「包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ」が作られた背景

シングルのジャケットから分かること

2004年11月発売の『包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ/霊霊霊霊霊霊霊霊魔魔魔魔魔魔魔魔』。

マキシマムザホルモンの4枚目のシングルです。

そのジャケットには曲名の背景に国語辞典の文字のようなものが映っています。

しかも文字は反転していて、鏡に映っている状態なのです。

また、その鏡も通常の状態ではなく、割れている状況です。

鏡が割れると不吉なことが起こるっていいますよね?

とても恐怖をあおられる演出です。

 

また、その鏡には歪んだ自分が映ります。

人間の二面性を表しているのではないでしょうか?

凶器による狂気が問題となった時代

言うことを聞かない生徒に、先生がキリを投げて大問題になる事件がありました。

また、悪口を言った友達を、小学生女子が包丁で刺した事件も発生しました。

凶器による事件が問題となった時代が今回の舞台となっています。

その「狂気」について書かれた曲なのです。

亮君は、凶器を捨てよと説きます。

「包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ」の正式な表示は各単語の上に×が書かれています。

実は、マキシマムザホルモンが狙ってやったわけではなく、タイトルが過激すぎるために指定されたそうです。

始めはふざけるなと思った亮君でしたが、凶器を捨てよ、というメッセージと重なったため、結局は良かったと語っています。

亮君のたくらみ

「包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ」はCD2枚組ですが、本当は3枚組にしたかったそうです。

この曲が発表されたのはコピーコントロールCDが出回った時代でした。

亮くんはその時、CD-Rを入れて自分でコピーして4曲目にするという時代に逆境したアイデアを提案しました。

しかし、あえなく却下。

この経緯は、「INDIESROCK MAGAZINE」2007年5月号に掲載されています。

レコード会社の思惑と闘いながら、切磋琢磨して生み出された作品だったんですね。

それでは、歌詞の解説に行きます。

序盤

Aメロ

チェインソー内臓
左手のマイク

出典: 包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ/作詞:マキシマムザ亮君 作曲:マキシマムザ亮君

自分目がけて、強力な武器がやってきて襲われそうになります。

心臓を守るため、片手で応戦する。

歌を武器に戦う、という意思の表れではないでしょうか?

SとMの中間
ララバイ

出典: 包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ/作詞:マキシマムザ亮君 作曲:マキシマムザ亮君

性癖を赤裸々に明かします。

しかし、亮君は女が欲しいのではありません。

感覚を分かち合える友達が欲しいのです。

だから、性に対して「さようなら」と言っています。

血で繋がれ
変えれ概念

出典: 包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ/作詞:マキシマムザ亮君 作曲:マキシマムザ亮君

人の感情と考え方のことです。

全ての人々が感情で繋がり、凶器を手に持ってしまう心、その考え方を変えたいと歌います。

インドア―の罠
我マシーン

出典: 包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ/作詞:マキシマムザ亮君 作曲:マキシマムザ亮君

インドア―の罠というのは亮君とナヲの子供の頃の思い出からきています。

亮君が閉じこもりのようなインドア魂が炸裂していた小学6年生の時のことです。

スーパーファミコンの「マリオペイント」で、ビデオテープに自作アニメ「SUPER!KAWA!」を作成しました。

亮君の名字は川北。「KAWA!」は名字からきています。

しかし、「SUPER!KAWA!」のビデオテープの上から、ナヲが、とんねるずの番組を録画してしまったのです。

そして一生懸命作った自作アニメ「SUPER!KAWA!」は消えてしまいました。

家の中には姉の不条理が潜んでいたのです。

亮君は、ナヲの部屋のドアを、カッターで切りまくったそう。

亮君は自分の中に潜む狂気を見つけ化け物と化してしまったことに気付いたのでしょう。