明日の朝刊であたし笑ってるかな
「やけっぱちのアリス そのまま タイムマシンにお願い だから」
出典: セーラー服を脱がないで/作詞:松永天馬 作曲:松永天馬
恋をすることは犯罪を犯すことと同じこと。
「やけっぱちのアリス」の登場人物が言った言葉です。
少女は恋をしてしまいました。
それは罪深きことなのです。
罪深きこと、それは大人になるということなのです。
しかし、それと同時に少女にとって恋愛は素晴らしいことなのでしょう。
だから紙面の少女は笑顔なのです。
アリスも恋をして、苦悩や葛藤をしながらも大人への階段を駆け上っていきました。
まるで、望めば時代を一瞬で飛び超えるようなタイムマシンのように。
ただ、一度大人の恋を知ってしまった少女は二度と子供には戻ることはできません。
大人の味を知ってしまったら、子供の恋では物足りないのです。
駆け引きなんかなくて
聖なる夜を汚さないで 生と死なんて語らないで
政治みたいなキスしないで 制服のままの君でいて
出典: セーラー服を脱がないで/作詞:松永天馬 作曲:松永天馬
聖なる夜とは、生命の誕生を意味するともいわれています。
生命の誕生は、尊く、神聖で美しいものです。
一方で生命の誕生は男女の出会いによってもたらされるものです。
まだ大人の恋の味を知らない少女にとっては汚れたものであり、心惹かれるものなのでしょう。
しかし、そんなものは知らなくていい、と言っています。
恋の駆け引きも、生命の誕生と消滅もそんなことわからなくていい。
他人と同じ服を纏った少女のままでずっといてほしい、といったところでしょうか。
セーラー服と制服
セーラー服を脱がないで 生徒手帳を捨てないで
性教育に学ばないで 清純なままの…
聖なる夜を汚さないで 生と死なんて語らないで
政治みたいなキスしないで 制服のままの君でいて
出典: セーラー服を脱がないで/作詞:松永天馬 作曲:松永天馬
セーラー服と制服は、清純な少女の象徴とここではされています。
そして、生徒手帳には男女交際は清く正しく美しくとあるのでしょう。
大人にならないでいつまでも清く正しく美しくあるべきと思っているのです。
いっそのこと、セーラー服を着たまま大人になってほしいのでしょうか。
そんな歪んだ大人の愛情と願望が見え隠れします。
思春期って地獄
勉強できなくて恋もできない ダメなあたしなの
恋も勉強も難しすぎる 毎日地獄なの
出典: セーラー服を脱がないで/作詞:松永天馬 作曲:松永天馬
大人になるためのあらゆる勉強は、どんな教科よりも難解で答えのないものもあるのでしょう。
恋も同じです。
一筋縄ではいかないのが大人で、恋なのです。
どうしたらうまくいくなんてマニュアルもない、規則もないのです。
どうしたら大人になれるのか、そもそも大人って何?
そんなことを自分自身に問い続ける日々は、思春期の少女にとっては地獄以外の何物でもないのでしょう。
思春期って、地獄。
でも、思春期の子供でもない大人でもない少女は美しく、清くて、尊いものなのです。