相手のマイナス面を知った上でも、好きでい続けるのは意外と難しいものです。
今までどんな生活を送ってきたのか、どんな過去を抱えて生きているのか…。
一緒に過ごしていくうちに見えてくるさまざまな情報が、ノイズのように恋心を邪魔してしまうのです。
しかしそれでも好きだというのならばその気持ちはきっと本当なのでしょう。
多少汚れていようが、少しくらい恥ずかしい過去があっても平気です。
それでもあなたが好きなのだという止まらない恋の気持ちが歌詞から伝わってきます。
あなたがいるだけで
疑心暗鬼にかかって 奇人変人扱い
ちちんぷいぷい痛くないよもう
出典: Dangerous feat. 吉井和哉/作詞:吉井和哉 作曲:布袋寅泰
恋に落ちてしまった人はもう誰にも止められません。
第三者から見ると呆れるような恋や、気持ちが強すぎて度を越してしまっているような恋もあるでしょう。
どんなふうに周りが見ていようが、本人はそんなことは気にせず突き進むのです。
恋は盲目とはまさにこのことですね。
恋のエネルギーはいつでも自分の内側から沸き上がってきます。
まるでブレーキの壊れた車のように、燃え尽きるまで加速し続けていくのです。
その結果、失敗して痛い思いをしても好きだから何でも許せてしまいます。
どんどん膨れ上がる気持ち
禁じられた関係でも構わない
禁じられた罪を犯す
彼女がアスピリンを噛んだら
頭冴えて身体キレる
エクスタシーがand more and more get down
出典: Dangerous feat. 吉井和哉/作詞:吉井和哉 作曲:布袋寅泰
この辺りから主人公と彼女の関係が禁じられたものであることがわかります。
絶対に犯してはいけない罪だとわかっていても後戻りできないほどに主人公は彼女に惹かれているのでしょう。
「罪」というのは前の一節にも登場した「浮気」という言葉に関するものだと思われます。
理性を失ってしまい感情の操縦がうまくいかずあらぬ方向に進んでしまう…。
これも恋の力なのでしょう。
後戻りできない主人公
シルエット重なりやめてくれやめてくれ
好きになりそう
出典: Dangerous feat. 吉井和哉/作詞:吉井和哉 作曲:布袋寅泰
好きにならないようにしようと思えば思うほど反対にどんどん好きになってしまうものです。
主人公はこのまま突っ込んでしまったら取り返しがつかなくなるとわかっているからこそ、避けようと奮闘しています。
しかし一度心に芽生えてしまった気持ちをきれいに取り除くのは簡単ではありません。
ずるずると心が引きずり込まれていき、最後の叫びもむなしく彼女の方へ引き寄せられていきます。
しかしその結末は...
儚く終わってしまう恋
フォーリンラブ
深まった愛が歌のように始まって終わる
天使と悪魔とは君のためにある
言葉だとわかったのさ
出典: Dangerous feat. 吉井和哉/作詞:吉井和哉 作曲:布袋寅泰
曖昧な関係はそう長くは続きません。
Aメロ、Bメロ、サビ、アウトロと定型化されたポップソングの予定調和のように恋が終わりへと向かってしまいます。
過去の行動が未来を左右する「因果応報」という四字熟語がありますが、主人公はまさにその言葉通りになってしまいました。
不思議なもので何かしら後ろめたいことをした報いは必ず後になって相応の形で返ってくるのです。
進んではいけないとわかっていたけれどその歩みを止められなかった主人公はある意味「自業自得」な結末を迎えます。