どんなことでも始まりは 些細なことでしょう?
どこがいいかなんて 聞かれても困る
綺麗な夜に惑わされたまま行方不明だから
出典: 右肩の蝶/作詞:水野悠良 作曲:のりP
どうやら不安定な関係も始まりは些細なことからだったようです。
ちょっとした感情、出来心。
そんな軽い感じで始まったのだからこだわりなんかも特にありません。
自分が本当はどうしたいのかなんてあの夜の日に見失ったままとも捉えることができる歌詞です。
お互いの利害が一致していたらそれでいい。
それぐらい2人は冷めた関係なのかもしれません。
目に入るものは
長いまつげ 三日月アイラインまぶたに乗せて 光るリップ
出典: 右肩の蝶/作詞:水野悠良 作曲:のりP
サビ手間の歌詞では、相手の特徴的な部分、目と口元が書かれています。
おそらく主人公の印象に残っている部分なのでしょう。
特に目元をよく見ています。
それほどの相手の目が魅力的なのでしょうか。
また顔周りの印象的な部分をあげることでお互いに顔が近いことが想像できますね。
サビでは「キスをした」というフレーズもあり、よりリアルな描写になっています。
お互いが求めている
雨の中で濡れた 髪が異常に冷たくて
寂しさをトイレに吐き出して 震えて待ってる
追いかけては逃げるから それ以上で返して
真剣だから笑うと 痛い目に遭うよいい?
出典: 右肩の蝶/作詞:水野悠良 作曲:のりP
冷めていてどうでもいいのだけれども、寂しさは堪える。
寂しさを埋めるために持っている関係とも考えられます。
また引用歌詞の最後の行で「真剣」という言葉が。
このことから主人公は本心では相手のことを結構真面目に考えているとも捉えられます。
こんな関係が始まったきっかけは些細なことだったのですが、いつしか本心は真剣になっていた。
でも相手は利害を埋めるだけの浅い関係しか求めていない。
このちぐはぐな感情が不協和音のようだ。
主人公は自分の考えと現実の違いに葛藤しているという解釈もできます。
相手のことをマネてみるけれど
赤い爪と 安物の指輪 傷付く度増えるピアス
出典: 右肩の蝶/作詞:水野悠良 作曲:のりP
自分の真剣さを少しでも分かってもらえるように主人公は相手をマネてみます。
しかし所詮相手のマネなので自分が劣化版のように感じてしまう。
相手との想いの違いや、やるせなさから心が傷つくこともあるでしょう。
相手のマネをするだけというハリボテの理由からピアスをする。
一種の自傷行為のようにも聞こえます。
相手のマネをして勝手に傷ついて。
自分は一体何がしたいのか。
そんなことさえも分からなくなってくる。
それぐらい相手に想いを募らせているのでしょう。
お互いに分かりきっている状況
抱き寄せて 歪んだ体 埋めるのはあなたしかいない
そうでしょう? わかってるくせに 境界線とっくに越えてる
出典: 右肩の蝶/作詞:水野悠良 作曲:のりP
キスをするたび切なさを募らせたり、相手のマネごとをしてみたり。
そんなことをすれば相手にだって伝わっているかもしれません。
そこまで想いをつのらせていれば人自然と態度に出るものです。
主人公が表面上の関係では踏み入ってはいけない所まできてしまった。
そう考えた相手はどうするのでしょうか。
主人公は「わかってるくせに」と悪態をついています。
分かっている上で現状の関係を続けている。
主人公が理想と現実のギャップに悩んでいてもそのまま。
相手にとってはそんなこと関係ないのですから。
主人公が苦しんでいようが拒否しなければいいのです。
いっそのこと突き抜けて欲しい
後悔は死ぬほどしてる その分だけ快感を呼び覚ます
狂いだした私を止めて 一瞬でラクにしてよ
出典: 右肩の蝶/作詞:水野悠良 作曲:のりP
どうしてこんな関係になってしまったのか。
自分と相手との想いの違いに後悔している。
一線を超えてしまったあの時から主人公達の関係は決まっていたようなものです。
些細なことから始まった2人の関係。
でももうどうすることもできません。
自分の想いを打ち明ければ今のこの不安定で緩い関係もなくなってしまう可能性がある。
それだったらいっそのこと、今の関係を…。
このような葛藤が引用部分の最後の行に表れているようです。