あなた立つと、目の前には影ができるでしょう
それさえ愛おしいって、今更気付いたよ

出典: ショートショート/作詞:雫 作曲:雫

あなたの目の前の影、それは彼の暗い部分を示しているのではないでしょうか。

どんな人間にも浮き沈みがあり、長所もあれば短所もあります。

そんな彼のホメられない部分ですら、愛おしいと、失ってから気づいたのです。

愛について考える

その愛があなたを攫ってきて
その愛がすべてを奪い去った
群集の夜には
あなたを思い出す
一生のひとをまた連れてきて
もう一度だけ隣で笑っていて
星降る魔法の青
あのときの私に愛が足りなかっただけ

出典: ショートショート/作詞:雫 作曲:雫

愛があったからあなたがそばにいてくれた。

愛があったから私は今こんなに苦しんでる。

ああ、私には愛が足りなかったんだな。

このように愛について想いを巡らせます。

あなたからわたしへ

金輪際、約束はしないよ
破る自分が許せない
空っぽの私でも覚えている
聴けなくなった音楽のこと

出典: ショートショート/作詞:雫 作曲:雫

あなたの口癖だった「約束はしない」はいつの間にかわたしの言葉になっています。

なぜならあなたがいないと、わたしは空っぽだから。

そしてあなたが歌っていた歌はいつまでたっても聴けない。

忘れたくても忘れられないのです。

どこまでいってもあなたはいない

慣れていない街を歩いていると
世界に一人だけみたい
すれ違う人々が残らず
幸せそうに見えてしまうな

出典: ショートショート/作詞:雫 作曲:雫

気晴らしにいつもと違うところへ。

そんな慣れていない街でも孤独を感じてしまいます。

部屋にいても街にいても私は一人。

だから自分が不幸のどん底にいるような気がしてくるのです。

大人にはなれない なりたくない

花は散るときのために咲くと聞いたけれど
子供の私にはそんなの分からないよ
分からなくていいよ

出典: ショートショート/作詞:雫 作曲:雫

誰だって失恋を経験した時はつらいです。

そして周りの人間はいつだって、恋に破れた人を励まします。

「この恋で勉強になったでしょう」

「むしろ別れて正解だったよ」

「もっといい人と出会えるチャンスが出来たってことだよ」

なにか失恋にも成果を見出して、元気づけようとするものです。

しかしその失恋の果実を手に入れるために、花は散らなければなりません。

大人になるためのステップとして、ティーンエイジャーの恋を捉えるなら、恋とはなんと儚いのか。

そして「私」は彼を忘れたいのに忘れたくありません。

だから大人になって、この恋を踏み台にすることに抵抗します

誰しも言えないことがある

知りたいからあなたを傷つけて
知らないのに私は傷ついた
紺碧の夜にはあなたが笑っている
行き交う人の波に乗って来て
当たり前の顔して抱きしめて
そんなはずないよな
人混みの中に残った私一人だけ

出典: ショートショート/作詞:雫 作曲:雫

あなたとの間にあったトラブルとは。

それはあなたを知りたかったからこそ起こったことなのでしょう。

そういうことってありますよね。

人は誰しも、本当に大切な人にだって言えないことがあります。

でも恋する乙女にはそんなことは関係ありません。

「私のこと愛してるなら、言えないことなんてあるわけない」

「言えないってことは、私を愛してないってことだ」

そう思い込んで、傷つきます。

潔癖症なあなた

ここで冒頭の歌詞に戻ります。

「あなた」は約束を破りたくないから約束をしないのです。

約束を破るということは、嘘をつくということです。

「あなた」は誠実な人なのです。

だから言いたくないことを聞かれたときに、うそをついてごまかしません。

あなたの誠実さが、ここでは伏線になっているのです。