理想の関係
求めるのは服従?
もう 何もかも全部 忘れさせてあげるからさ
あざといキスはいらない 服従を命じよう
出典: ENAMEL/作詞:マオ 作曲:御恵明希
ここでようやく、そこまでして男性が手に入れたかった理想の関係が明らかになります。
男性は自分に身も心も預けてくれるような、自分に依存しきってくれるような、そんな女性を求めていました。
男性が強く持っていたのは支配欲。自分を愛してくれる女性を服従させたかったのです。
エナメルとは?
冷たい指で 装飾 めくる音が
エナメルから 伝わる 微かに
出典: ENAMEL/作詞:マオ 作曲:御恵明希
エナメルとは光沢のあるペンキ塗料や、金属器・陶器などの表面に吹きつけるガラス塗料を指します。
共通しているのは「上に重ねる、光沢のあるもの」ということですね。
ここではざらついて見栄えの悪い本性を隠すための、つややかで見栄えのいい体裁を意味するのではないでしょうか。
男性の「支配したい」という欲求は万人に理解されるものではありません。
だからこそ最初はそれがバレないよう、エナメルに身を包んで近づくのでしょう。
ただここの歌詞を見てみると、相手の女性はそのエナメルの下に隠された冷たさを感じ取っているようです。
多くの女性には、上に塗り重ねただけのエナメルでは通用しなかったのでしょう。
暴走する支配欲
もう 戻れなくたって 檻の中で繋がったまま
二人 密接がいい どこまでも狂気へ
出典: ENAMEL/作詞:マオ 作曲:御恵明希
男性の支配欲が暴走しています。
どんなことがあろうと相手の女性を支配し続けたい。そんな願いが表現されていますね。
ただ好きでいてくれるだけの相手では意味がありません。
こちらの支配に反発できないほど依存してくる相手を求めているのです。
男性にはそんな自分の欲求が狂っているかもしれないという自覚はありません。
1行目「檻の中」は物理的なものというより、精神的な束縛を表していると考えられます。
そこで「密接」といっているのですから、男性がどれほど強い気持ちで女性を求めているかがわかりますね。
男性が繋がりを望む理由
ここまで「男性が追い求める理想の関係」に迫ってきましたが、彼がそのような関係を望む理由は何なのでしょうか。
実はどの理由をとっても男性のこれまでの人生、そこで積み重ねてきた経験が恋愛観に大きな影響を与えています。
そしてそれが、繋がりを求める男性の心に通じているのです。
繋がりというよりもはや「支配」ではありますが、それほど極端なことを望む理由を探ってみましょう。
恋愛経験が浅いから
きっとこの男性は恋愛経験が極端に乏しいのでしょう。女性との関係の築き方を理解できていないと考えられます。
つまり、「支配を女性に対する包容力だと勘違いしているから」だという可能性があるのです。
この場合は相手への純粋な愛故の行動と考えられますので、異常だというほどではないかもしれません。