手荷物は嘘以外の気持ちと少々の自信過剰
情景 桜舞ったコントラスト どうかこの願いも一緒に乗せて
世界の真ん中はここだよ

出典: ノンフィクションコンパス/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也

自分にあるのは前へ進むことを望む偽りのない感情と、少々行き過ぎた自信だけ。

戦いに挑むには頼りない荷物ですが、世界の中心は自分だ! そう歌いながら主人公は進んでいきます。

最初は自分が世界の隅にいる脇役でしかないと思っていた主人公が、自分が主役の物語を歩み始めたんですね。

自分の存在があやふやだった冒頭と比べても、大きな一歩といえるのではないでしょうか。

胸に浮かぶ桜が舞う情景。

美しくもはかない桜は生と死の象徴や、戦いに生きる武士の生き様に例えられます。

主人公を突き動かす決意の大きさが感じられますね。

同時に夜桜四重奏から連想される夜桜の光景も感じられ、アニメのファンにも向けた粋な演出となっています。

ただひたすらに走り抜ける

自分の価値は自分自身が信じる

直接脳とリンクするプログラムで吐き出した
心の言の葉 これが最小限で十二分

安っぽく聞こえるのはわかってるから 自分だけの価値を付けて
オークションで跳ね上がったら ざまあみろってんだ
現時点に執着なんてない 僕よ 走れ

出典: ノンフィクションコンパス/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也

続いて二番の歌詞。歌われているのは主人公の他人への感情です。

自分の道を走りだした主人公は周りの人に聞かれたのでしょう。「どうして急に頑張り始めたんだ?」と。

それに対しての回答は、心から思ったままのまっすぐな言葉でした。

何の飾りもない言葉。主人公にとっては十分すぎる理由です。

けれど、周りの人はその言葉だけで主人公の決意の壮大さを理解できませんでした。

周りは首を傾げますが、主人公は気にしません。

その価値が自分にとってかけがえのないものだと知っているからです。

将来、その価値が世間から認められたときに、安っぽいと思った奴らを見返してやる。

誰に何を言われたって関係ないと、周りの目など気にせずに主人公は目標へと突き進んでいくのです。

全てが大切な経験となる

ちらちらと流れ行く背景 巻き込み進め物語
無駄に見えたならmistake 全部がかけがえないエキストラ
壁もある足かせもある 委細が想定内

出典: ノンフィクションコンパス/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也

全力疾走で走った時のことを思い出してみてください。周りの景色はあっという間に通り過ぎていくでしょう。

主人公はまさに今、全力で走っています。その最中にも様々な人と関わったり、出来事が起こります。

それらはすぐに通り抜けていきますが、ただの背景ではありません。

出会う全てに影響を受け、影響を及ぼしながら主人公の物語は発展していきます。

全て掛け替えのない人生の出演者であり、特別な存在なのです。

生きていれば当然、試練や失敗があります。それを恐れては前には進めません。

どんな結果になろうと、失敗も糧となります。人生で得た全ての経験は宝物になるのです。

人の目なんて気にしない

カメラやド派手なライティング そんなの要らないし興味もない
感情軌道に乗った さあどこへ行こうか
この願い指し示す方へ 世界の真ん中を動かして

出典: ノンフィクションコンパス/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也

撮影道具や照明器具、被写体を美しく見せるために大切なものですが、それを主人公は必要ないと言います。

誰にどう見られていようと、どう思われようと関係ない。

人の目なんて気にしない、という強い思いの表れなのでしょう。

恐れずに感情の赴くままに走っていこう。どこにだって行ける。願う場所へ、自分から動いていくんだ。

二番のサビにはそんな強い思いが込められているのです。

苦しい時をこえて

ちょっとだけ怖いけど 大丈夫だよ ずっと譲らないから 大丈夫だよ
冷やかすように心 乱暴にknock-knock するのは誰だ
引きずり出してみようとしてもダメなんだって そうだよ
自分で叶えなくちゃすぐに消えてしまう

出典: ノンフィクションコンパス/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也

このパートからは不安や焦燥を感じます。

マラソンや水泳で長距離に挑んでいるとき、途中でふと辛くなる瞬間が訪れるでしょう。

強い思いを胸に走っていても、ふと自分の気持ちに負けそうになる瞬間があります。

それでも、そこでやめてしまったらゴールにたどり着くことはできません。

自分の願いを叶えるのは自分しかいないのです。だから走ろう。

クライマックスに向けて、そう自分を奮い立たせます。

走り抜けたその先