「ノンフィクションコンパス」
ノンフィクションコンパスは2013年に発売の「桜のあと(all quartets lead to the?)」のカップリング曲。
表題曲とともに、アニメ作品「夜桜四重奏」のオープニングテーマとして起用されています。
直訳の意味は「ノンフィクション=事実に即して作られた作品」「コンパス=羅針儀」
これは何を意味しているのでしょうか。
アニメ作品の主題歌
タイアップされている「夜桜四重奏〜ヨザクラカルテット〜」。
「デュラララ!」など人気ライトノベルのイラスト担当のヤスダスズヒト氏による漫画が原作のアニメ作品です。
人間と妖怪が住む桜新町を舞台に、個性豊かな登場人物がさまざまな怪事件に挑んでゆくというストーリー。
UNISON SQUARE GARDENは夜桜四重奏シリーズと3曲ものタイアップをしています。
そのどれもが桜やカルテットといったフレーズが使用されており、作品に深く寄り添った楽曲となっています。
迷いの中にいる主人公
世界の端っこ、何者でもない自分
もやもやミスト空間 ここどこ?わからないけど
世界の数ある片隅なんだろう
あやふや fit my think そうして思い込むから
自身はどこだろう? 未だ採点不可能です
出典: ノンフィクションコンパス/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
早速歌詞をみていきましょう。
この曲は迷いの中から始まります。主人公がいるのはもやに囲まれた世界。
立ち位置があやふやで定まっておらず、自分は世界の隅っこにいるただの脇役だと思い込んだ状態です。
自分自身を評価しようにも、何もしていない、どこにも居場所のない自分に点数をつけることができない。
自分の価値が見いだせない、自信をもてない状態でいるんですね。
この物語は誰のものか
誰かさんプロデュースのキャストロールを探して
安心してるなんて、どうだろう?
このストーリー描けるのはただ一人だ 中途半端な心構えは要らない
出典: ノンフィクションコンパス/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
映画を見終えたあとに流れるエンドロール。
主人公は他人の作った作品に自分の名前を見つけ、自分の居場所はここにあったのだとほっと安心します。
でも、すぐに疑問を持つのです。それでいいのだろうか。
ここでいう作品は人生を意味しています。
誰かの人生の脇役として生きる。そんな人生に満足できるのでしょうか。
いいえ、できませんよね。主人公は気づきます。自分の人生、物語を描けるのは自分しかいないのだと。
そうして主人公は一大決心するのです。自分自身の人生を生きて、たった一つのストーリーを作り出そうと。
ここから物語が一気に加速していきます。
走り出した物語
ぐるぐるとかき乱すルーレット さながら回る物語
誰もが皆主役で勝っただ負けただ騒いでる
そう思うと弱気になるよ けど止めらんない
出典: ノンフィクションコンパス/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
決意を胸に主人公が走り出したところでサビが展開します。
走り出した人生は不確定で先が見えません。
周りの人たちはみんな主役級の強者にみえ、勝ち負けを競って争っています。
その中に飛び込むのは勇気がいります。自分なんかが立ち向かえるのだろうか。
それでも、主人公は歩みを進めるのです。目指す未来へ進むと決めたのだから、と。