自分を置いてけぼりにして海に歩いていく彼女をただ見つめるだけ。

すでに彼の心は彼女の手の中に。

少しだけ大人になった気分

心の変化に気づいた彼女

最後にAメロが2回リフレインします。

わかってる 昨日の賢い私より
少しだけ綺麗になったこと

笑っちゃう 涙の止め方も知らない
20年も生きて来たのにね
生きて来たのにね

出典: メイン・テーマ/作詞:松本隆 作曲:南佳孝

海岸に1人で居る彼女はいましがたの出来事を境に心の変化を噛みしめています。

これまで恋は頭の中でイメージしていたもの。

まだキスだけなんだけど、現実の恋に一歩足を踏み入れました。

一つ大人になれた自分が奇麗になったような感じがして嬉しい。

彼女が流す涙は戸惑いによるものだけでなく、大人になっていく喜びでもあります。

心の中から溢れ出てくる感情なので涙は止められません。

愛ってよくわからないけど
傾く心がいいね
笑っちゃう泣かれて

口説くのも忘れた
ほろ苦い男の優しささ
男の優しささ

出典: スタンダード・ナンバー/作詞:松本隆 作曲:南佳孝

自分の経験からは予想もしなかった彼女の態度に、彼は言葉を失います。

手玉に取られている自分に敗北を感じながら、苦い感覚を楽しんでいるのかもしれません。

まとめ

作詞家としての本領が発揮された歌詞

薬師丸ひろ子【メイン・テーマ】歌詞解説!傷つく愛に泣き笑い…大人と子供の間で揺れる女性の心情を紐解くの画像

男性との付き合い方を知らなかった彼女。

一方的に女性から好かれることが当たり前だと思っていた彼。

2人が恋の入り口で見せた駆け引きが繊細に表現されています。

「メイン・テーマ」の歌詞映画主題歌に決まってから後付けで書き換えられています。

男女の視点に分けたのは作詞家として松本隆の力量が発揮されたといえます。

オリジナルの「スタンダード・ナンバー」を読み直してください。

これを薬師丸ひろ子が歌うのであるなら女性の視点で書いてみよう。

それは才能ある作詞家としては当然の選択だったのかもしれません。

歌手として円熟味を増した薬師丸ひろ子

薬師丸ひろ子【メイン・テーマ】歌詞解説!傷つく愛に泣き笑い…大人と子供の間で揺れる女性の心情を紐解くの画像

14歳で映画デビューした薬師丸ひろ子

松田聖子小泉今日子中森明菜ら歌手としてデビューしたアイドルとはスタートが違って女優でした。

しかし、コーラス部出身とあって歌唱力には定評があります。

歌より可愛さが優先したアイドルが多かった中、基礎のしっかりした彼女の歌は別格でした。

1990年代を過ぎて若手アイドルからの脱却を模索し様々な役を演じています。

2000年代に入って音楽番組やコンサートなど音楽活動も定期的にこなすようになっています。

美しい声はそのままに歌手として円熟味を増した歌はファンを魅了して止みません。

2013年度のNHK連続ドラマ「あまちゃん」に出演し劇中と翌年の紅白で劇中歌を披露しています。

物語の重要なカギとなる曲「潮騒のメモリー」の薬師丸バージョンです。

物語のクライマックスで劇中のミニコンサートとして歌われました。

円熟した歌手としての歌は定期的に開かれているコンサートで聴けます。

松本隆が手掛けた薬師丸ひろ子全盛期の「セーラー服と機関銃」をはじめとするヒット曲の歌詞

加えて薬師丸ひろ子以外に作詞した曲も知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

映画ファンだけの”薬師丸ひろ子”をアイドルに押し上げた『セーラー服と機関銃』。”薬師丸ひろ子”主演の映画と主題歌の歌詞に迫ります!

平井堅さんや中森明菜さんなど多くの有名アーティストがカバーしている薬師丸ひろ子さんの『Woman”Wの悲劇より”』なぜアイドル史上屈指の名作と評されているのでしょうか?その理由を考えてみました!