「君」への感謝の言葉を
どんな時も前を向いて
止まらずに歩けるのは
遠くにいても支えてくれる
君の言葉 背中押すから
Love 届けたい smile いつまでも感じて この愛だけ
出典: love & smile/作詞:Kana Nishino 作曲:toiza71(Digz,inc)
語り手は前向きに世界を渡り歩いています。
それもひとえに「君」の愛による後押しのおかげなのです。
語り手はその事実にしっかりと目配りして「君」への感謝の気持ちを口にします。
辛いときでもそばにいる人がきちんと愛を贈ってくれているという自覚があれば難局も乗り越えられる。
語り手にとって「君」は唯一無二にして最高のパートナーでしょう。
私たちはこうしたパートナーが陰日向で支えてくれていることを普段から自覚できているでしょうか。
ときには「君」が示してくれたような後押しに気付かずにひとり落ち込んでしまうこともあるでしょう。
辛いときほど視野が狭くなるのが人間の悪い癖です。
しかしそうしたときにも深呼吸して周りを見渡してみるといいはず。
恋愛のパートナーに限らず、自分の味方は結構いてくれるのだと気付くのです。
誰かの支えなくひとりで孤高を気取っている人にもかげには支援者がいます。
私たちは支え合うことでしか人生を切り拓いてゆけません。
身近な人の支えがないときでも誰か、例えばアーティストを念頭に置いて私たちは成長します。
人間は生まれながらにして社会的な存在ですから、こうした依存関係は当然のものなのです。
大切なのはそのことに感謝できるかどうか、このことに尽きるような気がします。
「love & smile」の語り手は十分すぎるほどに「君」へ感謝の言葉を口にするのです。
西野カナがどういった人間関係を理想としているのかがこうしたラインから読み解けます。
愛と笑顔を結んでみる
語り手は自分の愛が真実であることを疑いません。
また「君」の愛も同様に真実であると固く信じています。
こうした確信は日頃の「smile」の中から発見できるものです。
屈託のない笑顔こそが嘘のない愛の証拠として機能します。
このことはとても大切なことです。
笑顔を失くしたままで愛を信じようというのは無理があるはず。
私たちはお互いの警戒心を解くために笑顔を浮かべます。
嘘も偽りもない自然な笑顔の中に愛を発見することができるのです。
この楽曲「love & smile」が愛と笑顔を接続詞「&」で結んでいることはとても大切なことでしょう。
愛と笑顔は切ることのできない関係にあるのです。
誰かに愛されたいと願うのならば悲しい顔を浮かべるよりも明るい笑顔を磨くことを覚えましょう。
共感力で愛を学ぶ
Love くれるから smileそれだけで感じる その愛だけ
Love ありのまま smile 君にこの想いを届けたい これからも
願うよ 君の幸せずっと
Love 受け止めて smile 今ここで感じる この愛だけ
出典: love & smile/作詞:Kana Nishino 作曲:toiza71(Digz,inc)
間にリフレインを挟みます。
繰り返しになりますので再掲載は割愛いたしました。
西野カナはこの愛を感じ合えるのは語り手と「君」のふたりだけに限定します。
当事者だけが分かち合える愛の姿を描いているのです。
しかし歌詞というものはリスナーに向けてシェアするものでしょう。
西野カナはこの熱い愛をドラマに昇華してリスナーがこの愛の風景を分かち合うことを祈ります。
お互いの笑顔に癒やされることがあることを再確認して欲しいと願うのです。
パートナーから届けられた笑顔はあなただけのものにしていいものだと歌います。
リスナーはおそらく語り手に没入する人が多いでしょう。
中には「君」の方、つまり支える側にまわる役に自分の姿を投影する人もいるはずです。
語り手は「君」の幸せを祈ると歌います。
ただ、語り手はすでに「君」の幸せに責任を負う立場でしょう。
「君」にこれだけ支えてもらっているのですから等分に恩返ししなくてはいけません。
そのために語り手は自分の愛を捧げます。
語り手は「君」が自分の愛だけを独占することを願うのです。
私たちリスナーの共感力がこの愛から学ぶことを要請します。
歌詞や物語の中の愛や他者の愛に学ぶことは非常に多いでしょう。
