ビジュアル系ロックバンドがリリース
【ENAMEL】とは
アニメ「黒執事」との関わり
この楽曲は2014年7月に放送を開始した深夜アニメ「黒執事 Book of Circus」のオープニングに起用されました。
黒執事のアニメシリーズ第1期オープニングは彼らの【モノクロのキス】でしたので、2度目の大抜擢です。
ボーカルのマオさんが原作を読み返して綴ったという歌詞にはストーリーが反映されており、大好評。
主人公である執事のセバスチャンと、その主人であるシエルの関係性が見事に描かれています。
もしくはアニメの重要人物でもあるジョーカーとお父様の関係性を描いたようにも見えますね。
ただしアニメを知らなければ楽しめない!ということでもありません。
視点を変えてみれば、とある男女の関係が描かれているようにも見えるのです。
今回はあえてアニメの世界を加味せずに歌詞世界を読みといていきましょう。
タイトルや歌詞に含まれる「エナメル」って?必死に繋がりを求めたその心の内は?
そんな疑問に迫っていきます。
誘う男性と迷う女性
だから 早く 一心不乱 溺れてごらん
快楽へと 闇へと 螺旋階段
出典: ENAMEL/作詞:マオ 作曲:御恵明希
登場人物は2人。互いを愛し合う男女でしょう。
呼びかけるようなフレーズから、男性が女性に想いを伝えているのだと考えられます。
男性はなかなか心を開いてくれない女性を必死で口説いているのかもしれません。
理性を保とうとする女性に甘い言葉を囁き続けています。
対する女性はどう思っているのか、ここからははっきりと読み取ることができません。
しかし2行目最後で「螺旋階段」という言葉が登場していますね。
ぐるぐると渦巻きのような形をした階段のことですが、いったい何を意味しているのでしょうか。
これはきっと、徐々におちていく女性の気持ちでしょう。
ストンと真っすぐに落ちていくわけではなく、回りながら少しずつ落ちていく。
つまり女性は色々なことを考え、迷いながら男性に惹かれていったのでしょう。
出会うまでの人生
曲がりくねった その途中で
幾度となく 抜いた 刃
返り血で咲いた 綺麗な夜
出典: ENAMEL/作詞:マオ 作曲:御恵明希
ここは様々な解釈ができますが、男性が理想の女性と出会うまでの人生を綴っているのでしょう。
2行目にある「刃」も複数の意味を込めたものと考えられます。
男性が持つもの
まず1つに、男性的なものの象徴であるということ。
理想の相手を探す過程でたくさんの女性と関係を持ったのでしょう。
しかしうまくいかなかった。主人公も傷ついたでしょうが、一夜限りの関係を持った相手の女性も傷ついたはずです。
そんな胸の痛みが3行目にある「返り血」なのだと考えられます。
心に刺さるもの
2つ目の解釈は男性の心を傷つけるものを意味する比喩表現です。
繰り返しますが、主人公の男性は自分にとっての理想の関係を求めていました。
そこに辿り着くまでにきっとたくさんの女性と関わってきたことでしょう。
しかし何度繰り返しても理想の関係を築ける相手とは出会えなかった。
もしかすると女性に別れを告げるたびに傷つく言葉を投げかけられたのかもしれません。
はたまた思い通りにならない自分の人生にうんざりしていたのかもしれません。
そうして男性の心を傷つける様々な要素を「刃」と表現しました。