Nulbarich「VOICE」は一瞬耳を疑う

Nulbarich【VOICE】歌詞を和訳して解説!何があるの?“声”に導かれ…たどり着いた果てにはの画像

Nulbarichの「VOICE」をはじめて聴いたとき、脳が混乱してしまいました。

脳の認識は洋楽として受け入れていますが、メロディーにのる歌詞に日本語が含まれます。

洋楽だと決め込んでいる脳は、その日本語でショートしかかってしまうのです。

どの角度から本作を聴いても、ブラックミュージックとしか感じられません。

「外人が日本語を織り交ぜている曲を作ったのか!」

これが脳が下した、最終的な結論でした。

しかし現実は全く違い、JQ率いるNulbarichだったのです。

この結果を受け入れるには、相当の時間がかかりました。

それほどNulbarichの「VOICE」は完成度が高く、日本人では奏でられない音域です。

新鋭アーティストが続々と出現している、現在の日本の音楽シーン。

その中でも別格の存在といえるのが、Nulbarichです。

本稿では「VOICE」の歌詞に迫り、JQの世界観を存分に楽しんでみます。

Nulbarich「VOICE」のサウンド

Nulbarichの「VOICE」で奏でられるメロディーは、どう聴いてもブラックミュージックです。

軽快なリズムとあらゆる音が重なり合い、昔聴いていたアシッドジャズの雰囲気もみせます。

これまでアシッドジャズに似せた、たくさんのアーティストを耳にしてきました。

しかし、本作のように、筆者の脳を混乱させたアーティストは1つもありません。

あらゆるジャンルの音楽を聴いてきたと自負している、筆者の脳を混乱させた唯一の存在。

それがNulbarichのサウンドでした。

この混乱は公式サイトでJQの素顔をみるまで、収まらなかったのです。

彼らが奏でるサウンドは、これからの日本の音楽シーンが変貌を遂げる幕開けのように感じます。

それほどまでの期待感、ワクワクが止まらないのです。

Nulbarich「VOICE」のMVをチェック

映像に吸い込まれる

本作のMVには、ダンサーのアオイヤマダが出演しています。

薄暗いイスタンブールの街並みは、思い悩む彼女の心境を表しているようです。

時折ダンスを織り交ぜながら、彼女の気持ちを表現します。

思い悩んだ末に彼女の心が晴れ渡るように、街並みも明るくなりトルコ独特の建物が綺麗です。

吹っ切れた彼女は、何かをみつけるかのように走り始めます。

彼女の仕草も、ダンスパフォーマンスも、冒頭とはまるで違い前向きな印象になりました。

言葉なく仕草とダンスパフォーマンスで、全ての感情を見事に演じきります。

ラストでは何かをみつけたかのような、1点をみつめる彼女の横顔がとても美しいです。

Nulbarich「VOICE」の歌詞をひも解く

英語と日本語が違和感なく、自然と並ぶ「VOICE」の歌詞

ここまで自然な歌詞に巡り会え、非常に胸が高鳴っています。

本作のタイトル「VOICE」が意味することは、一体何なのでしょうか。

MVからも何かその声に、引き寄せられているような印象を受けます。

愛する人の声?それとも、心の声?、意味が非常に気になるタイトルです。

JQが描く世界観は、どのような視点なのでしょう。

ここから本作の歌詞をひも解き、想像を膨らませながら解説します。

どうぞ最後までお付き合いください。

みつめ続ける

I'm the silent one
使い回された
言葉だけじゃ満たされないみたい
shooting stars fade away
見えなくなるまで
眺めてるそれだけで

出典: VOICE/作詞:Jeremy Quartus.Ryan Octaviano 作曲:Jeremy Quartus

ありきたりな言葉では物足りず、思わず黙り込む主人公。

ネオンや街灯が街を彩る中、空に一筋の流れをみつけます。

刺激のない日常にうんざりしていて、生きる価値を探していました。

鳴り響くクラクションも、主人公の耳には届きません。

主人公は空に放たれている一筋の流れに、目を奪われています。

その流れに主人公の未来を重ね、これから迎える人生にも輝きがあることを願うのです。

しかし、何か目標もあるわけではなく、できることは漠然と空の流れをみつめることだけ。

このままで良いのか、主人公は自問自答を繰り返します。

もし…

どう思う? my friend
imagine if I can use magic
if I can use magic
飛べたのかな
but I'm on my way
I'm on my way there
止まらないようにマイペース
好きなstepでchase
I'm coming

出典: VOICE/作詞:Jeremy Quartus.Ryan Octaviano 作曲:Jeremy Quartus

あなたがもし魔法が使えたなら、どんなことをしますか?

有名人となり、経験したことのない様な世界を味わう。

あなたの人生を思い通りにして、華やかなものにする。

いろいろなことが考えられ、迷ってしまうことでしょう。

何か現状を変えたいときに、不思議とこのような夢物語を描いてしまいます。

しかし、現状は夢物語と全く違い、わずかに進み続けるのが精一杯なのです。

主人公もマンネリ化した日常から、抜け出せていないのは十分わかっています。

なりふり構わず、主人公の進むべき道を行き続けなければいけないことも。

主人公は現実と理想とのギャップに、苦しんでいるようです。

新しい自分