チャレンジから逃げている人へ
自分の熱意を信じてほしい
体感温度疑って決めつける前に問えばいい
ときめきが導いてくれるから
出典: 絶対零度/作詞:津野米咲 作曲:津野米咲
この楽曲における体感温度とは「目の前に立ちはだかる大きなチャレンジへの気持ち」でしょう。
この単語に続くフレーズを見てみると、この気持ちがどちらかといえばネガティブなものを意味しているとわかります。
失敗したらどうしようという不安・成功するイメージが持てないことへの恐怖・自分には無理だという諦め。
それらの感情はどんな時も肥大化し、人々の心を支配しようとしてきます。
しかし自分自身が本当に熱意を持っているのであれば、そんなネガティブな温度に負けることなどないのです。
それが続く2行目のフレーズ。「ときめき」こそまさに、人々に眠る熱意のことでしょう。
その熱意こそ自分自身を目指す先へと導いてくれる、忘れてはならないものなのです。
進む先は厳しいけれど
絶対零度の未来に持ち物リストは無いのさ
ときめきが胸の奥にあるなら
出典: 絶対零度/作詞:津野米咲 作曲:津野米咲
また温度を示す言葉が登場していますね。
「絶対零度」とは、学術的に考えられる最低の温度を指します。具体的には-273.15度。
想像もつかない冷たさです。もはや温度が低すぎて、冷たさよりも痛さを伴うものかもしれません。
いずれにせよこの温度を聞いたところで、日頃から研究などに携わる人以外の大多数が想像できないでしょう。
これはつまり、チャレンジする前と同じ状況です。
未来のことなんて誰にもわかりません。もしかすると想像をはるかに超えた厳しさ・苦しさが待ち受けているかもしれない。
「失敗するかもしれないからやめておく」「うまくいかないから諦める」といった感情を抱く人もいるでしょう。
しかし続くフレーズを見てみると、そうしてネガティブな感情を抱くことがもったいないと訴えかけているのです。
誰にもわからない未来を、現在の自分の体感温度だけで決めつけること。
そんなことをせず、自分の胸に秘めたときめき=チャレンジへの熱意を信じて進み続けるべきだ。
そうやって熱いエールを送ってくれているようにも感じられますね。
前に進めないときには
誰に向けた歌?
塩分濃度振り切って渇いた喉で歌えばいい
思えばいい たとえ届かなくとも
出典: 絶対零度/作詞:津野米咲 作曲:津野米咲
先ほどのフレーズでは「先の見えない未来に不安ばかり抱いても意味がない」といった、心のあり方を伝えていました。
しかしここではどちらかといえば、想定外のことが起こってしまった現実に対してどうすべきかが綴られています。
1行目、魚は死海を泳ぐ中でそこの水をたくさん飲みこんでしまったのかもしれません。
高い塩分濃度は塩辛い現実、つまりここではなかなか思い通りにならない現状を表現しているのでしょう。
しかしここでは唐突に「歌う」ことで乗り切ろうとしているのです。
ここではその歌を誰かに届けることよりも、歌うという行為自体に重きを置いているように感じられますね。
つまりこの歌が持つ意味は、自分自身への激励だと考えられます。
どんなに苦しい状況に陥ったとしても、そこから助け出せるのは結局自分しかいません。
もちろんこの歌には「誰かが気が付いて助けてくれるかもしれない」という救援信号的な意味もあるでしょう。
しかしその要素はそこまで重要視していないでしょう。
となれば、自力で這い上がろうとする自分自身へのエールだと捉えるのが自然なのです。
転ぶことも1つの成果
絶対零度の未来に永久保証は無いのさ
くたばった甲斐があればいいから
出典: 絶対零度/作詞:津野米咲 作曲:津野米咲
自力で這い上がろうと歌いながら自分自身を鼓舞し続けた結果。
絶対にまた前に進める、絶対に立ち上がれる、絶対にうまくいく保証などどこにもありません。
なんといっても未来は「絶対零度」で、誰にもわからない厳しさを秘めているのです。
時には失敗のまま終わってしまうこともあるでしょう。
しかしそうやって躓くことも、また1つの成果だと綴られていますね。
先が読めない未来だからこそ、「こうやったら失敗するのだ」という事実が明らかになることが大きな収穫だということ。
そうやって積み重ねた行動の記録は自分自身の実績として積み重なり、それがいつかは自信に繋がる。
厳しさをつきつけていた未来にも明るさが感じられるようになってきましたね。