生まれ変わった「赤い公園」
ボーカリストの脱退という危機を乗り越え...
完成された音楽性と度重なるタイアップ効果もあり着々とその知名度を広めてきた赤い公園。
2017年のボーカリスト佐藤千明の脱退という危機にも負けず活動を継続してきました。
そこに思いがけない救世主として出現したのがアイドルルネッサンスの石野理子です!
『闇夜に提灯』以降、揃いの白い衣裳を脱ぎ捨てた赤い公園。
その変化に呼応するような石野理子の加入により赤い公園の音楽性は飛躍的に自由度を増したのです。
今回は新体制で2曲目に発表された『Highway Cabriolet』のMVをピックアップして紹介いたします。
2018年10月に『消えない』を限定公開
2018年秋に新体制の第1弾MVとして公開された『消えない』。
そこには確固たる自信を持って音と戯れる4人の姿が収められていました。
『消えない』のMVではスプリットスクリーンを用い石野&バンドを別個に描写。
この構成は石野理子が広島から上京しバンドと合流する以前のストーリーを想起させます。
そして2019年2月、満を持して公開されたのが『Highway Cabriolet』のMVです。
『Highway Cabriolet』
80'sテイスト満載のMVをYouTube限定公開
『消えない』の公開から3か月後に突如公開された『Highway Cabriolet』のMVを見てみましょう。
“Cabriolet(カブリオレ)”とはBMW等のヨーロッパ車におけるオープンカーの名称。
タイトルが示す通り「ハイウェイを疾走するオープンカー」を舞台にした映像作品です。
まず最初に80年代のポップアートを彷彿とさせるネオンカラー使いに驚かされます。
終始リラックスした空気感で鳴らされる洒脱なアーバンロックである『Highway Cabriolet』。
4人の波長がピッタリとシンクロした姿を印象付ける素敵なMVに仕上がっています。
ダンスをプッシュした映像を手掛けたのは?
『Highway Cabriolet』のMVを手掛けたのは映像作家兼コレオグラファーの志村知晴です。
あまり耳慣れないコレオグラファーという職業。
早い話が振付師を指してます。
赤い公園の前作『消えない』の石野理子のダンスパフォーマンスも実は志村知晴の振付です。
近年ではNakamuraEmi『かかってこいよ』、CHAI『GREAT JOB』のMVの監督&振付も担当しています。
歌って踊れるボーカリスト石野理子の加入によりダンスパフォーマンスも重要度を増した赤い公園。
今後の映像作品でも志村知晴の振付が披露される可能性は大きいでしょう。
煌めくネオンの意味とは?
舞台装置として繰り返し登場する謎のネオン管
MVの冒頭、ゆっくりとズームアウトされた画面にネオン管で作られた枠が映し出されます。
バックに流れるのは逆回転と思われるフィードバックギターの音色。
ネオンの周囲をスタイリッシュな女性たちがまるで駅前の通行人のように交差していきます。
幻想的でありつつもネオンに象徴されるチープな質感が表現する耽美な世界観。
この繰り返し登場する構図は『Highway Cabriolet』における重要な舞台装置なのです。