気付くことができませんでした。

もし、主人公が相手の変化に気づいて、その気持ちを聞き出していたらマンネリを解消できたのかもしれません。

だからこそ、主人公は「もっと相手の気持ちに敏感になっていれば…」と後悔しているのでしょう。

「恋を育て続ける」ということを怠った二人

花が咲くように 咲くように 愛は生まれ育ち
でも日差しが無ければ枯れて行く
水をあげることさえ 忘れていたよ
二人は愛し合ってたのに…
一度 美しい美しい花びらが開けば
永遠にずっとそのまま変わる気がしてた
手に入れた愛しさは
変わらないものと思ってた

出典: 三角の空き地/作詞:秋元康 作曲:Hiroki Sagawa・Yasutaka.Ishio

2番のサビでは再び、恋を生きているものだと強調しています。

恋を花に例えていることが分かりますね。

きっと、はじめのうちは花開いていた二人の恋。

美しい花のようにロマンティックで華やかな毎日を過ごしていたのでしょう。

しかし、そのことに二人は満足してしまって「恋を育て続ける」ということを怠ってしまいました。

その結果、どんどんと枯れていってしまったのです。

「終わった恋」と「三角の空き地」を重ね合わせている様子

大事な人は すぐそこにいた
だけど今は…
手を伸ばしても
三角の空き地だ

(※くりかえし)

出典: 三角の空き地/作詞:秋元康 作曲:Hiroki Sagawa・Yasutaka.Ishio