桑田佳祐「白い恋人達」
2001年10月発売のシングル
「白い恋人達」は、2001年10月に桑田佳祐の7枚目のシングルとして発売された曲です。
「冬」を感じさせる定番曲のひとつとして知られるこの曲は、桑田佳祐のソロ名義の曲の中でも特に人気や知名度が高いものとなっています。
冬の景色の中で終わった過去の恋を切なく思い出す様子が描かれる歌詞が印象的なこの曲。タイトルの「白い恋人達」は、1968年のフランス映画「白い恋人たち」からとられているそうです。
切ないピアノのメロディが印象的ですが、音源のピアノ演奏は桑田佳祐の妻でサザンオールスターズのキーボーディストとしても知られる原由子が務めています。
ロングヒットを記録した名曲
発売から長い年月が経った今でも冬の曲として人気の「白い恋人達」は、商業的にも大ヒットを記録しました。
オリコン週間チャート・月間チャートではともに1位を記録。2001年の年間ランキングでは6位にランクインし、さらには翌年2002年の年間ランキングでも37位を記録しています。
ロングヒットとなったこのシングルの累計売上枚数は、発売元であるビクターエンタテインメントの発表によるとなんと150万枚を超えているそうです。シングルとしては異例の大ヒットですね。
日本ゴールドディスク大賞では「ソング・オブ・ザ・イヤー」を獲得し、日本レコード大賞でも金賞を受賞するなど高く評価されました。
景色が印象的なMVにも注目

「白い恋人達」は歌詞の情景描写が印象的な曲ですが、そんな曲の世界観を描いたMVにも注目です。
ある冬の街並みの光景が描かれるこのMVでは、普段の明るくはっちゃけた印象とは違って、切ない表情でピアノを弾き語る桑田佳祐の姿が見られます。
MVの映像から感じられる冷たさ、寒さは「冬」という舞台によるものだけでなく、大切な人がもう隣にいない寂しさからも来ているように感じられますね。
曲にぴったりの、切ないMVです。
「白い恋人達」の歌詞を紐解く
情景が浮かぶ歌い出し
夜に向かって雪が降り積もると
悲しみがそっと胸にこみ上げる
涙で心の灯を消して
通り過ぎてゆく季節を見ていた
外はため息さえ凍りついて
冬枯れの街路樹に風が泣く
あの赤レンガの停車場で
二度と帰らない誰かを待ってる Woo...
出典: http://j-lyric.net/artist/a005366/l0013ba.html
「白い恋人達」の歌詞は、切ない情景描写から始まります。
その歌詞からは、雪が降る夜の街並み、そしてその中でひとりぼっちの主人公の姿が思い浮かびますね。
「ため息さえ凍りついて」という表現から、空気がとても寒いということ、そして主人公が暗い気持ちでいることが伝わってきます。
あの恋を思い出して涙する
今宵 涙こらえて奏でる愛のSerenade
今も忘れない恋の歌
雪よもう一度だけこのときめきをCelebrate
ひとり泣き濡れた夜にWhite Love
出典: http://j-lyric.net/artist/a005366/l0013ba.html
別れてしまった恋人との思い出を歌う「白い恋人達」の歌詞。
過去の恋を思ってひとり涙する主人公の姿は、雪が降る寒い夜の街並みの描写も合わさってとても寂しげで辛そうなものに映ります。
「もう一度だけこのときめきを」という願いがこぼれ出す様子からは、終わってしまった恋への未練をまだ主人公が捨てきれていない様子が伺えますね。
切ない思いを絞り出すように歌う桑田佳祐の歌声が、歌詞が描く物語により感情を込めています。
詩的な表現に彩られる
聖なる鐘の音が響く頃に
最果ての街並みを夢に見る
天使が空から降りて来て
春が来る前に微笑をくれた Woo...
出典: http://j-lyric.net/artist/a005366/l0013ba.html
「天使が空から降りて来て」といった詩的な表現に、桑田佳祐のソングライターとしてのセンスが感じられますね。
銀色に輝く冬の街が想像される綺麗な描写は、寒くて寂しげながらその景色をとても魅力的なものに感じさせてくれます。