アーティストは真摯な想いを込めてどうにか共感される愛の姿を描こうと必死になります。
西野カナが「love & smile」に込めた想いは支え合うカップルの姿です。
その際に言葉で何かを伝えるよりも笑顔で愛を届けるカップルを描きました。
言葉にしてしまうと何か足らないことを笑顔は伝えてくれます。
笑顔というのは膨大な幸せの情報を詰め込んだボディ・ランゲージのひとつなのです。
「love & smile」と笑うこと
重圧がかかる毎日を超えよう
I'm searching for what you have in your heart
セツナイ日も楽しい日も全部
I'm giving my love I hope it's forever
いつでも君のそばにいるから
出典: love & smile/作詞:Kana Nishino 作曲:toiza71(Digz,inc)
いよいよクライマックスになります。
歌詞情報が豊富なのでふたつに分けてご紹介いたしましょう。
語り手の日々にはときおり心塞ぐような状況が訪れます。
私たちが生きている限り、毎日いいことばかりではありません。
学園や職場、そして家庭で辛い思いをすることも多いです。
私たち現代人には毎日重圧がかかっているのですからそれも当然でしょう。
パートナーとの笑顔の交歓・交換によって私たちは明日へ生命の線を伸ばしてゆきます。
悦びにあふれるときはむしろ愛や笑顔の尊さに鈍感になってしまうこともあるかもしれません。
いつでもパートナーの大切さを思い続けることは残念ですが至難です。
どこか幸せに慣れきって浸りきってしまうことがあるでしょう。
ただ、想いを寄せられるときはいつでもパートナーへの愛と笑顔に感謝できたならば。
若いうちの愛を長続きさせる秘訣はこの辺りにあるのでしょう。
感謝し合おうというのが西野カナの目論見であるはずです。
笑顔でいることを学ぶ
I'm searching for what you have in your heart
会えない日も見守っているから
I'm giving my love I hope it's forever
またこの場所で笑える日まで
Love くれるから smile それだけで感じる その愛だけ
Love ありのまま smile 君にこの想いを届けたいよ これからも
LALALA・・・
出典: love & smile/作詞:Kana Nishino 作曲:toiza71(Digz,inc)
いよいよ最後のラインです。
リフレインを含み繰り返しになるのですが、最後ですから改めて振り返りましょう。
語り手と「君」は一緒に暮らしているカップルではありません。
学校や職場に通いながらすれ違いがある日常なのです。
こうした愛を持続させるにはお互いへの信頼がないとやってゆけません。
そのために自分の愛をすべて捧げたいと歌うのが語り手です。
その愛に応えるように会える日にはいつでも笑顔で迎えてくれる「君」がいます。
誰しもパートナーと会える日には笑顔でいたいもの。
笑顔こそが約束の在り処のように感じられるからです。
お互いの悦びをシェアできない愛はもろく潰えます。
同じことで笑えるような感性の一致などが相手のことを特別な人にさせるのでしょう。
私たちは現実の恋愛の中でそのことを知りますが、幸せなときこそこうしたことを忘れそうです。
「love & smile」
西野カナが愛と笑顔の相関関係を教えてくれる歌でした。
発表から数年を経ましたが未だに新鮮なサウンドに驚きます。
恋愛を持続させるために大事なエッセンスがたくさん詰まっている歌です。
愛をふたりが持ち合うからこそ辛いときにでも笑顔でいることができる。
その笑顔に癒やされてさらに愛を永続させようと願ってゆくのがこの歌の骨子です。
愛と笑顔は同じものではないはずなのに非常に近しい関係にあることに西野カナは目を啓きました。
彼女のこうしたひらめきやきらめきに私たちは勇気付けられます。
歌詞から学んだことを現実の愛にフィードバックさせるのはリスナーである私たち。
素敵な愛の関係から学べることを実際の愛に活かすことができたならば歌はリアルに結晶するでしょう。
とりあえず笑っていられたらいいなと思ってもらえたら嬉しいです。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。