美しさを追い求め
友さえも罵れば
這い回る修羅の道
代わりに何を得ただろう
猛り立つ声には
切なさが隠れている
誰がその背中を
撫でてやろうとしただろう
出典: https://twitter.com/akanesuke0914/status/926071478650527744
米津玄師の追求する”美しさ”はとても独創的で、厳しいもの。
他の追随を許すところはありません。
他人にも同じものを求めても、所詮は理解されずに終わってしまうでしょう。
個人主義だという彼は、そこでも恐らく理解を得ることはできず、諍いになることもあったのではないでしょうか。
そこで人を傷つけては後悔する日々。
表現したい芸術と自分の才能と、周りとの兼ね合いが若さゆえの自意識やプライドも邪魔をしてうまくいかないこともあったでしょう。
尖って、攻撃して、また繰り返す。
本当は傷つけたいのではなくて、理解してほしいだけなのに。
そんな想いは届くわけもなく、一人で強がる姿が哀しく表現されています。
声と風に導かれて
流離うまま 嵐の中
まだ胸に夢を灯し
渦を巻いて飛ぶ鳥の
姿を倣えばいい
出典: https://twitter.com/yonedu_hachi/status/932477022168793089
でもそんな日々はもう終わりました。
彼は声と風を見つけました。そして自分の可能性も。
小さな世界の中で苦しむことは、もう必要なくなったのです。
広い大空で、自由に、飛燕のように舞えるのです。
自分の思うがままに。
ずっと 羽ばたいていた
未来へ向かう 旅路の中
道の正しさは風に託して
ただ進んでいけ
出典: https://twitter.com/Kenshi_Yonezu_R/status/931365859813048320
夢を見ていたんだ風に煽られて
導いておくれあの空の果てへ
出典: https://twitter.com/Kenshi_Yonezu_R/status/931365859813048320
明るく、目の前が開けたような世界。
後ろを向いていても仕方がない。
空の果てには、何が待っているのかはわかりません。
鬼が出るか蛇が出るか。
それも風次第。風が運んできた道は、どんなに険しくても、きっと美しいものにたどり着けるはずです。
安直なものには、美しさは宿りません。
例え困難な道だったとしても、それはすべて必要なことなのです。
だから、恐れることなく風に乗って新しい世界へ羽ばたいていくのです。
スタジオジブリの名作「風の谷のナウシカ」がモチーフ?
この曲は、宮崎駿の作品「風の谷のナウシカ」がイメージソースとなっていると米津玄師は語っています。
物語のヒロイン、ナウシカは病床にある族長の父に代わって国を治める、人望厚く、強く、勇気と行動力がありながら心優しい少女です。
しかし正義感や信念も強く持つ反動か、彼女がひとたび怒ればそれは凄まじく、本人にもコントロール不能なほどで、見境なく周りを傷つけてしまうといった激しい面も持っています。
そうしたナウシカに幼いころから影響を受けてきた、という米津玄師。
この曲はナウシカに米津玄師本人を重ねて歌っているようです。
「飛燕」の力を借りて
ダークな世界観や、絶望をどこかに感じさせるものも多い米津玄師の世界。
この「飛燕」は、過去から脱却して、広く新しい世界に羽ばたいていく姿が描かれています。
過去の辛いことを浄化して、一歩でも過去に引きずられることなく前に進めるよう力強く飛び立ちます。
この「飛燕」に背中を押されるようにして、私たちも新しい世界へ飛び出していけるかもしれませんね。
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